2014年6月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
「ハラルフード(ハラール)」という言葉を聞いたことがありますか?
ハラル(HALAL)とはイスラム圏の言葉で「許された、合法の」と言う意味だそうです。
つまりハラルフードとは、イスラム教の律法にのっとって食べることを許された食べ物 と言うことです。
ここ数年、イスラム教徒(ムスリム)の多いインドネシアやマレーシアなど東南アジアからの観光客の訪日がとても高い伸び率をみせ、さらに今後も数の増加が見込まれています。
イスラム教徒は世界全体で16億人とも言われ、実に世界人口の4分の1を占める程。
観光立国を掲げて10年目の節目を迎える日本としては、無視できない大きな観光客市場でもあるわけですね。
私たちが一般的によく聞くのは、豚肉やアルコール
が禁忌であること 。
魚や野菜、穀類、牛肉、鶏肉、牛乳などは、イスラム教の作法にしたがって処理された物はOK。
単純に禁じられた物を食べてはいけないだけではなく、その調理過程も正規の過程を踏んでいることが必須なのです。
例えば、処理されていない食肉のうまみエキスなどが入った調味料やアルコールが発生するみりんは使えるのかといった具合です。
大阪大学などでは、すでに20年前から学食メニュー にハラルフードがあり、実は全国の大学の生協や学生食堂では取り組みが進んでいます。
またハラルの弁当宅配やケータリングといったサービスも数年前から登場し、ハラル認証マークを掲げている飲食店も街で見かけるようになりました。
私たちにはちょっとなじみがないような気がしますが、実は日本もかつては獣肉を食べることは宗教的理由や社会的習慣から禁忌でした。
しかし、様々な思想や背景を越えて一種の食のジャンル化とも言える形に発展し日常的に楽しむ姿勢は、日本ならではの柔軟さかもしれません。
さて今回は、イスラム圏ではとてもポピュラーなレンズ豆(レンティル)を使った「レンズ豆のダール」のレシピをご紹介します。
ダールとは豆の総称ですが、豆とスパイスなどを煮たものも指し、インドの味噌汁とも言える家庭料理です。
私はこれが大好き!簡単でおいしくて失敗しないので、ぜひお試し下さいね!
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
20年程前、韓国に暮らす知人に水産市場を案内して頂いたことがあります
当時は韓国ビギナーだったため、韓国料理=焼肉のイメージしかなかったので、知人が注文した料理が目の前に出てきたときはビックリ
ぶつ切りのテナガダコのお刺身で、ウネウネと動いていました。活き作りです。知人に勧められて、恐る恐る箸を付けてみました。
食べ方はと言うと、塩入りのゴマ油をほんの少し付けます。口の中でテナガダコが動くので、しっかり噛まないといけませんが、プリプリとした食感に、タコの甘みが感じられ、さらにはゴマ油の香ばしさが広がりました
韓国でのテナガダコ料理は刺身をはじめとして、バリエーションが豊富。鍋料理、スープ、和え物、炒め物などがあります。
鍋料理の場合は、牛肉と組み合わせることも
初めて食べる機会に恵まれたときは、味の想像がつかなかったのですが、テナガダコと牛肉の相性は良く、よりコクがあって奥の深い味わいが楽しめます。
鍋のお楽しみは、残ったスープにご飯を入れて完食すること。
韓国ではスープを少なめにして、しっとりとしたチャーハンに仕上げます。旨みがしっかりご飯に染み込んでいる上に、ゴマと海苔を加えれば風味が増すので、満腹でもチャーハンだけはなぜか別腹です
炒め物や和え物は、素麺が添えられていることが多いですね。
素麺と混ぜ合わせて食べることで、辛みが和らぎ食べやすくなります。
韓国に行かれたら、テナガダコ料理を一度召し上がってみて下さい。
旅行のお土産話になるのは、やはりお刺身ですね
それでは、本日のレシピをご紹介します。
「テナガダコ炒め」です。
レシピでは本場よりも辛みを抑えていますので、辛い物が好きな方はコチュジャンや粉トウガラシを増やしてみて下さいね
テナガダコが手に入らない場合は、マダコでも大丈夫です。
こんにちは!
料理家のひろろ こと 竹内ひろみです。
ジメジメ梅雨の季節です
家の中で湿気のある場所はいくつかありますが、キッチンもそのひとつですね
普段はあまり気にならないかもしれませんが、雑菌やカビが生えやすいこの季節はキッチン周りにはちょっと気を付けたいと思います。
そこで今回は『キッチンを快適に』使うために個人的に気を付けていることをお話したいと思います。
特に「まな板」や「布巾」、「シンク」などのお手入れに気を使います。
皆さんも普段から実践されていることとは思いますが、魚や肉など を切ったあとは、まな板を洗ってから野菜などを切りますよね。
そして、調理し終わって出た生ゴミを捨てるときは、水気をきっちりと切ってから捨てます。
このとき、不要の新聞紙にくるんで捨てるとあとから出てくる水分を吸収してくれますし、防臭効果もアップします。
毎回でなくてはいいのですが、シンクの生ゴミ入れも使い終わったら、アルコール除菌をしておくといいです。
また、使い終わった調理器具や食器類をしまう場合は、水気が付いていないことを確認してからしまいます 。
頻繁に使う物であれば大丈夫なのですが、水気が付いたまましまっておくとカビの原因になります
ある程度自然乾燥させてから拭いてしまうといいですよ
使い終わったまな板もしっかりと乾かしておきましょう。
布巾もけっこう汚れていることが多いので、お手入れが必要です。
私は布巾洗い専用の鍋で煮沸消毒をしています。
洗ったあとはしっかりと乾かしてからしまいます。
お天気で外干しができるときは、太陽の下で乾かすといいですね
そしてストックしてある食品もこの時期にチェックして、整理しましょう。
と言うのも、車麩や切り干しダイコンなど傷みづらい乾物類も、梅雨の湿気で悪くなりがちです
夏場に入る前に、戸棚や冷蔵庫のチェックはいいタイミングなので、ぜひ行なってみて下さい。
それでは本日のレシピをご紹介します。
スープでもどした車麩をソテーした「車麩洋風丼」です。
野菜たっぷりのあんかけを、あつあつご飯にのせてどうぞ。
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年も梅雨の季節がやってきましたね
暑くてじめじめとした気候の6月は食中毒が増える時期です。
そこで、今回は強い解毒作用を持ち、食中毒予防に効果が期待できる『シソ』についてご紹介します。
『シソ』は、大きく分けて緑色の青じそと紫色の赤じそがあります。
青じそは、1年中出回っており、スーパーなどでいつでも買うことができます。青じそのことを「大葉」と呼ぶことがありますが、「大葉」と言うのは、青じその葉を束ねて商品として出荷する際、商品名に「大葉」と名付けて出荷したのが始まりで、それが広まって「大葉」と呼ばれるようになったと言われています。
青じそは、一度に多く食べられるものではありませんが、ビタミンA・B1・B2・C・鉄分を豊富に含んでいます。
シソの特徴と言えば、爽やかな香りですが、しその香り成分のペリルアルデヒドには、強い解毒・殺菌・防腐作用があり、食中毒の予防に効果が期待できます。
また、新鮮なまま長持ちさせる方法は、青じその枝の部分を水に浸してラップなどで密封しておくこと。
途中で何度か水を換える必要はありますが、2週間以上新鮮なまま保つことができます。
スーパーなどで、青じそのパックの中に水が入って販売されていることがありますが、ご家庭では青じそをコップなどに立てた状態にして入れ、枝の先のみが水に触れるようにしておくと良いでしょう。一方、赤じそは、生のままでは日持ちがしないため、旬の6月頃にしか出回りません。
赤じそは、梅干しと一緒に漬け、 「しそジュース」にして楽しむのが一般的です。
さて、本日はそんな青じそ(大葉)を使った『カツオの緑おろし和え』のレシピをご紹介します。
旬のかつおのたたきに、見た目に涼しい緑おろしを添えたこの料理は、蒸し暑い時期においしく味わえる一品です。
冷酒ともよく合いますよ〜