こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
私は本屋さんに行くと、今どんな料理本が売れているか必ずチェックします
ここ数年、「作り置き」のレシピ本が目を引きますね
きっと仕事や学校で忙しい人にとって、毎日の食事をおいしく短時間でこなすには、作り置きした常備菜が大きな助けになるからでしょう。
韓国では昔から、常備菜(長期保存できるおかず)を総称して「ミッパンチャン」と言い、各家庭の冷蔵庫に必ずあります。
ミッパンチャン=オモニ(おふくろ)の味と言われる程、韓国の人にとってなくてはならない物です。
韓国の常備菜で代表的な物と言えばキムチ、ナムル、チャンアチ(漬物)など。
日本と同様に共働きの家庭が増えているため、すぐにご飯が食べられる常備菜の存在がとても大きいのです
今回ご紹介するミッパンチャンは、日本人には耳慣れない「カンテンジャン」です。
日本語に訳すと「カン=強い」「テンジャン=味噌」で、「味の濃い味噌」を指します。
日本の家庭料理における味噌汁のように、韓国ではスープが食卓に上り、中でもテンジャンスープが高い頻度で登場します。
日韓で馴染みの深い味噌ですが、それぞれ味噌の種類や製法が違うので、調理の仕方も変わります
日本の味噌汁は、具材を煮込んでから味噌を溶き入れますが、韓国のテンジャンスープは食材と一緒に味噌を煮込みます
これは、加熱すればする程、テンジャンの味わいが深くなるためです。
この特性を活かして作るのが、カンテンジャンです。
カンテンジャンは、テンジャンスープよりもさらに煮込んで汁気を少なくして作ります。
とても塩気が強くなるため、保存性が高く常備菜になります。
食べ方は、熱々のご飯の上に生野菜とカンテンジャンを載せ、ビビンバのように混ぜて頂きます。
カンテンジャンの塩辛さは、ご飯と生野菜に合わせるとちょうど良い塩梅になるのです
韓国で、ご飯がすすむ料理を「ご飯泥棒」と言いますが、まさにカンテンジャンはご飯泥棒です
韓国人は日本人よりも野菜の摂取量が約2倍多いという統計があります。
改めて韓国の料理を思い浮かべてみると、野菜を豊富に摂取できる料理がたくさんあるように思います。
今回ご紹介したカンテンジャンもそのひとつで、濃い味付けのため、ご飯と一緒に野菜をたくさん摂れるので、自然と野菜を食べる量が多くなるのでしょう。
常備菜を利用することで、手軽においしいだけでなく、健康的な食事にもなるのですね
韓国独自の食材でなくてもカンテンジャンは作れますので、この機会に作ってみてはいかがでしょうか?
おすすめですよ
そこで本日のレシピは「肉味噌ビビンバ」をご紹介します。
今回ご紹介するレシピは本場のカンテンジャンよりも味噌の量を少なめにして、日本の方に食べやすい味に仕上げました。
残った肉味噌はそのまま食べる他に、麺類に絡めたり野菜と炒めたりと様々な料理に利用できる便利な一品です。
ぜひお試し下さい