2014年2月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
桜と言えば春の代名詞。
古くから日本にあり日本人にとっては特別な植物、季節や色彩を表す言葉でもあります。
日本最古の歴史書である古事記に登場する女神、木花佐久夜姫(コノハナノサクヤヒメ)の「木花」とは桜のこと。
平安時代にはすでに桜を愛でる風習が定着し、それは華やかな花見 が催されたと言います。
食という側面から見ても同様で、
「桜マス」「桜えび」「桜鯛(真鯛の別称)」、「桜魚(小鮎 、またはワカサギのこと)」、「桜肉(馬肉の別称)」等、ピンク色をしている、または春に収穫できるという理由からその名が付けられている食材はいくつもあります。
そうそう、サクランボ(桜桃) も「桜」が付きますね。
料理、という面を見てみましょう。
どんな料理が思い浮かびますか?
桜餅を始め、桜茶(桜の花の塩漬けを湯に入れた物)や桜田麩(さくらでんぶ、鯛などの白身魚のそぼろに食紅などで色付けした物)といった定番物の他、実は結構あるのです。
例えば・・・、
桜粥…小豆粥の別名。
桜鍋…馬肉とねぎ、白滝、焼き豆腐を味噌味で煮込んだ鍋。文明開化の香りがする、東京下町の味。
桜節…馬肉の薫製のこと。信州地方の特産品。
桜煮…タコの足をやわらかく煮付けた物。桜煎り、とも言う。
桜蒸し…道明寺粉や桜の塩漬けを使い、白身魚を蒸してくずあんをかけたお料理
・・・等です。
意外に聞いたことのない料理もあったりしますね。
私たちの先人はとても風流だったんだなあ、とうれしくなります。
さて今回は、桜の名前の付く料理をひとつご紹介します。
「桜飯」とは静岡の郷土料理で、しょうゆ味の具のない炊き込みご飯のことです。
茶飯とも言い、炊きたての素朴で香ばしい香りがたまりません。
おにぎりにしてもとてもおいしいですよ。
濃いめにカツオだしをきかせて作ります。ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
ソルロンタンという料理をご存じですか?
牛肉や骨を長時間煮込んで作る白濁したスープで、中にはスライスした牛肉とネギなどが入ります
韓国には100年続く老舗の専門店があります。
そもそもソルロンタンは、高麗時代末期にモンゴルから伝わった料理との説があり、その歴史は古いんですね。
高麗時代は仏教の影響で肉を食べることを禁止していましたが、モンゴルとの往来が増えるにつれて肉料理を用意しなければならない機会が増え、そうした過程で作られるようになったのが、牛肉を水で煮る料理のソルロンタンだそうです。
韓国専門店のメニューには、ソルロンタンの他にスライスした牛肉だけの料理もあります。
これを「スユク」と言います。
いわゆる「ゆで肉」のことですが、豚肉などのゆで肉もスユクと言います。
食べるときは酢醤油やアミの塩辛を付けてそのままでもOKです。
また、野菜で包んで食べる方法も有名ですね。
また、ソルロンタンに入っている肉のことは、「ピョニュク」と言います。
肉を料理に応用した場合の呼称で、単品名とは区別されています。
ところで、韓国料理には必ずスープが付いてきます。
料理をする際、肉でだしを取ることが多いので、その材料として使用された物もしっかり食べ切れるように工夫しているのです。
「肉」と言えば真っ先に焼肉が思い浮かびますが、ゆでただけのスユクも、韓国では代表的な肉料理と言えます。
さて、本日ご紹介するレシピはその「スユク」です。
ゆで肉の作り方はとても簡単。
臭みがでないように一手間かけるだけで、安いブロック肉でもおいしく作れます
ゆで汁は捨てずに、スープに活用して下さいね。
今の時期でしたら、具材にダイコンの使用をおすすめします。
牛肉の旨みがしみ込んだダイコンは絶品ですよ
こんにちは!
料理家の ひろろ こと 竹内ひろみです。
皆さんは、食べ方や食べ物で気を付けていることはありますか?
健康維持、妊娠・出産、美容のため・・・、
私達が少し立ち止まって、今の食生活を見直す機会は意外と多いと思います。
私もこれまでいくつかの食生活スタイルを経験し、今に至っています
栄養士の学校に通っているときは、西洋栄養学を中心とした食の考を学んだり、食の仕事に就いてからはマクロビオティックと出会い、妊娠・出産のときには玄米食を取り入れたり、中医学の考えを知りたくて薬膳を学び直したり・・。
などなど、いろいろな食の情報に触れ、日常生活で試し、自分が無理なくできる食生活を実践しています
「この食の考え方がいい!」とひとつのやり方を貫く姿勢は悪くないとは思います。特に長期療養や治療などを受けているときは必要なこともあるでしょう。
しかし、普段の生活で、ずっと「○○は食べない、○○は子供に食べさせない」という考えは、けっこうキツイ気がします
例えば、牛乳は体質に合わないのに「栄養があるから」と無理して飲むとか、砂糖のとりすぎは良くないので我慢して一切摂取しないとか・・・。
身体が欲する食べ物を無視して、ひとつのことにこだわり続けていると、逆に身体の負担になってしまうのでは?と思うのです。
いろいろな食の考え方を参考にし、目安にすることは大切ですが、人によって食歴も違うので、自分らしくカスタマイズして、我慢することなしに身体に良い食生活を実践してみましょう。
もちろん、何でもOKと言うわけではありません。
「最近、暴飲暴食や偏食が多いな」と思ったら、基本の食事に戻してバランスを取ることが大切です。
私の場合、基本の食事は野菜中心の家ご飯になります。
ぜひ、皆さんも一度見直してみて下さいね
それでは、本日のレシピをご紹介します。
寒い冬にぴったりな「冬野菜とタラの温かサラダ」です。
リセットしたいときなどにおすすめの一品です
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年に入ってから厳しい寒さが続き、朝起きるのがつらいですね
我が家では、ホームベーカリーで朝にパンが焼き上がるようにセットしています。
すると、焼き上がりのアラームとパンの焼き上がるおいしそうな香りにつられ、起きることがそれほど苦ではなくなります。
食いしん坊一家ならではの工夫です
パンを手作りするようになると、小麦粉の種類や産地にこだわってみたり、酵母にこだわってみたり・・・試行錯誤してみたくなるのは職業病でしょうか(笑)
最近、スーパーのパンコーナーでは、原材料表示に「パン酵母」と書かれた物が増えたように思います。以前は「イースト」と書かれた物が主流だったように思うのですが・・・。
どのように違うのでしょう?
そこで今回は、『イーストと酵母』についてご紹介します。
イーストと酵母・・・
なんとなく、イーストは人工的な物で安全性が低いイメージ、かたや酵母は天然由来の物で安心安全なイメージがありませんか? 実は、イーストと酵母は全く同じ物なのです。
酵母の英語読みがイースト(Yeast)で、その中でもパンに適した物をパン酵母と呼んでいます。
イースト=酵母は主に糖蜜を栄養源にして培養された天然由来の物です。ここで、問題になってくるのが「イーストフード」の存在です。
イーストフードとは、上記のイーストとは全く別の物です。
イーストフードは、発酵時間を短縮し、製造の効率を上げるための食品添加物です。最近、パンの原材料表示に「イースト」ではなく「パン酵母」と記載される傾向があるのも、この「イーストフード」と「イースト」が同じ物だと誤解され、安全性が低いというイメージを与えてしまうことを懸念した物だと言われています。
さて、本日のレシピをご紹介します。
『ホウレンソウのパンキッシュ』
薄切りの食パンを皮にし、ホウレンソウやピザ用チーズを入れてこんがり焼いた手軽で温かい一品です。
ぜひお試しを