こんにちは、料理家の野上優佳子です。
世界各国に旅行に出かけ、その土地ならではの食べ物
に出会うことは本当に楽しいことですね
どの国にも郷土料理や家庭料理があり、その成り立ちから国の歴史や風土を垣間見ることができます。
アメリカに住んでいた頃も色々な所でアメリカの郷土料理をたくさん楽しむことができました。
ルイジアナ州周辺のケイジャン料理やクレオール料理、テキサス周辺のTex-Mex(メキシコ風のアメリカ料理)など、多国籍国家ならではの発展を遂げていて、なかなか興味深いです。
敷居の高い店など行かずとも、ハイウェイ周辺のダイナーなどでもその土地の味を楽しめるのは、日本と変わりませんね。
写真:ダイナーは、プレハブ造りが一般的
その中でちょっと驚いたのが、おなじみの定番料理「チキンフライドステーキ」。
別名「カントリーフライドステーキ」とも呼ばれ、南部を中心に古くから愛される家庭料理で、テキサス州発祥と言われています。
最初に食べたときは、名前と実物が一致せずに、不思議でなりませんでした。
「ステーキ」と言っても焼いたお肉ではなく、薄く叩いた肉に衣が付いて揚げ焼きをしているのです。
それは良しとして、食べてみるとお肉がチキン ではなくて、どう見ても味わっても・・・牛肉・・・
チキンって書いてなかったっけ?
それにオーストリアの郷土料理であるウィーンシュニッツエルに似ている感じ。
調べてみると、19世紀にドイツやオーストリアからの移民によってこの料理がもたらされ、テキサス州にある2つの町が「我こそは発祥地だ」と名乗っていて、毎年お祭りなども開催されているそうです
レシピ本 に登場するのは1838年、バージニア州の主婦だったMary Randolph(メアリー ランドルフ)氏によりその料理が記述されています。
1900年代前半にはすでに辞書の中にこの言葉が収録されています。
広いアメリカ全土に広くこの料理が浸透したのは、おそらく物流が車主体だった時代に長距離ドライバーたちがそのおいしさを伝えていき、広まったのではないかと思います。
ちなみに、なぜビーフなのにチキンなのか
それはフライドチキン風の味付けだからというのが、定説のひとつのようです。
さて本日は、この「チキンフライドステーキ」の作り方をご紹介します。
お子さまにも間違いなく喜ばれる味です
ぜひお試し下さい。