「ムク」と言う食べ物を召し上がったことはありますか?
見た目は固めのゼリー状で、原材料にはそば、緑豆、どんぐりなどがあります。
原材料を挽いて水にさらした沈殿物を煮ていくと、とろみがでてきます。それを冷ますとゼリー状になるんですね。
ムク用のそば粉、緑豆粉、どんぐり粉が売っていますが、仕上げるまでに時間と労力が必要になるので、近年では市販のムクを使って料理する人の方が圧倒的に多いです
1870年に刊行された「名物紀略」によると、「ムク」はもともと「サク」と言われていたそうです。
しかし、世間一般では「ムク」と言ったので、後述の名前が浸透したようです。
その後、朝鮮戦争時代は食料不足を補うために食べられました。
そして、経済成長に伴い、健康食になったんですね
さて、このムクには各原料の香ばしさはあるものの、味の決め手はヤンニョムと言った合わせ調味料が不可欠になります。
一般的な食べ方はと言うと、ムクと野菜を和えた物です。
ムク自体は低カロリーなので、野菜と一緒に合わせるとビタミン、食物繊維なども取れて、お腹が満たされます
その他、細切りにしたムクに冷たいスープを注ぎ、キムチやのりを加える食べ方もあります。
また食の都と言われる全州では、ビビンバに緑豆ムクが入っています。これは、全州ビビンバの特徴ですね。
韓国では一般的なムク。
日本で食べたいと思ったときは、ちょっとこだわりのある韓国料理店に行けばメニューにあるかもしれません。最近では韓国食品を取り扱っているスーパーに市販品がありますので、一度お試し下さい
それでは本日のレシピ『どんぐりムクの和え物』をご紹介します。和えた野菜から水が出てくるので、和えたらすぐに召し上がって下さいね。
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国の食堂は専門店が多く、日本の韓国料理店のように、何でも取り揃えている店はあまりありません。
そんな中で、「粉食(プンシク)のお店」があります。
粉食とは小麦などの粉を主原料として作られる料理のこと。
その料理の一部をご紹介します。
チヂミ
本場ではプッチンムゲやジョンと呼ばれています。
一般的なのは海鮮ネギチヂミですが、その他に、キムチが入っていたり、ジャガイモをすって焼きあげたり、緑豆チヂミ(ピンデトック)なども地元民に愛されています。
スジェビ(すいとん)
粉と水を練ってちぎった物をスープ仕立てにしたすいとんです。
韓国では日常的に食べられています。
オーソドックスな海鮮のだしが利いた物の他に、キムチ入り、エゴマの粉をたっぷり使った物もあります。
マンドゥ(餃子)
焼き餃子もありますが、韓国では蒸し餃子やスープ仕立てが多いです。
中身に春雨が入り、独特の食感が楽しめます。
上記以外には、カルグクス(うどん)や、粉物ではありませんが、キムパプ(海苔巻き)をなどもメニューにあります。
粉食店はファーストフードとは異なった軽食店で、様々な物を手軽な金額で食べられるのが魅力。
500円程度でお腹が満たされます
韓国人は一人で食事をする習慣があまりないので、一人旅のときに困るのが食事です。
地方では、二人以上ではないと飲食を断られることも・・・
しかし、粉食店は一人でも比較的入りやすいので、旅行者にとってもありがたい存在ですね
それでは、本日のレシピです。
日本にもある「すいとん」ですが、今回は『キムチすいとん』にしました。
こんにちは!
料理家のひろろ こと 竹内ひろみです。
寒い日々が続きます
暖房器具など外側からの温めだけでは、ゾクゾクっとした寒さは解消できず、身体の内側から温めたくなりますよね
そんなときに食べたくなる料理と言えば「鍋料理」です。
鍋を食べたあとは、暖房も必要ない程、身体がホカホカと温まります
特にチゲ鍋など辛みが入った鍋を食べると、温かさが長く持続するような気がします
鍋料理のうれしいところは、身体を温める以外にもたくさんあります
そのひとつが大人数でも量の調節がしやすい点ではないでしょうか?
材料は切っておくだけなので、そのときの人数や状況に合わせて調理ができますし、温かい料理を食卓で温かいまま頂けるので、冬の来客時、我が家では鍋が食卓にあがることが多いです
さて、鍋のスープ(だし)についてですが・・・。
数多くの種類が市販されていて迷いますよね。
個人的には昆布と干しシイタケをベースにしたシンプルなものが好きです。
と言うのも、野菜・肉・魚類など、煮ている間にそれぞれの食材のおいしさがしみ出てきますから、基本だしとの相互作用でおいしいスープができあがるからです。
以前、つみれ鍋をしたとき、うっかり冷蔵庫に入れてあったつみれを入れ忘れて鍋料理をスタートしてしまいました
なんとなく物足りないな・・・おかしいな・・と思いつつ、食べ始めた頃・・・
主役のつみれの不在に気が付き急遽、投入!
つみれが煮える頃、スープにコクが加わり、とてもおいしい鍋ができあがりました
ちょっとした失敗でしたが、食材のもつおいしさを改めて感じる出来事となりました。
スープをシンプルにして、添えるたれを「ゴマだれ」や「ポン酢」、「辛味味噌」などいろいろに取り揃えると一度にいろいろな味が楽しめて、おいしさUP です 。
さて、今回は「トマト風味のあったか鍋」をご紹介致します。
ホールトマトをベースに作ります。
鍋ごと食卓に出してアツアツを頂きましょう!
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
土鍋でご飯を炊くと、香ばしいおこげができて、味わい深いですよね。
韓国ではおこげのことを「ヌルンジ」と言って、市販品がある程親しまれています。
ヌルンジの一般的な使い道は、お湯を加えて飲み物にします。
そのおこげ湯のことを「スンニュン」と言います。
お茶文化が日本程発達しなかった理由として、スンニュンが昔から愛飲されていたから だとも言われています 。
貧しい農村では、米ではなく麦を炊いておこげを作り、スンニュンにして味わったそうです。
食べ物を一切無駄にしない韓国料理の精神が根付いていますね
スンニュンは、辛い料理を食べたあとに飲むと口の中がさっぱりします。
長所はそれだけではありません。
おこげに水を入れて沸かすと、でんぷんが分解されて、ブドウ糖とデキストリンという成分になります。
デキストリンは整腸作用があるので、消化を良くしてくれるのです
現代では、炊飯器の登場によりおこげが珍しくなってきました。
また、土鍋でご飯を炊かなくても、おこげは作れます。
チヂミのようにご飯を薄く伸ばして、フライパンでそのまま焼いてみて下さい(油は必要ありません)。
ご飯がカリカリになったら、できあがりです。
おこげはあんかけにしてもおいしいので、作ってみて下さいね。
それでは、レシピのご紹介です。
今日は土鍋で炊く「黒豆ご飯」です。
炊飯器よりも短時間でふっくら炊き上がります。
火加減が難しいと思われがちですが、一度覚えてしまえば簡単です 。