こんにちは、料理家の野上優佳子です。
朝夕の冷え込みが厳しくなりました
すっかり冬の気配ですね。
温かい汁物が恋しい季節です
今日は、私たちにとても身近な食材「小麦粉」のお話。
常備してある食材は、各ご家庭様々だと思いますが、その中でも小麦粉は、必ずと言って良い程、どこのお宅にもあるものではないでしょうか?
麦は世界三大穀物のひとつで、生産量も最上位を争う穀物です。
歴史は大変古く、古代エジプトの壁画や、聖書の中でも存在を確かめることができます。
その分布は世界中に広がっていて、欧米のパン、西アジアのチャパティやナン、中国ではマントウをはじめとする餅(ピン)類、日本はうどんと、発酵または無発酵を合わせ加工形態もとても豊か。
中国から伝来し、日本でも弥生時代には栽培が始まったとされる小麦。
加工によって長期保存が容易で、米に比べて乾燥や寒さに強いため、国内でも稲作栽培が難しい地域では栽培が盛んです。
同じく、まんじゅうやうどん類など、小麦を使った郷土料理が数多くあります。
風変わりな名前のものを例に少し挙げてみると、岩手「ひっつみ」
栃木「耳うどん」
埼玉「いがまんじゅう」
群馬「おきりこみ」
神奈川「へらへら団子」
山梨「ほうとう」
熊本「いきなり団子」
大分「やせうま」
・・・など。
郷土の言葉と食、そして農作物がとても親密につながって、今も郷土料理として息づいている様子は、本当に興味深いものです。
さて今回は、その中から岩手県の「ひっつみ」をご紹介します。
すいとんのようなもので、寒いこの季節にぴったり
身体が温まる野菜たっぷりの汁物です。ぜひお試し下さい