2014年6月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
和食のユネスコ無形文化遺産登録が発表されて、早5ヵ月。
ニュースで発表されたときの興奮と比べると、クールダウンしてきたと感じる今日この頃です。
日本料理は、主食の飯+副菜が基本となり、献立を考えるときは飯、汁、菜、香の物の4点を基本とします。
とは言え…このニュースを聞いたとき、「和食について改めて日本人として聞かれたら答えられるかしら 」と思ったのは、私だけではないはず。
なんとなく使っている言葉の意味も、改めて聞かれると思わず言葉に詰まることはよくありますよね。
例えば「懐石料理」と「会席料理」 。
どちらも「かいせき」ですが、その違いとは…?
「懐石料理」は、茶道から発し、本来は茶を楽しむための物で茶の湯の世界では「懐石」とだけ言い、茶の湯から離れて料理のみが切り出されるようになって懐石料理と言う言葉になりました。
その奥深さは簡単に説明できるものではありませんが、特徴を挙げると、ひとつひとつ食べ終わるごとにそのつど料理が運ばれる、いわばコース仕立ての形式。
流派による違いなどがありますが、飯・汁・向付(刺身などが多い)は最初に出され、酒・煮物・焼き物・預け鉢(炊き合わせなど)・吸物・八寸(珍味など)・湯と香の物・菓子、と言った具合。
お客様に対して、「料理が適切な温度とタイミングで運ばれる」時系列を持つ料理であること、そして「食べられない飾りなどを排し、余分な物なく食べきることができる」というスタイルは、それまで主流だった一度にたくさんの膳を並べる本膳料理に対して大変画期的な物だったことでしょう。
一方、「会席料理」は、もともと武家の正式な膳立てである本膳料理から派生した物で簡素で実用的に変化を遂げ、江戸時代の料理茶屋で出される事になった、主に酒 を楽しむ宴席の料理です。
先付(前菜)・椀物(吸物)・向付(刺身など)・鉢肴(焼き物)・強肴(煮物)・止肴(酢の物や和え物)・飯や止め椀、香の物・水菓子と言った具合。
概略ではありますが、茶と酒、それぞれルーツや目的が違うのは大変面白いところですね。改めて、それぞれを頂くときに献立だけでない楽しみ方ができるのではないでしょうか。
さて今回は、旬の食材、アジを使った「アジの香味寿司」をご紹介します。
ミョウガや大葉などの香味野菜を混ぜ込んだ、季節を感じる爽やかな味わいです。ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。真夏になると、夏バテで体調を崩す方が見受けられます。
そもそも、夏バテはなぜ起こるのでしょう?
気温の高い環境にいると、人は体温を一定に保つべく相当なエネルギーを消費します。その負担が大きくなると、体にこもった熱を排出できず、疲労を感じ、胃腸の働きが悪くなります。
この状態が続くことを「夏バテ」と言います
以前にもお伝えしましたが、韓国では暑いときに熱い物を食べて体調のバランスを維持します。
「以熱治熱(イヨルチヨル)」と言って、熱を以て熱を治めると言う考え方ですね
日本では丑の日にうなぎを食べるように、韓国では三伏(サムブク)には参鶏湯(サムゲタン)を食べる習慣があります。
参鶏湯は、漢方と丸鶏をじっくり煮込んだスープです。当然ながら、夏バテ防止に漢方は有効ですが、メイン食材である鶏肉にも薬効があります。
鶏肉は体を温める性質を持ち合わせます。
特に胃腸が冷えて十分に機能していない場合は、その機能を回復させます。
さらに、落ちていた気力や不足していた血液を補うので、疲労回復にも効果を発揮。鶏肉は他の動物性タンパク質よりも消化しやすいのも特長です。
また女性にとって嬉しいのは、シワを防止し、肌に艶を出すコラーゲンが鶏肉に含まれていること。特に、手羽や皮の部分に多く含まれています。鶏肉をまるごと食べることで、健康と美容の両面にメリットがあります
コラーゲンはビタミンCと一緒に摂取しないと、十分に働きません。
このため、参鶏湯とダイコンや白菜のキムチをセットで摂ることが多いです。
ちょっと体力が落ちそうだなと感じたら、食事に鶏肉を取り入れてみて下さいね。
それでは、本日の一品! 「鶏の冷製スープ」です。
鶏肉は温性のため、冷たい料理に仕上げても、完全に体を冷やすことはありません。
レシピには入っていませんが、素麺を入れるのもおすすめです
こんにちは!
料理家の ひろろ こと 竹内ひろみです。
梅雨時ってなんとなく疲労感があったり、頭痛がしたり、とにかく身体がズッシリと重い感じがしませんか?
この時期は普段より多い湿気が「湿邪(しつじゃ)」となって、身体にマイナスな影響を及ぼします 。
湿邪は体内停滞する性質があり、そのために水分代謝が悪くなり、ズッシリ感が出てしまうのです
このなんとなくだるい感じを回復させる方法のひとつが「食事」です 。
適度にカリウムを含み、水分代謝の動きを助けてくれるグリーンアスパラガスやそら豆、えんどう豆などを摂るといいですね。
またショウガや大葉(しそ)など身体の熱や湿気を発散させてくれる働きのある香味野菜もおすすめです
ショウガや大葉(しそ)は切ってから適度に水とお砂糖を入れて、煮てシロップにしておくと、炭酸水で割ったり、水で割ったりとドリンクとしておいしく頂けるので、この時期、我が家の冷蔵庫にはどちらかのシロップが常備されています。
そして、この時期おすすめのお助け食材が「梅干し」です。
以前、このブログでも梅干しのパワーについてはお伝えしているのですが、やはり梅雨のときこそ、代謝を促して身体をしゃきっとさせてくれるクエン酸を含む梅干しは食べたい食材ですね
「梅干し」その物の酸味が強すぎて食べづらい場合は、番茶に入れて梅番茶にしたり、きざんでご飯に加えてライスサラダ風にアレンジしたりすると摂りやすくなりますよ
さて、今回は水分代謝を助けてくれるアスパラガスを使ったレシピ「アスパラと豆のコロッケ」をご紹介します。
おいしい料理で梅雨シーズンを乗り切りましょう!
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
毎年、新しく流行の食材や調味料が登場しますが、今年は『塩レモン
』 が流行の兆しをみせています。
そこで今回は、塩レモンについてご紹介します。
『塩レモン』とは、レモンを塩漬けにして発酵させた物で、モロッコではなじみのある定番調味料です。
主張しすぎない、丸みのある爽やかな酸味と塩気が特徴で、野菜やお肉と相性が良く「魔法の調味料」とも称されています。
材料はレモンと塩ですが、レモンは皮ごと使うため国産の無農薬栽培の物がおすすめです。
国産レモンの旬は冬ですが、広島などハウスレモン栽培が盛んな産地の物は、1年を通して手に入れることができます。
塩は、塩化ナトリウムが主原料の「食塩」ではなくミネラルが豊富な「並塩(粗塩)」を使いましょう。作り方のコツは、常にレモンがレモンの水分、もしくは塩に覆われている状態を保つことです。
煮沸消毒した保存ビンに、レモンと塩を入れてなじませたら、2日ごとにビンを上下に振って塩とレモンをよくなじませましょう。
2週間を超える頃から、なんとなくレモンがトロッとした感じに変わってきます。
3ヵ月程度保存可能ですが、気温が高い季節は冷蔵庫で保存しましょう。
今回私は、レモンを全部7mm厚さにスライスして仕込んでみました。こうすることで塩が少なめで済みますし、食べ頃になるのも早いかな〜と思ったからです
皆さんも、基本の作り方を参考に我が家オリジナルの『塩レモン』を作ってみて下さいね
さて、今回のレシピは『鶏肉と塩レモンの冷製パスタ』をご紹介します。
蒸し暑い季節においしい爽やかな冷製パスタです ぜひお試し下さい