2014年2月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
今日のテーマは、今が旬の「牡蠣(カキ)」です。
大別すると「真牡蠣(マガキ)」、「岩牡蠣(イワガキ)」、「地牡蠣(ジガキ)」の3つに分類されるそうで、私たちにおなじみなのはマガキとイワガキですね。
そして秋から冬にかけて旬を迎えるのはマガキです。
9月頃に産卵を終えるマガキは、次の産卵期(春)になるまで栄養を蓄えていきます。
身が太るこの期間が一番美味 と言うわけです。
日本ではカキはいつ頃から食べられ始めたのでしょうか。
東京・北区の中里遺跡には縄文時代中期に形成された貝塚が見つかり、カキとハマグリの殻が大量に見つかっています。
他の貝殻が混ざっていないため、そこはカキとハマグリの養殖場だったのではと言われています。
そして生食で頂くのが一般的になるのは明治維新以降です。世界に目を向けてみると、ヨーロッパにおけるカキの生食の習慣はとても早く、古代ローマ帝国ではカキの養殖も行なわれ、貴族たちがイギリスからカキを取り寄せ
ガルム(魚醤の一種)やワイン、ビネガー、オリーブオイル、黒こしょう等を混ぜた物と和えて食べたようで、魚介類の生食をあまりしない欧米ですがカキだけは特別なようです。
遡って18世紀、ジャン=フランソワ・ド・トロワという画家による『カキの昼食』 と言うフランス革命前の絵画は、貴族たちが生カキを食べる様子が描かれています。
そして現在でも、フランスでは冬になるとずらりと殻付きのカキが並び、エカイエ(écailler)というカキの殻を剥く職業があることからも食文化の深さと長さを垣間見ることができます。またアメリカ(ボストン)はシーフード料理のメッカ。
オイスターバーも数多くその中でも最古のレストランは1826年に創業されました。アジアを見れば、韓国では、チヂミやクッパ、お粥の具として定番ですし、長い食文化の歴史を持つ中国では干ガキを戻した煮込み等を始め、炒めたり蒸したりと大変数多くの種類のカキ料理があります。
生でよし、蒸してよし、煮てよし、焼いてよし!
今だからこそ味わえるカキ、たっぷり楽しみたいですね。
さて今回は、タスマニアの伝統料理のひとつ「オイスターキルパトリック」のレシピをご紹介します。
ビールにもワインとも相性抜群!
本来は殻付きで焼きますが、今回は作りやすくむき身を使ってグラタン皿で焼きます。
とてもシンプルなレシピなので、ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
それが韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国では、幅広い年代に絶大な支持を受けている飲み物があります。
それは、バナナ牛乳
1974年に発売されて以来、1日に80万個売れているそうです。
牛乳は古くから飲用されていました。 高麗時代の歴史書である「高麗史」に、牛乳を薬用として献上していたという記録があります。
当時は宮中や特権階級の補養剤でした
そして、モンゴルとの往来が始まってからは、国の常設機関として牛乳所が存在していたそうです。
この制度は、朝鮮時代まで引き継がれました。
牛乳は別名「駝酪(たらく)」 。 王様が早朝に召し上がる食事で、牛乳を使った駝酪粥がのぼりました。
王様が体調を崩したときは特に、薬用的な役割も果たしていたそうです。
牛乳が一般に普及したのは、近年になり洋食が入ってからです
欧米人が食事と共に飲用することから、韓国でもそのスタイルが浸透しました。
そして、牛乳粥も同様に親しまれるようになりました。
牛乳をそのまま飲むのは苦手という方がいらっしゃいますが、料理に利用して牛乳の栄養がとれるといいですね。
それでは、本日のレシピはもちろん「牛乳粥」 。
老若男女問わず食べることができる優しい味わいです
こんにちは!
料理家のひろろ こと 竹内ひろみです。
寒い日々が続きます
暖房器具など外側からの温めだけでは、ゾクゾクっとした寒さは解消できず、身体の内側から温めたくなりますよね
そんなときに食べたくなる料理と言えば「鍋料理」です。
鍋を食べたあとは、暖房も必要ない程、身体がホカホカと温まります
特にチゲ鍋など辛みが入った鍋を食べると、温かさが長く持続するような気がします
鍋料理のうれしいところは、身体を温める以外にもたくさんあります
そのひとつが大人数でも量の調節がしやすい点ではないでしょうか?
材料は切っておくだけなので、そのときの人数や状況に合わせて調理ができますし、温かい料理を食卓で温かいまま頂けるので、冬の来客時、我が家では鍋が食卓にあがることが多いです
さて、鍋のスープ(だし)についてですが・・・。
数多くの種類が市販されていて迷いますよね。
個人的には昆布と干しシイタケをベースにしたシンプルなものが好きです。
と言うのも、野菜・肉・魚類など、煮ている間にそれぞれの食材のおいしさがしみ出てきますから、基本だしとの相互作用でおいしいスープができあがるからです。
以前、つみれ鍋をしたとき、うっかり冷蔵庫に入れてあったつみれを入れ忘れて鍋料理をスタートしてしまいました
なんとなく物足りないな・・・おかしいな・・と思いつつ、食べ始めた頃・・・
主役のつみれの不在に気が付き急遽、投入!
つみれが煮える頃、スープにコクが加わり、とてもおいしい鍋ができあがりました
ちょっとした失敗でしたが、食材のもつおいしさを改めて感じる出来事となりました。
スープをシンプルにして、添えるたれを「ゴマだれ」や「ポン酢」、「辛味味噌」などいろいろに取り揃えると一度にいろいろな味が楽しめて、おいしさUP です 。
さて、今回は「トマト風味のあったか鍋」をご紹介致します。
ホールトマトをベースに作ります。
鍋ごと食卓に出してアツアツを頂きましょう!
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
本日2月3日は節分ですね。2014年の恵方は東北東です
関西では、節分の日に「厄除けぜんざい(善哉)」と言って、厄年の人が親戚やお世話になっている人、地域によっては道行く人にぜんざいをふるまうという風習があります。
これは、あずきの赤い色が邪気を払うとされていることと、ぜんざいを食べてもらうことによって、自分の厄も平らげてもらうという意味合いがあるようです。
今回は、厄除けぜんざいにちなみ『あずき』についてご紹介します。
『あずき』には、ビタミンB1、鉄分、カリウム、食物繊維が豊富に含まれています。カリウムが豊富に含まれているので利尿効果が高く、むくみを解消してくれる上、食物繊維が豊富なので便秘解消にも効果があります。
また、皮にはポリフェノールの一種であるサポニンという成分が豊富に含まれています。サポニンは、体内の余分な脂肪を分解してくれますので、中性脂肪やコレステロールを低下させる作用が期待できます。
さらにあずきには強い解毒作用があり、体内のアルコールをスムーズに代謝し、身体の外に出してくれるので、二日酔いのときにもおすすめの食材です
お正月や厄除けぜんざいで余ったあずきは、あずきの3倍にあたる量の水でアクをすくいながらやわらかくなるまでゆで、ゆで汁ごとファスナー付きの保存袋に入れて冷凍しておくとにすぐに使うことができるので便利です。
あずきを煮るときは、鉄製の鍋は控えるようにしましょう。
あずきに含まれるアントシアンという色素成分が鉄と結び付き、黒く変色してしまいますのでご注意を
さて今回は、そんなあずきを使った『あずきと根菜のミネストローネ』のレシピをご紹介します。
甘く調理して食べるイメージが強いあずきですが、スープの具材にしてもおいしく頂くことができます。
あずきの意外なおいしさが発見できますよ!
ぜひお試しを