こんにちは、料理家の野上優佳子です。
いよいよ今年も押し迫ってきましたね。
今年も例年と同じく、仕事の締切りや家のことなど、
やり残しや後悔がないようにしたいと慌ただしい毎日を過ごしています
そしておせち作りは、ここからが本番です
我が家ではいつも29日の夜に、数の子の塩抜きと、
黒豆をたっぷりの水に浸すことから準備が始まります。
例年作る物は決まっていて、下ごしらえの順番も同じです。
奇をてらう物もなく、毎年同じ物を作っていきます
娘たちと一緒に、あれやこれやとたわいもない話に笑いながら31日の夕方を目安に用意し、のし餅を切り、すべて終わったら夫が大晦日の夜に 包丁をといでくれます。
京都の名店【辻留】の2代目、料理人・辻嘉一さんがかつて家庭料理について仰っていたことがあります。
「家庭の料理は、日本料理にかぎって言えることは、なるべく平凡な料理をお作りになることを、おすすめ致します」
そして、能楽の奥義を例に用いながらこうも仰っていました。
「動きの少ない能楽のように、家庭料理も見た眼の変化を追い求めてはなりません。それよりも、気持ちよく、楽しく、おいしく頂くように心を込めて、お作り頂きたいのであります」
そう語られたのを読んだことがあります。
特別な趣向を凝らすことよりも、素材の持ち味や相性の組み合わせ、季節に応じた調理法と調味を大切にすること。
おせち料理を作るとき、いつもこの言葉を思い浮かべます。
最近ではおせち料理の購入がとても流行っているようですが、
すべてを作るのはちょっと大変と言うときは、市販のおせちに、自家製のお煮染めや紅白なます等を一品か二品添えるだけでも、ぐんと家庭の味わいが増しますよ。
さて本日は、手頃な材料で作れて、お酒のつまみにも、ご飯
のおかずにもなるレシピをひとつご紹介します。
野菜を巻いた『照り焼きチキンロール』です。
ぜひお試し下さい
今年も間もなく終わります。
1年間読んで下さった皆様、本当にありがとうございます。
皆様のご多幸を心からお祈りして。
良い年越しになりますように
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国料理はデザートが少ないと言われていますが、デザートと同じ意味を持つ
「後食(フシク)」があります
フシクにはどのような物があるでしょう?
餅
米や餅米を粉にして、蒸したり焼いたりゆでたりと加熱して作ります。
行事食としても必ず作られる物もあり、韓国のお盆である秋夕(チュソク)には松餅(ソンピョン)を用意します。
伝統菓子
米、小麦粉、でんぷんなどの材料を使った、おこし・揚げ菓子・蜜菓子・干し菓子・冷菓などがあります。
揚げ菓子で有名な薬菓(ヤッカ)は、薬という名前が付いている程、体に良いハチミツ・シナモン・ゴマ油・ショウガなどを小麦粉に練り込み、形を整えて揚げています。
薬菓も行事食として、また先祖への供物としても親しまれています。
飲み物
お米で作った甘酒のシッケ、五味子(オミジャ)を水に浸けて作る五味子茶などの伝統茶があります。
また、花や果物を入れて作る花菜(ファチェ)という飲み物も、代表的です。
韓国では洋菓子人気で、伝統的なデザートを出すお店が減っていますが、おめでたい日や行事には欠かせないのがお餅類です
日本では屋台のホットクが人気ですが、コリアンタウンに行けばお餅の専門店もありますので、機会があったら召し上がってみて下さい。
本日は、『梨のシロップ煮(ベスク)』の作り方をお伝え致します。
和梨は旬を過ぎてしまいましたので、洋梨でも大丈夫です
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
寒い季節になると我が家の食卓にも登場する頻度が、ぐんと高くなるメニューがあります。
そのひとつが『グラタン』です。
クリーミーで、様々な野菜との相性も良く、我が家の子どもたちの大好物なメニューですね。
グラタン(gratin)のルーツはフランス料理と言われています。
『フランス料理ハンドブック』(柴田書店) によれば、gratiner(グラティネ)とは
「料理の仕上げに、表面にパン粉やすりおろしたチーズをふりかけ、オーブンやサラマンドルで表面に焼き色を付ける」
という意味です。
※サラマンドルとは・・・扉や両側の壁がなく上火だけのオーブンのような物で、表面に焼き色を付けるために使用する器具のことです。
皆さんは、日本における本格フランス料理 の父とも言われる、横浜のホテル・ニューグランドの初代総料理長サリー・ワイル氏をご存じでしょうか。
ワイル氏は、ドリアの生みの親であるとも言われている人物です。
そのためかホテル・ニューグランドの開業当時のメニューに、ビーフ・ストロガノフやリゾットなどと共に、オニオングラタンや他のグラタン料理が登場していました。
またワイル氏が来日したのは1927年(昭和2年)ですが、
当時のレシピ本を見てみると、翌1928年発行の『家庭料理法大全』(日比書院)には、すでに家庭で実行できる「日支洋折衷料理」なるものが紹介されていてました。
その中には調理法としてのグラタンや、「クワイのグラタン煮」といったメニューがあったようです。
そのまた翌1929年発行『料理相談』(鈴木商店出版部)にも西洋料理の作り方のひとつに
「マカロニのグラタン」が登場します。
この料理本は、鈴木商店が内外料理相談所を設立した際に、そこに寄せられた18,600あまりの質問を、読者からの要望に応じ問答集作成として刊行した本だそうです。
読者の質問にあったということは、グラタンが西洋料理店で食べる物から、少しずつ家で作って食べる物へ浸透していこうとする気配を見てとることができます。
そして現在では、もはや西洋料理ではなく、家庭料理のひとつとして私たちの食生活に定着をしていますね。
さて今回は、冬至も間近ということで『カボチャのミートグラタン』をご紹介します
ホワイトソースでなく、トマトケチャップを使って手軽に作ったミートソースで頂きます。
ぜひお試し下さいね
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
少し前ですが、10月末、月刊情報誌「日経トレンディ」による【2013年ヒット商品ベスト30】が発表されていました。
今年選ばれた第1位は「コンビニコーヒー」 だそうです。
コンビニ各社が提供する、店頭での淹れたてドリップコーヒーは、
その手軽さとおいしさで、普段は缶コーヒーを飲まない女性などにも支持をされ、売り上げを大きく伸ばしたそうです。
このようにコンビニの店頭で提供される温かい物、いわゆる調理品は今や多種多様となり、唐揚げや冬季のおでん等が定番となっています。
その中でも最も人気なのが、肉まん・あんまんに代表される『中華まん』だそうです。
ある調査によれば、コンビニ調理品を購入したことがある人に
「ここ1年間で購入したことがある調理品は?(複数回答可)」とアンケートを実施したところ、「中華まん」と答えた人は54%にものぼり、ダントツ1位の結果が出たとのことです。
ちなみにこの中華まんですが、中国がルーツの食品です。
小麦粉料理を総称して餅(ピン)類と呼び、その中で肉入りの焼いた物が肉餅(ローピン)、それを焼かずにマントウ(饅頭)のように蒸した物は包子(パオズ)と呼ぶそうです。
日本で食べられるようになったのは、1927年(昭和2年)に新宿にある某有名店が「天下一品支那饅頭」という名で中華まんを販売したのが最初となります。
このときはまだ高級品だったそうですが、第2次世界大戦後にパンメーカーが製造販売を始め、1960年代には大手メーカーが駅の売店などにスチーマー(蒸し器)を導入したことで電車通勤のサラリーマン
の間で大流行となりました。
さらに1970年代に登場したコンビニに設置されたことにより、蒸したて熱々が味わえる中華まんは、一気に庶民のおやつとして飛躍を遂げました。
中華まんはまさにコンビニ調理品の先駆けで、横綱級
のロングセラー商品だと言えますね。
さて今回は、この中華まんを自宅で楽しんでみましょう
具は高菜入りにしました。
皮から作る手作り『高菜まん』は抜群のおいしさです
ぜひお試し下さい