こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です

新年度になり、一人暮らしや引越しなど、新生活をスタートされる方も多い時期ですね

はじめて自炊をされる方も多いと思いますが、皆さんは野菜をしっかり摂れていますか?
厚生労働省が公表している「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するために、野菜類を1日350g以上食べましょうと掲げられています。
しかし、厚生労働省による平成30年実施の国民健康栄養調査を見ると、野菜類の平均摂取量は、成人男性で約290g、女性で約270gとなっており、男女共に不足していることが分かります

栄養相談をしていると、「自分は毎日野菜ジュースを飲んでいるから、野菜は不足していないはずだ。」とおっしゃる方がいらっしゃいます

また、「野菜ジュースは野菜の代わりになるのか?」と言う質問もよく聞きます。

多くの野菜ジュースは「濃縮還元」と言う製法で作られています。
濃縮還元の工程は、洗浄した野菜や果物からジュースを搾り、水分を除いて濃縮させて保管した物に、再度水分を加えて作られるといった流れです。結論から言いますと、野菜ジュース=野菜ではありません。
その理由を2つご紹介します。野菜に含まれるビタミンCや食物繊維などの一部の栄養素は、ジュースに加工する過程で減少してしまう。
野菜ジュースに含まれている栄養素は、時間が経つと減ってしまう物があるため、表示されている栄養素は賞味期限内に飲んだ場合を想定している。
つまり、「1日分の野菜が摂れる」と言うキャッチコピーで販売されているジュースは、350gの野菜を原料としていますが、上記のような理由により、栄養素がそのまま摂れる訳ではありません
そのため、野菜ジュースを飲んだからと言って、安心して野菜を摂らなくて良いということではないのです。
ちなみに、あるメーカーの公式サイトによると、カルシウムやカリウムなどのミネラルは加熱しても減少しにくく、リコピンやβ-カロテンなどは、生の野菜から摂るよりも加熱した方が栄養の吸収率がアップすると言う研究結果が示されています野菜ジュースは、あくまで補助的な物として考え、基本は日々の食事から主食、主菜、副菜をバランスよく取ることが大切。
忙しいときは、ミニトマトやサラダホウレンソウなど、洗うだけで食べられる野菜や、冷凍野菜を上手く利用するなどと、野菜を意識して摂るようにしましょう。
上記のことを踏まえた上で、野菜ジュースを選ぶときは、野菜のみを使ったトマトジュースなどをオススメします。
野菜の飲み物は、そのまま飲むのはもちろん、お料理にも使うことができますし、災害時の備蓄食品としても役立ちますよ
さて、今回ご紹介する、「トマトとアサリのスープスパゲッティ」は、缶詰や無塩のトマトジュースを使ったお手軽レシピです。
寒暖差の激しいこの時期には、温かいお料理でホッとしつつ、ご自身を労って下さいね。
皆さんも、ぜひお試し下さい