こんにちは!
料理家の吉田由子です。
唐突ですが、秋に連想される動物と言えば、どんな物が思い浮かびますか?
私は、月夜に走り回る『きつね』と『たぬき』です
『きつね』と『たぬき』と言えば、お料理の名前でも登場しますね。
では、皆さんこちらは何というお料理でしょうか?
きつねうどんですよね。
きつねうどんの特徴は、何と言っても甘辛く煮た油揚げ です。
では、甘辛く煮た油揚げが「そば」にのっていたら
答えは・・・たぬきそば〜
このブログを読んで下さっている方の中には、
「え!?たぬきそばは、天かすがのったそばじゃないの!?」と思われた方や、「うんうん!たぬきそば!」と頷いた方の両方がいらっしゃると思います 私の住む関西では、油揚げがのったうどんを『きつねうどん』
油揚げがのったそばを『たぬきそば』と呼びます。
ですが、関東では、油揚げがのった うどんを『きつねうどん』
油揚げがのったそばは『きつねそば』と呼ぶのです。
ちなみに、関東で『たぬきそば』と言えばそばの上に天かすがのった物を指します。
関西では、天かすののったそばは『ハイカラそば』と呼びます。
ただし、同じ関西でも京都の『たぬき』は、刻んだ油揚げが入ったあんかけうどんのことを指します。
なんだか・・・
『たぬき』と『きつね』はお料理の世界でも化かし合いをしているのですね(笑)
旅行の際など、『たぬき』や『きつね』と名の付く料理は、出されてから『思っていた料理と違う 』とならないために注文する前にお店の人に確認した方が良いかもしれません。
さて、本日は『きつね丼』のレシピをご紹介します。
甘辛い油揚げがご飯とよく合います。
安上がりでお財布にもうれしい一品です。
ちなみに、天かすを卵でとじて、ご飯の上にのせた物は『たぬき丼』という名称で、すでに市民権を得ているようですよ(笑)
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
今年は夏休みにベトナムのホーチミンに行ってきました
オートバイと活気と熱気に満ちた町はとても魅力的で、料理もとてもおいしくて、素晴らしい休暇になりました
地元出身の友人が案内してくれたこともあり、わずか1週間程度でしたが、朝夕の市場やチャイナタウン、学生街、ジャングル の田舎町など、様々な面を垣間見
、楽しむことができました。
ベトナムは、隣接する中国の文化に加え、19世紀のフランス植民地時代の影響も重なり、豊かな食文化を形成しています。
料理は全体的に脂っこくなく、さっぱりした味わい。
ベトナム料理と言えば、フォーや生春巻きを思い浮かべますが、米粉が多用されているのが特徴ですね。
また、タンパク質を摂取するために、様々な魚介類や肉類を使っていますが、文化的・宗教的な食のタブーが少ないことも分かります。
もちろん、それぞれの宗教の戒律などによって違いますが、ヤギやスッポン、ネズミの肉なども身近な食材になっていて、市場などでも買ったり食べたりすることができます。
そして、バインミーと呼ばれるバゲットサンドやプリンなど、フランスの食文化がローカルフードとして根付いています。
その中でも印象的だったのは、葉野菜の多用でした。
料理に混ぜ込むのではなく、付け合わせのように別皿にどーんと出されます。
サニーレタスのような物の他に、フンクエ(バジルのような物)やザウザム(パクチーのような物)、そしてドクダミなど、日本ではあまりなじみのない生ハーブがごく一般的に食べられていました。
揚げた魚の身やバインセオ(ベトナム風お好み焼き)などを、これらの葉野菜とライスペーパーで巻いて食べるのですが、なかなかの美味
改めて、自分の身近な食材の組み合わせや食べ方を見直せば、新たなおいしさに出会えそうだと、いろいろなヒント をもらった気がします。
今年は、日本とベトナムの国交樹立40周年。
様々な交流イベントが期待でき、ベトナムの魅力を日本にいても感じられる機会が増えそうですね!
さて、本日は日本人にも大人気のベトナム料理「バインセオ」のレシピをご紹介します。
ベトナムハーブの代わりに、大葉や三つ葉など日本のハーブを一緒に巻いて頂きます。
とてもおいしいので、ぜひお試し下さい!
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国旅行と言えば、首都のソウルが中心かと思いますが、もし時間が取れるようでしたら、ぜひ地方にも目を向けて頂きたいと思います
そこで今日は、北朝鮮と隣接している江原道(カンウォンド)のお話をしたいと思います。
この地域は山岳や高原地帯が多く、畑作が盛んで、どんぐりや山菜などが豊富に採れ、とうもろこし、そば、ジャガイモの産地として有名です。
また、海沿いの地域では、タラ、イカ、ワカメなどの海産物が水揚げされます
このような山の物と海の幸の両方が味わえる、江原道(カンウォンド)の郷土料理とは何でしょうか?
スンドゥブ
スンドゥブと言うとチゲが真っ先に思い浮かびますが、もともとは海水を使って固めたおぼろ豆腐 のことです。
しょうゆで頂きます。
カムジャオンシミ
ジャガイモをすりおろしてから団子状にし、スープに仕上げた物。
精進料理としてもおすすめです。
オジンオスンデ
スンデは豚の腸を使った物が一般的ですが、オジンオスンデはイカの胴に、みじん切りにしたイカの足と野菜、豆腐、挽肉などで作ったタネを詰めて、蒸した物。
食べるときは、酢醤油を付けて召し上がって下さい。
マッククス
冷たいそば料理のひとつ。
マッククスは、そばに、ゆでた牛肉や、キュウリ、ダイコン、ニンジンなどの野菜がのり、ヤンニョム(調味料)が添えてあります。
スープ入りと、スープなしの2種類があります。
黄太(ファンテ)クイ
ファンテとはスケトウダラを冬に自然乾燥させた物。
夜には凍結、昼間に解凍を繰り返すことで、旨みが増し、黄みが強くなります。
ファンテはスープ、焼き物、煮物など利用範囲が広く、その中のクイはファンテを開き、ピリ辛のヤンニョムを塗って網で焼き上げた物です。
韓国で人気の食べ物ですね。
韓国人でもやや馴染みの少ない江原道(カンウォンド)ですが、素朴な料理はどれも感動を覚えますよ
それでは、本日のレシピは本文でもご紹介した、「イカの肉詰め(オジンオスンデ)」です。
日本人の口に、とっても合うと思います
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
子どもの頃は、大の探偵小説好き !
大人になったら名探偵になろう、と真剣に思ったものでした。
以前アガサ・クリスティーが生んだ名探偵『エルキュール・ポアロ』シリーズの作中に出てくる食卓をご紹介しましたが、今回はコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』 の食卓をご紹介します。
シャーロック・ホームズが住むのは、英国ロンドンのベイカー・ストリート。
作中では明らかになっていませんが、ホームズは1854年生まれという説が有力です。
つまり1800年代後半から1900年代初頭 のイギリスの食卓を垣間見ることができる、と言うわけですね。
日本で言えば江戸末期から明治にかけての頃です。
文学作品に登場する食の場面は、時代背景や登場人物の暮らしを反映する、大事なエッセンス でもあります。
ホームズの食事の世話を主にしているのが、彼が住む下宿屋の女主人(または家政婦とも)、ハドソン夫人です。
料理の腕前は素晴らしく、助手のワトソンが『ブラック・ピーター』という作品の中で「 the excellent breakfast which Mrs. Hudson had prepared(ハドソン夫人が素晴らしい朝食を用意した)」と太鼓判を押しています。
実際に食卓に並ぶメニューを見てみると、ハムエッグ、チキンカレー、腸詰、ポリッジ、チャウダー、プディングなど。
小さい頃から食いしん坊だった私は、子供心に「食べてみたい」 と心躍らせたものでした。
ですから大人になって『シャーロック・ホームズ家の料理読本』(晶文社)を見つけたときの感動と言ったら!
著者は、料理研究家のファニー・クラドック。
イギリスでは超有名で、初のテレビ料理番組を持った人です。
この本は写真こそありませんが、ホームズの食卓にのぼった料理がレシピとして紹介されています。
さて今週は、イギリス・スコットランドの定番菓子『ショートブレッド』のレシピをご紹介します。
さっくり食感の焼き菓子はティータイム にもおすすめ。
ぜひお試し下さい。