2020/07/15
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です

5月下旬から6月にかけて、多くの方が梅仕事に勤しまれたと思います。
梅酒、梅エキス(梅シロップ)、梅干しなどを仕込んでおけば、一年に亘って楽しめますね

韓国でも日本と同様に、梅エキスを作られる方がたくさんいらっしゃいます。

韓国語で梅エキスは、「メシルチョン」と言い、メシルは梅、チョンはエキスです。
作り方は、消毒した瓶にヘタを取り除いた青梅と、グラニュー糖を1対1の割合で入れ、3ヵ月ほど発酵させて実とエキスに分けるといった方法です。
近年ではグラニュー糖の代わりに、原糖やオリゴ糖を使う方もいらっしゃいます。

この場合は、種を取り除いて適当な大きさに切り分け、実と砂糖の重さを同量に漬け込みます。
実を切り分けているので発酵が早く、45日ほど経ってから実とエキスに分けられるのです。
そして、実をコチュジャン、味噌、しょうゆなどで味付けします。
なかでも、甘い梅とコチュジャンの相性は抜群に良く、ご飯やお酒が進む珍味と言えますよ

今回は、「韓国式の梅エキスの活用方法」をご紹介致します


梅エキスを水や湯で割った飲み物を「梅茶」(メシルチャ)と言います。
韓国では根、花、実、茎などで作った飲み物も茶に分類されます。
梅は消化を助けるため、ご馳走のあとの一杯が胃腸を優しく包み込みます

また、梅は疲労回復にも効果があるので、仕事や家事のあとに飲む甘い梅茶は身も心も緩ませます


韓国では野菜サラダのドレッシングに果物を使うことが多いのが特徴

日本で知られているチョレギサラダのドレッシングは、チヂミのタレに近いですね。
梅エキスを使うと、爽やかな香りと優しい甘味のドレッシングになり、辛いメイン料理とのバランスが良いです。
韓国は保存食文化のため塩気の強い料理が多いゆえに、口の中を調和させる甘口も好まれます。
また近年では果物のエキスを活用したキムチ作りが浸透しています。
通常は梨や柿を多用しますが、梅エキスを入れることで甘酸っぱい香りも楽しめるキムチになりますよ。

肉の下味に梅エキスを使用すると、肉質がやわらかくなり、独特の匂いもなくなります。
お子さまやお年寄りの方は特に食べやすいでしょう。
韓国では、梅エキスが市販されているので、忙しい主婦の方は購入して使用おり、常備すると、とても便利な万能エキスになります

さて、本日のレシピは、梅エキスを活用した「豚肉のコチュジャン煮」をご紹介致します

今回は、味付け用の合わせ調味料にしました。
やわらかい肉がお好みの場合は、下味として使用しても良いですね。
皆さんも、ぜひお試し下さい

