2013年6月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
日本には季節を表す美しい言葉が数多くあります。
雑節(季節の変わる様子を示す特別な暦日)の「入梅」もそのひとつ。梅雨の始まり を告げるこの呼び名は、梅の実が熟してくる頃であることが由来とされます。
その定義は様々ですが、芒種の後の最初の壬の日がその日に当たるとされるのが一般的で、6月11日頃を指します。
ちなみに芒種(ぼうしゅ)とは、二十四節気のひとつで、稲や麦など穂の実る植物の種を蒔く頃という意味です
豊かな実りを予感させる、とてもステキな言葉ですね
さて、季節の名前になる程私たちになじみ深い梅
バラ科サクラ属の落葉高木で、春告草という別名を持つように可憐な花を咲かせて初春の到来を知らせてくれます。
今は青々とした実を付けはじめ、熟れるにしたがって黄色くなります。
食用としての梅の歴史はとても古く、もともとが観賞用でなく薬用と調理用に輸入された背景があります。
平安時代には解熱剤や消炎剤、整腸剤など幅広く薬用とされ、梅の実から作る梅酢がごく一般的な調味料として使われていたことが当時の医学書や有職故実にも記されています。 未熟な青梅の種子は毒性があることが分かっているので、生でかじりつくのは避けて下さいね。
(梅酒や梅干しなどに漬けた場合は、アルコールや塩分などで酵素が不活性化しているので問題ないそうです)
普段何気なく使っている季節の言葉には、日本人の暮らしの知恵がひそんでいます。
それをちょっと知るだけで、改めて季節を楽しむことができますね
さて今回は、そんな入梅におススメの1品。
イワシをお酢で煮たさっぱりお総菜「イワシの酢煮」をご紹介します。
体を元気にしてくれるお酢の効果で骨までやわらかく煮るので、
丸ごと食べられて栄養満点
ぜひお試し下さい。
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
屋台料理として大人気の甘辛い「トッポッキ」 。
日本でも名前が浸透し、大人気の韓国料理となりました。
近年では、カルボナーラトッポッキもお目見えし、アレンジの幅も広がっています
トッポッキは餅炒めのことを指しています。
餅は昔から年末に作る風習があり、また供え物にするなど、お祝いや祭事の食べ物だったようです。時代を経て、餅炒めのトッポッキは朝鮮時代に生まれました。
とは言え、餅は高級品だったため、庶民の口に入ることはなく王様の食卓に並びます
トッポッキは宮廷料理だったんですね。
当時の味付けは唐辛子やコチュジャンを使わず、しょうゆベース。
朝鮮時代の後期に入ると辛い物が増えてきましたが、王様の食事は基本的に薄味だったのです。
現在の辛い味へと変化したのは、1950年代。
トッポッキタウンとして有名なソウルの新堂洞(シンダムドン)で、間食トッポッキが登場。
考案者はリアカーを引いて売り歩いたそうです。
また、元祖のトッポッキはジャージャー麺のソースとコチュジャンを合わせた物。
この味が庶民の間で人気となり、韓国の間食として定番の一品になりました。
トッポッキは、真夏にヒーヒー言いながら汗をかきつつ食べるのが醍醐味だと、個人的には思っています
熱い季節に汗をかいて健康管理するのが韓国スタイルですから、みなさまもぜひお試し下さい。
以前、宮中トッポッキの作り方はお伝えしましたよね?
そこで今日は、定番「トッポッキ」のレシピをご紹介致します
こんにちは!
料理研究家のひろろ こと 竹内ひろみです。
乾物類と聞くとどんな物を思い浮かべますか?
高野豆腐、切り干し大根、麸、乾燥ひじきに海苔・・・・干し椎茸
売っているお店にもよりますが、けっこう種類ってありますよね。
我が家でも常時、すぐ使えるよう、数種類をストックしております
6月は季節柄どうしても食品の保存が気になる季節。
そんな時期にぴったりなのが保存が効く、乾物類。
乾物類って実は干すことで太陽の恵みをたくさん受けているので、ビタミンやミネラルなど身体に必要な微量栄養素がたくさん詰まっているのです
例えば、干し椎茸。
椎茸に含まれるエルゴステリンという成分は、日光にあたるとビタミンDに変化するため、生の物より含有量が多いのです
ビタミンDにはカルシウムの吸収率を高める働きがあり、身体には欠かせない栄養素ですね!
また、自然な甘味のおいしい切り干し大根。
こちらも日に干すことで甘味がアップすると共にビタミンDが合成され、食物繊維やミネラルなどが生の物よりUP
するんですよ。
暑い夏にむけて体調を整えておきたいこの時期、身体の調子を整えてくれる栄養素が豊富な乾物類。
食卓に上がる機会が多いといいですね
そんな乾物。
料理というとどうしても和食が思い浮かびがちですが 、
高野豆腐をラタトウユ風にトマト煮にしたり、切り干し大根をオリーブ油でマリネにしたりと、実は和食以外のアレンジも効く、応用範囲の広い食材なんです
ちょっと目先を変えて、お料理をしてみるのもいいですね
保存が効く乾物類とは言え、封をあけてしまったものは、できるだけ早く使うことをおすすめします。
心配な場合は冷蔵庫保存もおすすめですよ
さて、本日ご紹介するレシピは乾物類から高野豆腐をピックアップ。
普段は煮て頂くことが多い、高野豆腐。
今回はサンドイッチの具にしてもおいしい「高野豆腐のパン粉揚げ」をご紹介します。
こんにちは!
料理家の吉田由子です。
気温と湿度が高い梅雨の時期は、細菌性食中毒の発生件数が多くなります。
1年のうちで、6月から10月は食中毒発生件数の7割を占めるとも言われています。
気温が高くなり、食べ物が傷みやすくなる夏場のお弁当は、特に気を付ける必要がありますね。
さて、お弁当で食中毒の予防と言えば・・・
真っ先に『梅干し』が浮かびませんか
『梅干し』には、ベンズアルデヒトという殺菌・防腐効果のある成分が含まれており、細菌の繁殖を防ぐ効果があります。
また、『梅干し』にはクエン酸が豊富に含まれています。
クエン酸は胃の粘膜を強くし、胃酸の分泌を促す効果があるため、食べることにより体内で食中毒を予防してくれる効果も期待できます。
ただし、『梅干し』を食中毒予防に効果的に使うには、いくつかポイントがあります。
お弁当箱の中にポンとひとつ梅干しを入れるだけでは、静菌作用が期待できるのは、梅干しが触れているごく一部分のみで、ほとんど効果はありません。
ご飯を炊くときに梅干しを入れて炊いたり、細かく刻んで炊きたてのご飯に混ぜ込んだりすると、ご飯全体に『梅干し』の静菌作用が期待できます。
ただ、最近は昔ながらの梅干しよりも、調味液に漬けた減塩の物やはちみつ梅干しが主流になっています。
昔の梅干しは、塩分が18%以上あり、室温で長期間保存が可能でした。
最近の梅干しは、塩分が5%程度の物もあり、室温に置いておくと梅干しそのものにカビが生えてしまうこともあるようです。
食中毒予防の効果を期待するなら、塩分13%以上の梅干しを使いましょう
本日は、そんな梅干を使った「レンジ蒸し鶏の梅マヨネーズ和え」のレシピをご紹介します。