2020年5月の記事
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です

昨今、風邪などの流行り病などで、自宅療養をされている方もいらっしゃるかと思います。
一人暮らしの方や、普段家族の食事作りを担っている方など、体調が悪くても自分や家族の食事を作らなければいけない状況にある方は特に大変ですね。
体調が悪いときに安心してゆっくり療養するためには、日頃の備えも大切です。
体調が悪いときには、消化機能も低下していることが多いので、ご自身の体調に合った物を食べて栄養を摂り、身体を回復させていくことが大切です。
そこで今回のブログは、「病み上がり(回復期)の食事のポイント」についてご紹介します


まず、風邪か流行り病で高熱、下痢、嘔吐などの症状が出ている場合は、脱水症を防ぐため水分補給をしっかりとする必要があります。
特に気温の高い夏場などは、より一層の注意が必要になります

ミネラルウォーターやスポーツドリンク、 OS-1(オーエスワン)などのイオン飲料を50mlずつ程度に、こまめに飲むようにしましょう。
普段からイオン飲料を自宅に常備しておくと安心ですね

食事についてですが、熱が高く身体がだるいなどの症状があるときは無理をして食べる必要はありません。
回復期は胃腸も弱っていますので、まずはおかゆやうどんなど、胃腸に負担をかけないようにできるだけ消化の良い物を食べるようにしましょう。

◆三分がゆ/米1に対して水20の割合
◆五分がゆ/米1に対して水10の割合
◆七分がゆ/米1に対して水7の割合
◆全がゆ/米1に対して水5の割合
まずは、三分がゆからスタートし、体調に合わせて五分がゆ、七分がゆ、全がゆと進み、やわらかく炊いたご飯から普通のかたさのご飯へとステップアップしていきましょう

<おかゆの作り方>




※土鍋などで炊くとおいしくできます。
あまりかきまぜない方がさらっとしておいしいおかゆになりますよ。
炊飯器で炊くとさらに手軽に作ることができますので、ぜひレシピをご覧下さいね




おかゆが食べられるようになったら、野菜や卵などを加えてよく煮込んだ雑炊やスープ、うどんなどにしてみましょう

雑炊やスープは水分を多く含むので、水分補給の役割も期待できます。
スープや雑炊の次は、湯豆腐や茶碗蒸しなど、あっさりとしていてなるべく脂肪分や刺激が少ないおかずや、ビタミンが豊富なカボチャやホウレンソウなどの緑黄色野菜もプラスしていき、徐々に通常の食事内容に戻していくようにしましょう。
酒などのアルコールやコーヒー紅茶炭酸飲料などは胃腸に負担をかけやすいのでしっかりと回復するまで控えるようにしましょう

<普段から常備しておきたい食品>
体調が悪くなってしまってから買い物に行くのはとても大変ですよね。
普段から、イオン飲料の他に、チルドのおかゆや野菜スープ、冷凍うどん、コーンフレークなど日持ちがする物を備蓄しておくと良いでしょう。
自宅療養中は、野菜が摂りにくくなりますので、野菜汁100%の野菜ジュースやトマト缶、冷凍野菜、冷凍フルーツ、切り干しダイコンなどの乾物なども便利です。
また、最近某宅配サービスの会社がコンビニと提携し、お弁当やパンなどの食事だけではなく、洗剤や雑誌なども一緒に自宅まで宅配してくれるサービスをスタートさせたようです

買い物に行けないとき、行くことがリスクになるときにはとてもありがたいサービスだと思います。
様々なサービスを利用して、安心して身体を回復させることに専念できる環境を日頃から整えておきましょう

さて、今回のレシピは、買い置きができる乾物を利用し、炊飯器で料理可能な、体調が悪くても作れる消化に良い一品、「切り干しダイコンのおかゆ」をご紹介致します

もちろん、お鍋で作ってもOKです!
皆さんも、ぜひお試し下さい



こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です
「この食べ物にはこれ」といった組み合わせは、飲食店でもご家庭でもあるかと思います。
もちろん、「韓国料理においても当たり前の組み合わせ」があります。日本料理で例えると、寿司と新ショウガの甘酢漬け(ガリ)でしょうか。
今日は本場韓国で誰もが当然のように食べている、伝統的な組み合わせから最近の物までご紹介致します。
水キムチ+お粥
韓国にはお粥専門店があります。
日本でのお粥は食欲がないときや寝込んだときの食事、ファスティング後の回復食といった位置付けですよね。
韓国でも体調不良のときに食べますが、朝食としても取り入れられています。
お粥と水キムチがなぜセットなのかと言うと、朝鮮時代の王様の食膳が起源となっているからです。
王様は一日の食事が五回で、本番の朝食は十二楪飯床(シビチョブバンサン)と言って、キムチ以外のおかず12品が食膳に上りました。
この朝食前に胃腸を慣らすためのお粥膳があり、「お粥」と消化を助けてくれる「水キムチ」が必ずセットになっていたのです。
現在でもお粥の専門店では、水キムチを含めた塩辛などのおかずがセットになっていますジャージャー麺+酢豚(タンスユク)
韓国人のソウルフードであるジャージャー麺。
歴史は100年程度と古くありませんが、仁川(インチョン)に中国のジャージャー麺が伝わってから韓国風にアレンジされ、瞬く間に韓国全土に広まりました
韓国の方たちは、近年一人ご飯を楽しむ若年層が増えつつあるものの、家族や友だちと外食するのが一般的です。
一人一皿ずつのジャージャー麺に加えて、大皿の酢豚を注文して箸をつつき合います。
酢豚と言えば、野菜がたっぷり入った料理を想像されるかと思いますが、韓国の飲食店では揚げた豚肉がどっさりと入り、野菜が少なめです。
韓国の方たちが愛してやまない組み合わせだと思いますトッポッキ+おでんスープ
ジャージャー麺と同様に韓国人のソウルフードであるトッポッキ。
知人から聞いた話によると、学生時代は学校からの帰り道に屋台に寄って、トッポッキを買い食いするのがお決まりだったそうです
屋台ではトッポッキと韓国おでんを一緒に売っており、韓国おでんは油揚げの形になった魚の練り物が一般的で、串に刺してスープで煮ています。
韓国おでんを買わなくても、トッポッキを頼むとスープだけ無料でくれる店が多いので、辛いトッポッキと辛くないおでんスープは味のバランスが良いですチキン+ビール
90年代に入ってから定着したチキンとビールの組み合わせを、韓国では「チメク」と言います。
昔はアルコールと言えばマッコリや焼酎が多く飲まれていましたが、1988年のソウルオリンピック以降に消費量が増えました
揚げたチキンの脂っこさをすっきりさせてくれるのがビールで、韓国のオリジナルビールは軽い飲み口が特徴です。
2000年代に入ると輸入ビールが店頭に並び、近年では韓国内で製造のクラフトビールも話題になっています
その他にもいろいろありますので、機会を改めてご紹介できたらと思います。
さて、本日のレシピは、カレーの風味と野菜の甘味が引き立つ一品、「カレートッポッキ」をご紹介致します
トマトケチャップなどを使い、お子さまでも食べやすい辛さに調節しました。
ちなみに、韓国ではカレーを食べるときにキムチをのせて、しっかり混ぜながら頂くスタイルがマストです
そこで、カレートッポッキにもキムチを添えてみました。
皆さんも、ぜひお試し下さい
こんにちは。
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です

今回は生おからの焼き菓子レシピで欠かせない、「ベーキングパウダーと重曹の話」をしたいと思います。

今までいくつもの生おから焼き菓子レシピを作ってきましたが、「いかにして生おから入りの生地を膨らませるか」というのが最重要ポイントだと思っています。
ご存じのように、生おからは大豆から豆乳を絞ったときにできる絞りかすです。
よく見てみると分かると思いますが、おからは粒が大きく、水分が含まれているので、膨らみにくいです

そこで私は、生地を膨らませる膨張剤にベーキングパウダーと重曹の両方を使っています



ここでベーキングパウダーと重曹の違いについて解説しておきましょう

ベーキングパウダーの成分は3つ。

炭酸水素ナトリウム(重曹)や炭酸水素アンモニウムなど。

リン酸カルシウムなど。炭酸水素ナトリウムと反応してガスを発生させ、生地がアルカリ性になるのを防ぐ成分。

コーンスターチなど、炭酸水素ナトリウムと酸性剤が反応しないようにする成分。
難しい話になりますが、ベーキングパウダーは水分と合わさることで膨らみ、加熱することで二酸化炭素が発生し、細かい気泡がさらに生地を膨らませます。
余談になりますが、炭酸ガスは時間が経つと発生量が減るので、生地ができたらすぐ焼けるようにオーブンは予熱しておくことが大事です。
次に重曹について解説します

重曹の主成分は炭酸水素ナトリウムだけです。
重曹入りの生地は、加熱することで炭酸ガスを発生させ膨らみます。
それに対してベーキングパウダーは、水分と合わさるだけでガスが発生するので、重曹とは違うのですね。
とは言え、重曹も加熱しただけでガスが発生する訳ではなく、酸性の物質を加えなければうまくガスが発生しません。
酸性の物質とは、レモン汁や酢などのことです。
ちなみに、酸っぱくないのですが、ハチミツ、黒蜜、チョコレートなども酸性なので、これらを生地に加えても、焼いたときふっくらと膨らみますよ

ただ、重曹にはひとつだけ難点があり、たくさん使うと後味が苦くなり、微かにしょっぱみが残ってしまいます

「だったらベーキングパウダーの方が良いじゃないか」と感じられるかと思いますが、ちょっとお待ち下さい

この2つの膨張剤は、それぞれ得意不得意があるのです。

ベーキングパウダーは生地を縦に膨らませる作用があり、重曹は横に膨らませる作用があります。
パウンドケーキやマフィンなど、焼き菓子を作る際には、ベーキングパウダー。
まんじゅうや蒸しパンを作る際は、しょっぱみがあるくらいの方がおいしいので、重曹をオススメします

つまり、特徴に合わせて使い分けするのが良いということです。

前置きが長くなりましたが、ここで生おからの焼き菓子の話に戻ります。
生おからは、粒が大きく水分量があるので、ベーキングパウダーだけだと生地が重くなり、膨らむパワーが足りずにどっしりとした仕上がりになります

このどっしり感は、万人受けするとは言い難く、個人的にはどうにかして食べやすい食感にしたいと思ったものです。
そこで、生地にベーキングパウダーと重曹の両方を入れてみたところ、ベーキングパウダーだけの生地の物よりも膨らんだのです

これを食べたところ、どっしり感が薄れ、おから入りとは思えない食感に

それ以来、生おからの焼き菓子にはベーキングパウダーと重曹の両方を使うようになりました

ちなみに重曹だけで生地を作ったこともあるのですが、これだと苦みが強くていまいちの仕上がりになってしまいました。

以上を踏まえまして、今回はレモン汁をたっぷり使って作る、「生おからのレモンパウンドケーキ」を作りたいと思います

こちらのレシピは小麦粉50gに対し、生おからを100g使います。
重曹を作用させるために、レモン汁とハチミツを加えて、重量感あるおからでもしっかりと膨らむようにしています。
こうして作ったレモンパウンドケーキは、レモンの爽やかな風味が香る、大人の味わいになっています

ぜひ、レモンのおいしい初夏に作って頂けたらと思います


こんにちは!
料理家のひろろこと竹内ひろみです

「和食」は、「ユネスコの無形文化遺産」に登録されていることは、皆さんご存じのことと思います。
和食と言うと料理のイメージが強いのですが、この登録にあたって和食は、「伝統的な食文化」として登録されています

世界の国々をみると、その国独自の文化、環境と料理が結び付いていることが多いようです

「和食」も例外ではなく、日本独自の伝統や行事、山や海に囲まれた自然環境などが土台となっています。

健康志向が強まるな中、一汁三菜を基本とする献立スタイルも見直されてきていますね。
一汁一菜とは、「ご飯、味噌汁、漬物」を原点とする食事の型で、栄養のバランスが摂りやすい献立スタイルです

◆主食/エネルギー源の炭水化物
◆汁物/水分補給もかねて味噌汁やすまし汁など
◆三菜/おかず
主菜1品(たんぱく源)、副菜2品(ビタミン、ミネラル、食物繊維)が好ましいですが、全部揃えるのが難しい場合は、一汁一菜でも二菜でもOKです

毎日の献立を考えるのは大変ですが、一汁一菜をベースに考えると、和食以外にも応用ができるので、とても便利な献立方法ですよ。
さて、和食ならではの作法である、食前の「いただきます」、食後の「ごちそうさま」は、感謝の気持ちを伝える素敵な言葉です。
和食は健康面だけでなく、心を育む大切な役割を担っているのですね

また、和食の「和」には、調和や協調といった意味があります。
豊かな自然、季節の移り変わりと共に育まれてきた和食

和食には、「おもてなし」の心に裏打ちされた相手への気遣いなど、ほっこりと心が和む要素がたくさん含まれているのかもしれませんね

本日のレシピは、カリっと揚げた高野豆腐にフレッシュな野菜を組み合わせた一品、「揚げ高野豆腐のサラダ」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい

