こんにちは、料理家の野上優佳子です。
いよいよ12月も目前 。
町中がクリスマスのディスプレイで飾られていて、なんだかワクワクしますね
日本のみならず、世界どこでも甘いお菓子は、年中行事やお祝い事には欠かせない物。
クリスマス、と言うとなんだかケーキ を思い浮かべますが、それ以外にもたくさんクリスマスならではのお菓子があります。
今回はスペインのお菓子見てみましょう。
スペインは、アーモンドの生産量がアメリカに次ぎ世界第2位で、その品質の高さも世界トップクラスを誇っています。もともとアラブ、ヨルダン地方からローマ経由でイベリア半島にやってきたアーモンド。それ故、アラブ食文化の影響を受けてお菓子にもアーモンドがとても多く使われています。
そして、砂糖やハチミツ、小麦粉などの豊かな製菓材料をふんだんに使うことができた修道院では、伝統的菓子が数々生まれ今も親しまれています。
スペイン中央部トレドでは、中東発祥の【マサパン】と言う菓子が有名。砂糖を煮詰めたシロップと挽いたアーモンドを練って作った物。口当たりがねっとりしていて、日本で言うと練り切りのような食感が特徴的です。
【トゥロン】は、古代ローマにその起源を発すると言われる歴史の古い菓子。メレンゲにハチミツと焙煎したアーモンドなどのナッツ、砂糖などで作られていて、これまた甘い!フランス菓子の「ヌガー」とよく似たやわらかい食感の物と、カリッとしたタイプがあります。
そして今回レシピをご紹介するのが、【ポルボローネ】。
アンダルシア地方発祥で、口の中にほおばって「ポルボロン、ポルボロン、ポルボロン」と3度こぼさずに言えたら幸せになれると言うとても素敵なエピソードを持つ焼き菓子です
口当たりがとても優しくて、ほっくりサクサクで、私の大好きなお菓子のひとつです。
特徴的なのは、アーモンドプードルや小麦粉を最初に乾煎りすることと、ラードを使うこと。工程もとてもシンプルで、初心者の方でも作りやすいのが嬉しいところ。
本当に、心も温かくなるようなおいしくて優しいお菓子、ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
一年が経つのは早いもので、今年も残すところ2ヵ月足らずとなりましたね
今年は、エッグベネディクトやグラノーラ、アサイー、塩レモン、ココナッツオイルなどが流行しました。中でも最も記憶に新しいのが美容や健康に良いと話題のココナッツオイルです。
そこで今回は、『ココナッツオイル』についてご紹介します。まず最初に、ココナッツオイルを選ぶときは、余分な物が追加されたり、精製されていない『エキストラヴァージンココナッツオイル』又は『ヴァージンココナッツオイル』を選びましょう。
エクストラヴァージンココナッツオイルは、26℃以上ではサラサラとした無色透明の液体(写真右)ですが、25℃以下になると白く固まってしまいます(写真左)。 『ココナッツオイル』の特徴は、体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸が60%以上を占めていることです。
さらに、ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、効率よくエネルギーとして使われ、代謝をアップさせてくれるのでダイエット中にもおすすめです
他にも、母乳に含まれている成分と同じラウリン酸が含まれているため、免疫力を高める効果も期待でき、加熱しても酸化しにくいので、抗酸化作用=アンチエイジング効果にも期待できそうですね。
ただし、いくら体に良い食品とは言っても、やはり摂り過ぎは禁物。1日あたりの摂取量は成人で大さじ3杯程度にしましょう。
また、初めてココナッツオイルを口にした方の中には、吐き気や下痢などの症状があらわれることがあります。まずは、少量から口にするようにし、身体に合わない場合は食べるのを控えることをおすすめします。
ココナッツオイルは、酸化に強いので常温で保存可能ですが、雑菌が入らないように大きな瓶で買った場合は、小分けにして清潔なスプーンを使うようにしましょう。
さて今回は、 『ココナッツ風味のスウィートポテト』をご紹介します。
旬のサツマイモとココナッツオイルは相性抜群!ココナッツオイルの甘い香りのおかげで甘さ控えめでもおいしく頂けます。ぜひお試し下さい
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
日本で端午の節句と言うと、新暦5月5日に行なう男子の成長祈願のための節句ですよね
韓国で端午の日は旧暦5月5日となり、その年の豊作を祈願する日。端午の日のことを、韓国では「スリナル」と言います。
ご参考までに2014年の旧暦5月5日は、新暦で6月2日となります。
その歴史は古く、もともとは紀元前の中国で行なわれていた祭祀です。その後、朝鮮半島に伝わりました。
時代は4〜7世紀頃。三国時代の新羅(シイラ)の歳時節日で、尊ばれていたそうです。
旧暦5月5日、一番太陽の光が強いと思っていた朝鮮の人たちは、豊作を祈願する日としました
この日はよもぎを摘み、車輪の形をしたお餅を作りました。
このお餅は現在も引き継がれていて、車輪餅(スリトク)と言います。
よもぎは、朝鮮半島の神話にある壇君の母親が食べた物なので、神聖化されています。
※檀君:13世紀末に書かれた「三国遺事」に登場する、古朝鮮の伝説の王。
さらに、災厄を払う野草とも言われていたので、豊作を願う端午の食材にはうってつけでした。
日本と似ている点と言えば、菖蒲を取り入れること。菖蒲も厄よけの意味がありますとは言え、日本では菖蒲を入れたお風呂を楽しみますが、韓国は菖蒲を張ったお湯で洗髪します。この違いはと言うと、ほとんどの家庭では浴槽に入らず、一年中シャワーのみだからです。現代では韓国の各地で端午のイベントが行なわれ、初夏の風物詩を楽しむ人で賑わいます
さて!本日は、 「よもぎの焼き餅」のレシピをご紹介します。
車輪餅は型がないと難しいので、よもぎを使って手軽に作れる物を選びました。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
寒さ は続いているものの、梅の花も咲き誇り、少しずつ春の気配
なんだか胸がワクワク します。
ウグイスの声はもう聞かれましたか?
ウグイスと言えば春告鳥とも呼ばれ、まさに春の使者。
ウグイス色とは、この鳥の羽の色にちなんだ言葉で、緑褐色のことです。
春に芽吹く草木の色を思わせる美しい色ですよね。
食文化の中の「ウグイス」を見てみましょう 。
今では使われなくなってしまった【切匙】(せっかい)という台所道具があります。
これはすり鉢やすりこぎに粘り着いた物をかき落す木製の道具で、シャモジを縦半分に割ったような形をしていました。
これをかつて宮中に仕えていた女房たちは「ウグイス」と呼んだそうです。
料理という面では「ウグイス豆」が思い浮かびます。
青エンドウ豆を甘く煮た物で、それを「こしあん」にした物が「ウグイス餡」。
ウグイス豆は山形県では「冨貴豆」(ふうきまめ)とも呼ばれます。
あんこを求肥でくるみ小鳥に見立てて楕円に成型した和菓子を「うぐいす餅」と呼びますが、それは餅にウグイス粉(青大豆で作られたきな粉)をまぶすためです。
このうぐいす餅の名付け親は、豊臣秀吉と言われています。
うぐいす餅は、奈良県で400年続く老舗和菓子店が発祥です。豊臣秀長が、兄である豊臣秀吉をもてなす茶会を催す際に「何か珍菓を作れ」と命じたところ、当時の店主菊屋治兵衛が粒餡を餅で包んできな粉をまぶした餅菓子を献上したところ、秀吉が大変気に入り「うぐいす餅」と名付けた、と残されています 。
その名が語り継がれ、季節の鳥の名にちなんでいることから、今ではうぐいす餅は初春の和菓子 として定着したというわけです 。
なかなか風情ある素敵なお話ですね。
さて今回は、ウグイス粉の原料である青大豆を使ったレシピ「ひたし豆」をご紹介します。
東北地方の郷土料理のひとつで、数の子等と一緒に漬けておせち料理などにも登場する物です。
青大豆はつまり枝豆を乾燥させた物ですので、これを戻しだしに漬けて作ります。
素朴ながら深みのある味わいのヘルシーフード、ぜひお試し下さいね。