こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国料理と言えば、焼肉を真っ先に思い浮かべる方は多いかと思います。
例えばプルコギ、サムギョプサルなど、韓国風焼肉の名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
韓国人は野菜も大量に摂りますが食肉の摂取量も多く、米国農務省資料によると2012年に1人が1年で摂取した食肉は約60kgと言われています。
ちなみに、食の欧米化が叫ばれている日本人ですが、食肉の摂取量は1年で約47kgと、韓国に比べればかなり少なめなのです
韓国人の食肉の摂取量が多い理由のひとつとして、韓国料理の出汁の取り方が挙げられます。
和食はかつおぶし、昆布、煮干しなど魚介を使った、比較的短時間で取れる出汁が主流ですが、韓国料理は長時間煮込むスープもよく使います。
そのスープ作りに欠かせないのが肉類だからなのです
そのため、スープを取った肉をさらにおいしく味わう料理など、肉料理がバラエティに富んでいるので、日本人よりも韓国人はおのずと肉の摂取量が多くなるということなのです
例えば、お誕生日のお祝いに作るワカメスープは、牛肉スープを使うのが一般的。
使用する部位もこだわってスネ肉と胸肉にすると、さらにうま味が増します。
牛肉をおいしく料理するコツとして挙げられるのが、血を取り除くこと。
購入したとき、豚肉や鶏肉に比べて出ている血の量が多いので、なにもせずにそのまま調理すると、雑味が出る上に肉に味が染み込みにくくなります。
牛肉の臭みが気になる方は、ぜひ一度血を取り除いた物を食べてみて下さい
こちら↓の方法ですと、とても簡単に血を採ることができるのでおすすめです薄切り肉の場合は、キッチンペーパーで表面を軽く拭き取るだけでOK。
この一手間をするかしないかで、味が格段に違いますかたまり肉の場合は、たっぷりの水に1時間程浸けておくだけです。
途中1〜2回ぐらい水を換えるのが理想です。
水に浸けておくと肉が白っぽくなりますが、浸透圧の関係でうま味は逃げません。
牛肉でスープを作るときは、鍋にスープ用の水を入れ、水に浸けていた牛かたまり肉を投入し強火にします。
アクが出てきたら丁寧にすくって中火から中弱火にし、長ネギやニンニクなどの香味野菜を入れて蓋をします。
1時間程煮込むと黄金色に輝く澄んだスープになりますので、薄口しょうゆや塩で味を調えて下さい。
出汁を取った牛かたまり肉は、スライスしてスープに戻し具するので、最後まで無駄なくおいしく頂けますよ
牛肉のスープは時間さえあれば難しくありませんので、ぜひ挑戦してみて下さいね
それでは本日のレシピは、牛スネの煮込みです。
韓国では骨付きの牛肉を活用しますが、日本のスーパーでは手に入りにくいので、比較的に購入しやすい牛スネを使ってのレシピにしました
上記のように血抜きをすれば、臭みがなくより一層おいしく頂けますよ
ぜひお試し下さい。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
今年はなんだか春がなく、冬から一気に夏になってしまったようなお天気でしたね。
ここ数年は毎年、「春がない」「秋がない」と言っている気がします
しかし、肌で季節を感じる場面が少なくても、食で季節を感じられる場面は多いです
例えば、青梅はまさに、今だけ楽しめる食材。
梅はバラ科サクラ属落葉高木の果実で、中国原産(湖北省または四川省など諸説)ですが、英では「Japaneseapricot(ジャパニーズ・アプリコット)」と呼ばれています。
ちょうど季節は梅雨時を迎え、夏バテする前に体を休めたい頃。
こんなときこそ梅の出番です。
梅の実には、疲労回復や免疫力をアップさせるβ(ベータ)カロテンが含まれていて、同じく体を元気にしてくれる有機酸(クエン酸やリンゴ酸など)も豊富です
雨が多く、お出かけのチャンスが減って自宅でゆっくりできる時間が増える今、ぜひ保存食を作ってみてはいかがでしょうか
梅の実と言うと、紀州の南高梅が有名ですね。
肉厚で皮が薄く、まさにブランド梅です。
しかし、この品種以外にも古城(こじろ)や加賀白梅などがあり、甲州小梅など、カリカリとした食感の小粒の梅干しでおなじみの品種などがありますので、そんなに値がはらないのに十分梅の香りや味わいを楽しむことができる梅が、他にもたくさんあります。
味わいはお好みですが、一般的に梅酒などは青い物、梅干しなどは黄色く熟した物を選ぶのがおすすめです。
ただし、青梅を買っても、放っておくと黄色く熟していきますのでご注意を。
また冷蔵庫で保存すると低温障害で変色してしまうので、購入したらすぐに加工しましょう。
水に浸けてアク抜きし、ヘタ部分を取り除いて、きちんと水気を拭いて密封袋に入れれば冷凍保存ができます。
冷凍した物は漬ける際に皮が破れやすくなりますが、その分漬ける時間がぐっと短縮されるので、あえて凍らしてから梅を漬ける方もいるのですよ。
さて今回は、手頃なお値段で購入できる小梅を使って、自家製の梅シロップをご紹介します。
水やソーダで割ったり、ドレッシングの隠し味にしたり、用途は様々です。
豊かな味わいをぜひお試し下さいね。
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
皆さんは、「二十四節気」という言葉をご存知ですか?
現在の日本の暦は、地球が太陽の周りを1周する時間を1年とした太陽暦の新暦が導入されていますが、明治5年以前は太陽
と月
の動きを組み合わせた「太陰太陽暦」が旧暦として日本の暮らしのなかで親しまれていました。
旧暦では、季節は太陽暦の1年を4等分した春夏秋冬に、24等分した二十四節気、さらに72等分した七十二候という細やかな季節の移ろいが取り入れられてきました。
二十四節気は、立春から始まり、大寒で1年を締めくくります。
カレンダーにも記載されている場合がありますので、馴染みがあるかと思います
暦(こよみ)の上では…という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、暦とはこの二十四節気のことを言うことが多いですね。
今の時期(2015年5月21日〜25日頃は、二十四節気では『小満(しょうまん)』にあたります。
『小満』とは、草木が徐々に成長して生い茂る時期のことを指し、その『小満』を3つに分けた初候を『蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)』と言い、蚕(カイコ)が桑を盛んに食べ始めるころとされています。
またこの時期の象徴とも言える食材にそら豆が挙げられ、蚕を飼う初夏に食べられることや、さやの形が蚕に似ていることから「蚕豆」という字があてられているのです。
そら豆は、マメ科ソラマメ属の植物で、大豆、落花生、エンドウ豆、インゲン豆、ひよこ豆と共に世界6大食用豆に数えられています。
昔ながらのおやつである「いかり豆」や、煮豆の一種の「おたふく豆」、調味料である「豆板醤」は、実はそら豆が原料になっているのです。『そら豆』には、ビタミンB11・鉄分・亜鉛・カリウム・食物繊維が豊富に含まれています。
疲労回復や肌荒れの改善、貧血予防、むくみ解消、便秘解消などの効果が期待できます。そら豆の選び方は、さやの緑色が鮮やかでツヤがある物が新鮮です。
1さやに4〜5粒程度そら豆が入っていることが多いのですが、ふっくらと膨らんでおり、持ったときに重みを感じる物が粒が大きくおいしいでしょう。
今回は、『そら豆のアンチョビコロッケ』をご紹介しています。
ビールや白ワインに合うのでおつまみにピッタリの一品です。ぜひお試しを
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
この時期は五月病……とはいかないまでも、新学期の疲れがなーんとなく出始める頃ですね
皆さんの体調はいかがですか。
八百屋さんを見ると、店頭に並んでいる野菜が春の山菜から初夏の野菜へと移り変わり、そういったところからも季節の変わり目を感じます。
そんな八百屋さんの軒先で、先日らっきょうを見つけました
我が家では毎年らっきょうの甘酢漬けを漬けるのですが、この薄皮むきは子どもたちのお仕事。
娘たちが「また手がくさくなる〜」なんて言いながらも手伝ってくれます。
らっきょうは、中国ヒマラヤ地方原産でユリ科の多年草です。
球根部分を私たちは食用としていて、英名はそのまま「rakkyo」と呼ばれています。
国内では、オオニラやタマムラサキなどの別名があります。
栄養についてはとても優等生で、高血圧予防効果があると言いわれるカリウムをはじめ、疲労回復効果があるアリシン、食物繊維も豊富。
疲れがたまるこの時期に、箸休めのひとつとしてぱくっと頂くのもおすすめです。
ただし、においは気をつけなくてはいけませんけれどね
一口にらっきょうと言っても、私たちが一般的に甘酢漬けなどで食べるのは、ほぼ「玉らっきょう」という種類です。
鳥取や鹿児島、福井などが産地として有名ですね。
大玉種の「らくだ」や中玉の「八ツ房」などの品種がこれにあたります。
また沖縄県で収穫されるのは、「島らっきょう」という種類です。
玉らっきょうよりも細身で、緑の葉の部分付きで売られています。
塩もみして浅漬けにしたり、天ぷらにしたりなどでも食べられます。
最近は沖縄県外のスーパーなどでも見かけるようになり、徐々に身近な野菜となりつつあります。
さらに、らっきょうを軟白栽培して若取りしたモノを「エシャレット」と言います。
これは一般的ならっきょう程香りやクセが強くなく、生で食べられるらっきょうです。
紛らわしいですが、タマネギの仲間の「エシャロット」とは別物なので、混同しないようご注意下さい。
「エシャレット」はらっきょうのような味わいで、「エシャロット」はタマネギのような味わいなので味も全く別物なのです。
さて今回は、島らっきょうを使った炒め物をご紹介します。
らっきょう漬けよりもグンと手軽に食べられて、らっきょうが苦手な方でも食べやすいです。
ぜひお試し下さいね。