こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
秋の果物の代表である『柿』が旬を迎えましたね
『柿』は、日本を代表する秋の果物ですが、アメリカやブラジル、ヨーロッパなどでも栽培されています。
実はヨーロッパでも柿は『kaki(かき)』という名で呼ばれているのです。
『柿』と一言で言っても様々な品種があり、そのまま食べてもおいしい品種から干し柿やジャムにしたほうがおいしい品種まであります。
一般的には、「甘柿」「渋柿」と分けられていますが、見た目では区別することはできません。
画像の右側のふたつは、「平核無柿(ひらたねなしがき)」という渋柿です。
渋柿なので、出荷前に炭酸ガスなどで渋を抜いてから出荷されます。
このように、渋を抜いて処理をした柿を「合わせ柿」または「さわし柿」と呼びます。
実は、今回『柿』について調べるに当たり、私自身が渋柿についてずっと誤解をしていたことが分かりました
昔は軒先でよく吊るされている光景を目にした干し柿は、一般的に細長い形をしていることが多いため、平らな形のものはすべて甘柿で、細長い柿はすべて渋柿だと思い込んでいたのです。
しかし調べていくうちにそれは間違いだと知り、目からうろこが落ちました……
渋柿だと思っていた左のふたつは、実は『筆柿(ふでがき)』という甘柿だったのです。ただし、「筆柿」は不完全甘柿といった分類に入り、一本の樹に甘柿と渋柿の両方がなるといった特徴があります。
渋柿の割合は1割程と言われていますが、ロシアンルーレットのように当たり外れのある状態では出荷できません。
そのため産地では甘柿と渋柿を見分けることができる機械を導入し、渋柿が混ざらないように注意を払っているそうです。甘柿と渋柿の違いは、柿の渋の原因であるタンニン(シブオール)の状態の違いによります。
実は甘柿も渋柿もどちらも同じくらいの量のタンニンが含まれているのですが、甘柿は水に溶けない状態で果肉に含まれており、唾液にタンニンが溶け出さないので渋味を感じることがないのです
逆に、渋柿はタンニンが水に溶ける状態で含まれているため、唾液にタンニンが溶け出すことで渋味を感じてしまいます
そこで渋柿は、天日で当てて干し柿にしたり、炭酸ガスやアルコールで処理をしたりして、水溶性のタンニンを不溶性に変えて渋味を感じないようにし、そのままでもおいしく食べられるようにする工夫がなされています。
『柿』って奥が深い果物ですね〜
さて、今回は、『柿とベーコンのチーズ焼き』をご紹介しています。
甘い柿とベーコン、チーズの塩気がベストマッチのおつまみレシピです。
意外な組み合わせですが、くせになるおいしさですよ
ぜひお試し下さい