こんにちは、料理家の野上優佳子です。
我が家はみんな豆が好きで、毎日のように豆料理を食べます
ここ最近はぐっと寒くなり、豆を使ったアツアツの煮込み料理を作ることが増えてきました。
豆にはいろいろな種類がありますが、皆さんはどの豆をよく使いますか?
豆料理は、下ごしらえが面倒に感じて、あまり作らないという方もいらっしゃるかも知れません。
確かに大豆や金時豆は、下ゆでする前に「一晩水に浸けておく」工程があるので、思い立ってもすぐに使うことができません
しかし、すべての豆が時間がかかる下ごしらえが必要な訳ではありません。
中には、それ程面倒な下ごしらえをしなくても調理できる豆もあります。
下処理が簡単な豆をいくつか覚えておくと、料理のレパートリーも広がりますよ
私がよく使うのは、小粒で平らな形をしたレンズ豆、小豆、ササゲ豆、黒目豆、大豆をつぶして乾燥させた打ち豆など。
これらは、ざっと洗って下ゆでするだけで下ごしらえが完了なので、思い立ったらすぐ調理できます
その中で今回は、日本ではちょっと珍しい黒目豆(くろめまめ)をご紹介します。
黒目豆は、西アフリカ原産とされる、ササゲ豆の1種です。
アメリカではBlack eyed pea(ブラックアイドピー)と呼ばれていて、アメリカ南部の家庭料理では定番の食材。
黒目豆は、アメリカ南部で縁起を担ぐ食材です。
形がコインに似ているから、調理すると膨らむから、などその由来は諸説あるようですが、煮込んだ黒目豆を元日に家族で食べると金運を授かると言われています
新年には、この豆の煮込みを炊き込んだご飯「Hoppin’John(ホッピンジョン)」という料理も作られ、こちらも縁起の良い料理のひとつです。
日本で縁起物の豆入りご飯と言えば、お赤飯が思い付くかと。
お赤飯に使われる豆は、地方によっては小豆の場合もありますが、ササゲ豆を使った物が関東地方では一般的なようです。
その昔、関東地方が武家社会だった頃、小豆は皮が破れやすいことが「切腹に通じる」といって縁起が悪いとされ、皮の固いササゲ豆を祝いの席の赤飯にしたという説があります
切腹とは無縁の公家社会だった地域は、小豆のお赤飯がそのまま残っているようです。
違う解釈なのに、遠く離れた国で、同じ種類の豆が「縁起が良い」食材とされているなんて、なんだか面白いですね
さて今回は、上記でも話題にした黒目豆を使ったレシピ「黒目豆のスープ煮込み」をご紹介します。
タマネギやベーコン、ハーブとともに煮込んだ栄養たっぷりの副菜。
冷凍保存もできるので、たくさん作ってストックしておくのもおすすめです。
ぜひお試し下さいね