こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
いつ起こるか分からない自然災害に備えて、備蓄しておくと便利な物のひとつに「食品用ラップ」があります。
災害時には食器にラップを敷いて使用し、食べ終えたらラップを捨てれば良いので、食器を洗う水を節約できるという点で重宝するようです。
今回のブログは、食品の保存だけではなく、様々な場面で役立つ「食品用ラップの豆知識」をご紹介します
まず「食品用ラップ」の正式名称をご存じでしょうか?
「○○ラップ」と商品名で呼ばれることが多いですが、正式名称は「食品包装用ラップフィルム」です。
食品包装用ラップフィルムは、製品によって素材が異なります。ポリ塩化ビニリデン
ポリエチレン
主に上記2種類の素材から作られています。
ポリ塩化ビニリデン製の物は、ピリッと切り取りやすく伸びにくいので、おにぎりを作るときやサンドイッチを包むときに便利です。
酸素を通しにくい性質なので、食品の酸化を防ぎ、新鮮な状態を保つことができます。
耐熱温度は140℃程で、高温になりやすい電子レンジでの調理に向いています。
ポリエチレン製の物は、引っ張ると伸びる性質があり、酸素を通しやすいので長時間の食品の保存には適しませんが、比較的安価で手に入ります。
耐熱温度は110℃程の物が多く、冷たい物や電子レンジで使わないときに使用するのが良いようです。
つまりラップ製品の違いは、主に原材料の違いなのです
ラップを購入するときは、原材料や耐熱温度を確かめて、用途に合った物を選ぶと良いでしょう
レシピに電子レンジ調理を含むとき、「ラップをして加熱」または「ラップをしないで加熱」と記載されている場合があります。
これは調理に食材の水分を利用するかしないかの違いです。
水分を利用して調理する物は「ラップをして加熱」、水分を飛ばして調理する物は「ラップをしないで加熱」が原則です。
例えば、野菜を電子レンジで蒸すときなどは、野菜から出る水分を利用して蒸すため、ラップをして加熱します。
逆に、揚げ物の再加熱は基本的にラップは使いません。
ラップをして加熱すると、温まった食材から出る水分で衣がべちゃっとしてしまうからです。
また、ラップの箱に「油性の強い食品を直接包んで電子レンジに入れないで下さい」という注意書きがあることをご存じでしょうか?
揚げ物など油分の多い食品は、電子レンジで加熱すると非常に高温になるため、場合によってはラップが溶けてしまうことがあります。
溶解したラップが付いた食品を食べることはおすすめできませんので、くれぐれもご注意下さい
それでは今回は、食品用ラップを利用してご飯でバンズを作る『ライスバーガー』をご紹介します。
バンズのご飯は冷ご飯を使っても
ランチやお弁当にもおすすめのレシピです。
ぜひお試し下さいね!
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
みなさま、ポートランドという場所をご存知でしょうか?
全米の住みたい街人気ランキングでトップクラスに入り、また屈指のグルメシティとして名高いオレゴン州の都市です
個人的には、仲の良い友人が現地で食にかかわる仕事をしていることもあり、とても興味がある街でもあります。
また日本からもビジネス目的で視察に訪れる人が年々増え続けているそうで、日本国内からの注目度も高い都市のひとつなのです
先日、そんなポートランドからのゲストを迎えた、街づくりに関するトークセッションが横浜で開催されました
友人がゲストスピーカーだったこともあり足を運んだのですが、非常に興味深い話を聞くことができました
特に印象深かったのが、食と街とのサスティナブル(sustainable/持続可能)な関係性についてです。
食に限らずですが、ポートランドでは下記のような価値観が根付いています。環境に配慮した暮らし方を目指し、マスプロダクト(mass+products/量産品)よりもハンドメイド(handmade/手製)を選び、地域で丁寧に作られた食物を地域で消費する。
むやみに生産量を増やさず、むやみに低価格を求めず、儲け主義に走りすぎない。
ローカル・ファースト(地元第一主義)がしっかりと根付き、生活の一部として生きている。
そこには生産者と消費者(そしてその間を取り持つ商業)が、足並みを揃えないと実現しない町作りがありました。
日本にもポートランドの価値観に似たものがあり、「身土不二(しんどふじ)」といった言葉もあるのです。
これは明治時代の医師であり陸軍軍医だった石塚佐玄氏によって提唱された食養運動のスローガンで、住んでいるその土地、その環境に適している食物(旬の物、郷土の料理)を食べることが心身を健やかにするという考え方です。
また、1980年代の初めには「地産地消(ちさんちしょう)」という言葉も生まれました。
地産地消とは、地域生産・地域消費の略語で、国内の地域で生産された農林水産物(食用に供される物に限る)を、その生産された地域内において消費する取り組みです。(農林水産省ホームページより引用)
元々は農林水産省の、地域内において食生活を向上させる対策事業計画案の中で生まれた言葉だと言われています。
現在では、一般名詞として普及する程になりました。
現在の日本では、地産地消に取り組みたいと思っていても、輸入に頼っている食材があることや、農業生産者が少ない地域があることなどの理由から、実現には多くの困難があり、なかなか行動に移せないのが現状です。
現在のポートランドの姿は、そんな現代の日本が理想として描き続けているものを具現化した、ひとつの理想だとも言えるのではないでしょうか。
そのことが、日本人の多くを惹き付けている所以(ゆえん)なのかも知れませんね。
私たちはどんなふうに自分たちの食を守り、支えて行けば良いのでしょう……。
ポートランドの友人からお土産にもらった、とびきり新鮮なポートランド産のオリーブオイルと、ポートランドの農業を牽引する農場で作られた美しいカリンのジャムに舌鼓を打ちながら、改めてそんなことを考えさせられました
さて今回は、夏野菜をたっぷり頂ける「チキンと夏野菜のオイル煮」をご紹介します。
オイル煮は日持ちするので、作り置きにもおすすめ
そろそろ夏野菜をスーパーで見かける時期ですので、地産地消ということでレシピ内の食材を地元で採れた野菜に変えてもOKです
また冷蔵庫に中途半端に残っている野菜を、あれこれ入れてみても良いですよ
いつもの野菜をごちそうに変えてくれるお料理ですので、ぜひ作ってみて下さいね
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国は分かち合い文化ゆえに、食事やお酒を大人数で共に楽しむことを大切にしています。
日本もその点は同じですが、韓国ではとりわけ個食を嫌うため、どうしてもお酒を飲むとなると宴会になることが多いです
韓国における宴会の歴史は、高麗時代の1124年に中国の宋で刊行された「宣和奉使高麗図経(せんわほうしこうらいずきょう)」から知ることができます。
宣和奉使高麗図経によると、当時交易のあった宋の使節が、高麗人が設けた酒席で接待を受けたことが記録として残っています。
またこの時代は、現在の居酒屋にあたる公設酒幕(チュマク)が開設された時期でもありました
高麗時代は宋以外にも、元(げん)や日本との交易も活発だったため、貨幣の使用と流通を促進する方法のひとつとして、現在の北朝鮮にある開城(ケソン)に、左右酒店(チャウチュジョム)という公設酒幕を開いたのが居酒屋のはじまりだと言われています。
国内の主要な通りにあった酒幕は、主に旅人向けの居酒屋とし営業しており、宿泊も可能な施設でした。
その後、地元の人の間でも酒幕でお酒を飲む習慣が広まっていきます。
禁酒令が布かれたこともありましたが、酒幕は李氏朝鮮時代も受け継がれ、特に後期になるとその数が増えました。
高麗時代の酒幕は広い板の間に酒瓶がきれいに並び、美しくて若い女性が客にお酒を振る舞うといった高級感のあるものが多かったのですが、朝鮮時代になるとバーカウンターのような木の板を設置したシックなスタイルの店が増えていったそうです。
しかし、時代とともに居酒屋と宿泊所が別々の店が主流になり、昔ながらの宿泊ができる酒幕の数は徐々に減少していったのです。
韓国内で現存する最古の酒幕は、慶尚北道(キョンサンプクド)の醴泉(イェジョン)郡にある三江酒幕(サムガンチュマク)で、オーナーの他界により2005年に一度閉鎖されましたが、2009年に村人の手によって再開され、今では観光名所になっています
当時の面影を残すものの、現在は宿泊することはできません。
とは言え、現在の韓国には酒幕以外にも宿泊でき、食事も可能なゲストハウスが多くあります。
お酒を飲めるところもあるようなので、現代版酒幕といった感じでしょうか
こういった場所を拠点にしながら、韓国旅行を楽しむのも良いですね
それでは、本日のレシピはお酒のおつまみとしておすすめの「ジャガイモのコチュジャン炒め煮」です。
ピリ辛なので、ビールやマッコリと合います。
もちろん、ご飯のおかずにも良いですよ
ぜひ作ってみて下さい。
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
最近、洋菓子やパンに「米粉」を使った商品をよく見かけるようになりましたね。
皆さんも一度は、米粉を使った洋菓子やパンを召し上がったことがあるのではないでしょうか?
中でも米粉を使ったパンは、しっとりもちもちした食感がクセになるおいしさで、ハマる方も多いようです
そこで今回は「米粉」の豆知識についてご紹介します。
「米粉」とはその名の通り、お米を粉状にした物です。
和菓子を作るときに使われる「上新粉(じょうしんこ)」や「白玉粉(しらたまこ)」も米粉の一種で、日本では古くから米粉を活用してきました。
しかし、昔から使われていた米粉は粒子が粗く、用途が限られていました。
ここ数年で米粉をさらに細かくする製粉技術が発達し、洋菓子やパンにも使える粒子の細かい米粉が普及し、幅広い分野で使用されるようになったのです。
小麦粉の代わりに米粉を使用することで、様々なメリットがあります
その最たるものは小麦アレルギーの人が、米粉ならば食べることができるということです。
小麦アレルギーは、小麦に含まれるグルテンという物質に反応し起こります。
一方で米粉はデンプンが主成分のため、グルテンが含まれておらずアレルギーを引き起こしにくいのです。
小麦アレルギーで洋菓子やパンを一切食べられなかった人も、米粉が原料の物なら安心して食べることができます
また、食生活が多様化するにつれ、日本のお米の消費量は年々減少。
なんとお米の消費量は平成26年には、昭和40年の半分以下にまでなってしまいました
しかし米粉をパンや麺など様々な加工食品に利用することで、さらなる消費減退を食い止め、お米の消費量アップに繋がるのです
他にも、米粉は小麦粉に比べて油の吸収率が低いので、天ぷらなどの衣に使うとカロリーを抑えることができ、冷めてもサクサクとした食感が楽しめます
さて、少し米粉に興味が湧いてきましたでしょうか?
ほとんどのレシピで、小麦粉を米粉に置き換えれば「米粉の」洋菓子やパンができます
ただし、パン作り用の米粉にはグルテンを加えている物があるため、小麦アレルギーの方が米粉を購入する際には、「グルテンフリー」の物を選んで下さいね。
米粉を洋菓子やパンに使った場合、味に大きな差はなく、小麦粉よりも少しヘルシーという利点がありますから、使わない手はないですね
ぜひ、みなさまも米粉を活用してみて下さい
それでは今回は、米粉が原料の乾燥ビーフンを使った『インゲンの焼きビーフン』をご紹介します。
野菜をしっかり摂れるボリュームたっぷりの一品です。
ぜひ作ってみて下さいね