こんにちは、料理家の野上優佳子です。
まだまだ寒さが厳しい、冬まっただ中ですね
しかし、寒さが厳しいからこそ味わえる旬野菜があります。
それは「寒(かん)じめ野菜」と呼ばれる物です。
寒じめとは、収穫間近になった野菜を寒気にさらす栽培方法のことです。
寒じめすることで野菜は寒さに耐えようとし、作物中の水分を減らし糖分を増加させます。
これによって甘みが増すという仕組みなのです。
またビタミンCやβカロテンなどの栄養素も増加します
例えば、ちぢみホウレンソウ(写真向かって右)やちぢみ小松菜(写真向かって左)はその代表的な物で、ビニールハウスで育てた野菜を収穫前にわざと冷気にあてるという方法で栽培されています。
また雪中(せっちゅう)ニンジンは、本来は秋に収穫するニンジンを雪が降るまで置いておき、まさに雪の中から掘り出して収穫します。
品種によっては糖度が12度以上となり、果物に匹敵する甘さになるのです。
寒じめ野菜のもうひとつの特長は、冬場は虫の被害も少なく、ほとんど無農薬で育てられるということ。
消費者の私たちには、うれしいことがたくさん詰まった野菜という訳ですね
このような野菜の育て方は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、通称「農研機構」の東北農研によって開発された技術だそうです
元々東北は、特に冬は厳しい風土条件のために野菜の栽培が難しい地域でした。
それが技術の進歩や研究によって、悪条件を好条件に変え、野菜に付加価値を持たせることに成功したとは驚きです
寒じめ野菜を味わうことができるのは、今の時期だけ
スーパーや八百屋さんで見かけたら、ぜひ味わってみて下さいね。
さて今回は、雪中ニンジンを使った、温かいポタージュのレシピをご紹介します。
ニンジンが苦手な方でも食べられるように味を調整しました。
寒い日に温まるだけではなく栄養もたっぷり摂れるので、ぜひお試し下さい