2012年2月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
もうすぐ、ひな祭り
我が家も毎年、娘達のために、ひな人形を飾ります。
私が生まれたときに祖母がくれた、七段飾りのおひな様。世代を継いで飾れることを、とてもうれしく思います。
ひな祭りのメニューは、「潮汁」や「ちらし寿司」が定番でしょう。
ちらし寿司のルーツを探ると、江戸時代の事典「守貞謾稿(もりさだまんこう)」に、「箱に納めた飯と具を入れた押し寿司の中でも、シイタケの醤油煮を間にはさみ、上に卵焼きやタイやアワビの薄片といった複数の具を幾何学的に並べ置いたもの」 として、「こけら寿司」が登場しています。
「こけら寿司」とは、表面に魚肉片などの具をちらした寿司を指します。
新しく建てられた劇場の初公演の「こけら落とし」、そのこけらと同じく「木くず」という意味。
魚肉片を木くずに見立て、その名がついたようです。
その一方で、「箱寿司」がルーツだとも。
箱寿司には、底が抜ける「押し抜き」型と、底を抜かずに箱に詰めたまま箸などで掘り起こす「すくい寿司」「おこし寿司」があります。
この箱寿司をきれいに掘り起こすのは大変、また食べるときは結局崩して食べるわけで。
ならば、最初からくずしたまま皿に盛りつけよう、つまり押し寿司の簡略化の完成形である、という解説も。
寛政期(1700年代終わり)の料理本「海鰻百珍(はむひやくちん)」「名飯部類(めいはんぶるい)」などには、飯に具を混ぜ込み、皿に盛りつける形の寿司が紹介されています
明治時代の東京の風俗が分かる「東京年中行事」 には、ひな壇の供え物として、御膳(赤豆飯、蛤赤味噌仕立て、焼き物、なます)と肴(卵焼き、赤白鹿の子蒲鉾、豆くわい、巻き寿司、赤貝汁)が書かれていますが、ちらし寿司は登場しません。
戦前〜戦後の昭和の文献にやっと、「五目寿司はごちそう」として各家庭で作られ、ひな祭りのときに食べたという記述を見つけることができました
地方によって大きな違いはあるでしょうが、ちらし寿司とひな祭りの組み合わせは、意外と歴史が浅いものかもしれませんね。
さて今回は、ちらし寿司に彩りを添える「桜でんぶ」の作り方をご紹介します。
手作りのものは、市販とは一味違い、格別のおいしさ!意外と簡単にできるので、ぜひ試して下さいね
こんにちは!料理研究家の吉田由子です。
お鍋がおいしい季節ですね
我が家は、まだ小さい子供が3人いるので、水炊きが中心。
チゲ鍋など辛いお鍋は控えているのですが、やっぱりちょっとさみしい・・・。
そこで、自分の取り皿には「ゆずこしょう」を加えてピリッとした風味を楽しんでいます。
今回のブログは、「ゆずこしょう」についてご紹介します。
「ゆずこしょう」といっても、原料にこしょうが使われているわけではありません。
青唐辛子をペースト状にし、柚子の果皮と塩を加えたものです。
「こしょう」という呼び名がついている理由は、九州の一部の方言で、昔から唐辛子のことを「こしょう」と呼んでいたためです。
主に、鍋やうどん、みそ汁、天ぷらなどの薬味として使われています。
九州では昔から一般的に使われてきましたが、最近はスナック菓子にも使われるなど、全国的に知られた調味料となっています。
我が家では、浅漬けをするときに少し加えたり、パスタのソース(意外にクリーム系に合います)に加えたりしています。
ほんの少量加えるだけで、和のテイストがプラスされ、いつもと違った一品に生まれ変わります。毎日の食卓で、気軽に取り入れてみて下さいね
「ゆずこしょう」を使った一番のオススメ料理は、「ゆずこしょう風味の竜田揚げ」です。
ピリッとした辛さとゆずの香りがおいしい、ひと味違った竜田揚げです。ぜひお試し下さい
こんにちは!料理研究家のひろろこと竹内ひろみです。
今日は、食材の応用方法についてお伝え致します
この料理のために・・・と買っても、余ってしまう食材ってありますよね
その中のひとつが、「ワンタンの皮」
けっこう枚数も入っているので、大人数のときには重宝するのですが、うちのように4人家族だけれど、実質食べるのは3人(まだ一人はベイビーのため )のようなときって、余ってしまうんですよね
そこでおすすめなのが、揚げてチップスとして頂く方法
そのまま揚げてもいいのですが、箸で真ん中をちょっとつまんで揚げるとリボンのようになって、おもてなしのときにも使えるんです
180度ぐらいの油できつね色になるまで揚げ、油をよく切ったら、ハーブソルトやシナモンシュガーなどをかけるとおいしい
サルサソースに付けたり、アボカドディップに添えたり・・とけっこう応用範囲が広いです
そして、それでも余ってしまうときは、冷凍しちゃいましょう
冷凍するときは、全部を重ねて冷凍せず、数枚ずつまとめ、ラップやオーブンシートなどを挟んでおきます。
こうすると、使いたい分だけ、小分けにして解凍できるので、おすすめです
もちろん、餃子の皮や春巻きの皮でも代用OKですよ〜。
春巻きの皮はちょっと大きいので、適当な大きさに切っておくといいですね
こんにちは、料理家の野上優佳子です
乾燥ものや塩蔵ものなど、1年中出回っている「わかめ」ですが、実はちゃんと旬があるのをご存知ですか?
生わかめは、3月〜5月頃が一番おいしい時期と言われます。
青森で育った私が、春を感じる食材のひとつでもあります。
毎年雪解け近い頃になると、三陸海岸の新鮮な採れたて生わかめが出回り始め、それをお刺身のように生姜醤油で頂くのが、毎年の楽しみのひとつでした。
褐色のままの状態で購入し、さっと湯通しした途端に、鮮やかな緑色に変身するわかめを見るのがとても楽しくて
食べると肉厚で、長期保存用に加工したものとは、まったく違うおいしさが味わえます。
わかめは日本人に古くから親しまれている食材で、万葉集に何首も句が残っています
その中には、ゆらゆらと海にたゆたう様を、思い乱れる恋心と重ねたものもあったりします。
漢字は「和布」「若布」「稚海藻」とあり、現在は「若布」が一般的
ちなみに葉状部分はわかめですが、その根元の分厚くなっている部分を刻んで湯通ししたものが「めかぶ」です。
さて今回は、このわかめを使った韓国風のスープをご紹介します。
牛肉も入ってボリュームたっぷりの、おかずになるスープ。
作り方は簡単で、しかも短時間でできるので、ぜひお試し下さいね