こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国では近年、都市部を中心に日本発の飲食店が急増しています
実は、昔から日本の飲食店が韓国へ進出することはあったのですが、業績の浮き沈みが激しく、数年で撤退を余儀なくされる店が少なくありませんでした
10年程前に日本のラーメン店が韓国へ進出したのですが、大皿をみんなで食べることを美徳とし個食を敬遠する韓国で、一人前ずつドンブリで出される日本のスタイルが受け入れられなかったのです。
また韓国で個食が敬遠されていること以外にも、韓国ではラーメンと言えばインスタントといったイメージが根強かったことも要因だと言われています。
しかし、ここ数年は日本を訪れる若い世代が増えたことで、日本文化への理解が深まったお陰もあり、韓国の地域社会にも日本の飲食店が根ざし始めました
最近ではラーメン屋以外にも、カレー屋、居酒屋なども進出しており、韓国で日本語の看板も良く目にします
特にソウルの江南(カンナム)エリアを歩いていると、旅行中にもかかわらず日本にいるような錯覚をしてしまう程です
一方で古くに日本料理として伝えられた物で、韓国で市民権を得た料理もあります。
その代表が「トンカツ」です
もともとトンカツは高級料理でしたが、1970年代中頃から一般庶民の間でも食べられるようになり、オムライスとともにトンカツは軽洋食店の看板メニューになりました
韓国語では「トンカス」と呼ばれ、今やカフェや学生食堂などでも提供されるとてもベーシックな料理として、韓国国内で愛されています
ちなみに、なぜトンカツがトンカスになったのかと言うと、韓国語には「ツ」という発音がないからなのです。
それでは日本と韓国のトンカツ(トンカス)の違いを、詳しく比較してみましょう
▼日本厚みのある豚肉を使う。
自分の好みでトンカツソースなどをかける。
和辛子が添えられている。
箸で食べられるように、あらかじめ切って出される。
▼韓国生姜焼きに使われるような薄い豚肉を使う。
デミグラスソース、またはケチャップを使ったソースが最初からかかっている。
ナイフとフォークを使って自分で切り分けながら食べる。
こうして比べてみると両国のトンカツは、似ているようで違っていることが分かります
どちらも食べたことがある私としては、各々おいしさが違うので、そのときの気分で選びたいところです
ちなみにこれは韓国人も同じ考えのようです
韓国でも日本スタイルのトンカツ屋が増え人気を博しており、韓国の地方在住の知人からは来日すると「日本のトンカツが食べたい」とリクエストされることもあるほど人気です。
韓国旅行する機会がありましたら、ぜひトンカツとは少し違う「トンカス」を味わってみて下さい。
それでは本日のレシピは、「韓国トンカツ」です
ちょっと目先を変えて、中にスライスチーズを挟んでみました。
カリッと揚げたトンカスに、たっぷりのソースをかけて頂いて下さいね