2019/12/26
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国ドラマで葬儀の場面を観ると、弔問客に「ユッケジャン(牛肉の辛味スープ)」が必ず振る舞われます。

私は参列した経験がありませんが、ユッケジャンが弔問客への料理として一般的になったのは、それほど昔のことではないそうです。
朝鮮時代のお葬式にあたる治葬(チジャン)は、学者においては1〜3ヵ月、庶民でも3〜9日間行なわれ、弔問客は喪中の家に集まって花札をしながら夜を過ごしていたので、家人は酒や肉などの夜食を提供していました

また、階級が高くなるほど葬儀の日程が長くなり、もてなす酒や肉の量が増えるため、何十頭もの牛や豚が必要になったのです

ちなみに、この時代の料理は、豚肉のスープやゆでた牛肉で、唐辛子はそれほど浸透していませんでした。

牛の塊肉をじっくり煮込み、手で割いたあと、長ネギ、もやし、ワラビやイモがらなどの山菜と一緒に合わせて味付けした料理です。
現代では夏の保養食として日本のうなぎ感覚で食べる物は、参鶏湯(サムゲタン)ですが、参鶏湯が浸透する前はユッケジャンでした。





韓国で赤い料理は食欲をそそるだけでなく、深い意味があるのですね。
ただ、地域によっては特産物を使った料理が葬儀場で用意されることが多いようです。
さて、本日のレシピは、牛肉と野菜からの旨みが感じられる一品、「ユッケジャン風鍋」をご紹介致します

本来のユッケジャンは、ブロック肉をじっくり煮込んで作るので時間がかかりますが、今回は牛小間とコチュジャンを使って、手軽に作れるようにしました。
冬の鍋料理としてレパートリーに入れてみてはどうでしょうか?
体が温まりますよ

