こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
みなさま、韓国でも餃子がメジャーに食べられていることを、ご存知でしょうか?
ただ、韓国では餃子ではなく饅頭(マンドゥ)と呼ばれており、日本と同じく中国から伝わってきました
一説によると饅頭が韓国に伝わったのは、高麗時代頃だとされています。
もともと高麗は仏教を信仰しており、食肉が禁止されていました。
しかしモンゴルの侵略により食肉が緩和され、饅頭が普及したと言われています。
今から約千年前の高麗時代に「雙和店(サンファジョム)」という民謡があり、「雙和店で雙和を買いに行くと、店主のモンゴル人が手を握ってくる」という歌詞があります。
雙和(サンファ)とは饅頭を指し、モンゴル人は中国のウィグル族のことを指すことから、高麗時代に饅頭が朝鮮半島に伝わったのが分かります
そののち、朝鮮時代の料理書「飲食知味方(ウムシクティミバン)」に、マンドゥグクと言う饅頭を牛肉の出し汁で煮た料理が掲載されます。
この時代の饅頭はそば粉を皮にしており、具はやわらかく茹でた大根や雉のひき肉、粉山椒などでした。
これを真鍮の小さな釜で茹で、食べるときは生姜汁を加えた酢醤油で食べたようです
韓国の饅頭文化は、そばと小麦の栽培が盛んだった朝鮮半島北部を中心に発達しました。
お正月には饅頭を仕込む風習があり、雑煮にも入っていた程に北部ではポピュラーなものとなります。
そしてそののちに、饅頭は南部へも広がっていきました
韓国の調理方法は、中国と同じく水餃子や蒸し餃子の方が主です。
種類も豊富で、野菜と肉を魚で巻いた「魚饅頭」や、皮の代わりに白菜で巻いた「スンチェ饅頭」、四角い皮で包んだ「片水(ピョンス)」、雉を使った「雉餃子」などがあります。
韓国へ行かれた際は、粉食(プンシク)屋さんという粉もの屋さんで餃子を食べられますので、ぜひ食べてみて下さい
日本とは違った味わいが楽しめますよ
さて、本日はキュアサンと言う「夏ぎょうざ」のレシピをご紹介します。
中身をすべて炒めてから包む方法で、夏野菜であるキュウリを具にすることから夏ぎょうざの名前がつきました。
包むときにうろこの形に似せて作っているので、うろこ餃子とも言われています。
この季節にぴったりですので、ぜひお試し下さい。