2016年5月の記事
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
昨今、ダイエットや健康維持を意識した食事療法に「糖質制限食」がありますね
糖質制限食とは読んで字のごとく、主食となるごはんやパン、麺類、お菓子類から摂取する糖質を、できるだけ少なくする食事療法のことです
私たちは、健康を維持するために様々なことに注意が必要ですが、その中核を担っているもののひとつに「血糖値」が挙げられます。
血糖値とは「血液中に含まれるグルコースの値」。
グルコースとは、人間が生命を維持するために最も消費しやすいエネルギー源のことです。
血糖がちょうど良い濃度に保たれていると(血糖値が安定していると)体を動かすのに必要なエネルギーがスムーズに作られ、頭の働きが良くなったり、体調も良い状態を保つことができたりします
しかし、この血糖値が急激に上がったり下がったりすると、体に大きな負担がかかり、太りやすくなったり病気になったりします。
血糖値の上昇は、食事の中に糖質が含まれていることから起こります。
私たちの体は糖質を摂取すると、すい臓からインスリンというホルモンを分泌して、血糖値が常に一定になるようにコントロールしています
しかし、過剰な糖分を摂取すると、血糖値が上がり過ぎるのを防ごうと体内でインスリンが大量に分泌され、活発に働きます。
活発になったインスリンは、糖質をエネルギー源に変える他、エネルギー源として使わなかった糖質を、いざというときのために脂肪に変換して体に蓄えます。
本来生命維持のための機能が、逆効果を与えるこの働きから、インスリンは別名「肥満ホルモン」と呼ばれています。
常にインスリンの分泌を促すような糖質中心の食事をしていると、体が太りやすくなってしまうので注意が必要です
糖質の中でも、白米、白砂糖、小麦粉(精製された糖質)や、清涼飲料水(砂糖が水に溶けている物)などは血糖値が急激に上がりやすいため、健康のことを考えるなら、たくさん食べることは控えた方が良いですね。
また、食事で血糖値を上げ過ぎないようにするには、食べる順番に気を付けると良いでしょう
タンパク質を多く含む肉、魚、豆製品や、食物繊維、ビタミン、ミネラル類を豊富に含む野菜、海藻類から先に食べてみて下さい
先に糖質以外を食べることで血糖値の変動が緩やかになり、その分インスリンの働きを遅らせることができます。
主食(糖質)を食べる前におかずである程度お腹を満たしておけば、ごはんやパン、麺類をたくさん食べなくても十分に満腹感が得られるので、食べ過ぎを防ぐことができて一石二鳥ですね
病気を治すための食事療法であれば、医師の指導のもと行なうことをお勧めしますが、ダイエットや健康維持のために食事をコントロールするのであれば、気楽に続けられるものにしましょう
自分の体に無理が生じたり、食事そのものがストレスになったりしては本末転倒です
「楽しくおいしく食べる」ことを忘れずに、健康維持に努めましょう
さて今回は、「豆と野菜のエスニックスープ」をご紹介します。
血糖値の急激な上昇を防ぐ野菜類を先に摂るのに最適なレシピです。
たっぷり野菜と豆を入れたスープに、食欲をそそるスパイシーな味付けになっています。
ぜひお試し下さい!
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
5月に入り、新生活も少し落ち着いてきた頃でしょうか
この時期は、5月病(ごがつびょう)に悩まされている方もいらっしゃるかも知れません。
5月病とは、新しい環境に適応できず、眠れなくなったり、食欲がなくなったりする症状の俗称です
大好きな物やおいしい物を食べることで気分をリフレッシュさせたり、旬の食材を食べて不足している栄養分を補ったりすることでその症状が改善すると言われています
食生活を整えて、5月を元気に乗り切っていきましょう
さて、先月から「進学や就職をきっかけに、一人暮らしを始めた方を意識した豆知識やレシピ」をご紹介しています。
今回のブログは、話題の「作り置き」についてご紹介したいと思います
「作り置き」とは、保存に適した料理をまとめて作っておき、冷蔵庫や冷凍庫で保存して後日活用し、毎日の料理作りの負担を軽くする料理です。
いわゆる常備菜のことを指します
「作り置き」にはポイントが3つあります保存に適した保存容器を選ぶ。
保存容器はしっかり密封できる、ほうろうやステンレス、ガラス製の物を選びましょう。
↓下の画像の中では、左側がガラス製、右上がほうろう製です。
右下のプラスチック製の物は冷めにくかったり、容器に匂いが移りやすかったりするので、あまり「作り置き」には適しません。
その点、ほうろうやガラス製は熱伝導が良く、匂い移りもしにくいため、作り置きを入れるのに最適です。
冷蔵庫に入れたときに熱伝導が良いと早く冷やすことができるので、雑菌の繁殖を防ぐことができます。
また保存容器には、料理を作った日付けを油性マジックで書き込んでおくと良いでしょう
ほうろうやガラス製の容器なら、油性マジックで書いてもウレタンスポンジできれいに消すことができます
保存するときは衛生面に気を付ける。
保存容器は必ず、事前に熱湯消毒などで消毒をしてから使用しましょう。
熱湯消毒の方法は、容器に熱湯を8分目まで注ぎ、湯を捨てて乾いたふきんやキッチンペーパーに伏せて自然乾燥させます。
こうすることで雑菌の繁殖を防ぎ、食材が腐りにくくなります
また冷蔵庫内も消毒用のエタノールなどで常に清潔に保ちましょう。
消毒用エタノールは、ドラッグストアなどで手に入れることができます。
1本あると重宝しますのでぜひ常備してみて下さい。
また、料理は完全に冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。
熱々のまま冷蔵庫に入れてしまうと、庫内の温度が上がり、他の食材が腐りやすくなります。
特に夏場は、他にも開閉時間を短くし、冷蔵庫内の温度を上げないように注意しましょう。盛り付けの際にも気を付けること。
料理を器に盛り付けるときに使う箸やスプーンはきれいに洗った物を使い、盛り付け終わったらすぐに冷蔵庫に戻しましょう。
使い残した分や、食べ残った分は腐りやすいので、保存容器に入れた物に戻してはいけません。
また空気にできるだけ触れないようにすることも料理を長持ちさせるポイントです。
以上のポイントを押さえて、週末などに1週間分の「作り置き」をしておくとあとがとても楽になります。
ぜひ「作り置き」生活を始めてみて下さいね
それでは、今回はそのまま食べても、パスタやサラダに入れてもおいしい作り置きおかず『ピーマンの和風オイルマリネ』をご紹介します。
材料はたったの3つです
とても簡単に作れるので、ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
スーパーに行くと、いつからかパプリカをよく見かけるようになりましたね。
今ではすっかりお馴染みの食材として定着していますが、私が子供のときは見たことも、食べたこともなかった気がします。
それもそのはず。
パプリカは、オランダからの生鮮品輸入が解禁された1993年以降に日本に入ってきた食材のため、日本人からすると比較的、目新しい野菜なのです
ではなぜ近年、このように身近になったのか。
皆様はご存知でしょうか?
理由は大まかに2つあります。
ひとつは、食材としての使い勝手の良さです
赤や黄色、オレンジの色をしたパプリカは、料理の彩りにもってこいの食材です。
サラダなどの加熱しない料理にはもちろん、加熱しても退色することなく色鮮やかなため、炒め物、煮込み料理に入れても、料理がカラフルになり食欲をそそります
またピーマンよりも苦味がなく、青臭さも少ないので子供でも食べやすいことなどが、普及の理由となっているのではないでしょうか
もうひとつの理由は、韓国産の普及による価格低下によることです。
日本で流通するパプリカは、そのほとんどを輸入に頼っています。
パプリカは元々、オランダから輸入をしていましたが、輸送費などの影響で価格は高く、初めはなかなか手が届く食材ではありませんでした。
しかし2000年ごろから手頃な価格の韓国産パプリカが日本に輸入されるようになり、そこから急速に普及していきます。
2014年の財務省データによると、今では輸入の69.3%が韓国産となっています
ちなみに韓国では20年程前に、オランダから技術指導を受けて、パプリカの温室栽培をスタートしました
2000年には生産性向上や輸出促進のため、韓国パプリカ生産者自助会が設立。
韓国内需要の促進を目的とする他、位置関係から輸出のターゲットを日本に定め、衛生管理や流通経路を徹底させたのです。
こういった韓国側の働きがあり、日本では新鮮なパプリカが手に入りやすくなったことから、韓国産の輸入量が増えていったのでしょう。
生産国である韓国では、パプリカをどのように食べているのかですが、大まかには日本と同じで、サラダや炒め物に使います。
また韓国料理は青、赤、黄、白、黒の五色を使って一品に仕上げることが多いので、チャプチェやクジョルパンといった宮廷料理を現代風にアレンジした物にも、彩りとして使われます。
その他には輪切りにして、中にひき肉ダネを詰め、小麦粉と卵液をまぶして焼くチョンというチヂミ料理にすることも多いです。
このところ、韓国ではキウイの生産も急増し、日本へも輸出されるようになっています
その一方で、日本からはゴーヤなどが出荷され、韓国で売られているそうです
食の交流が活発なのは、両国にとって良い流れですね
それでは、本日のレシピです。
今回はパプリカを使った漬物、「パプリカの酢じょうゆ漬け(パプリカチャンアチ)」です。
韓国には昔からしょうゆを使った漬物があり、保存食としてよく食べられています。
本来はしょうゆを多く使うのですが、パプリカの色をきれいに見せるために、薄口しょうゆを少量にしました。
常備菜としてもおすすめですのでぜひ作ってみて下さい