2019年12月の記事
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国ドラマで葬儀の場面を観ると、弔問客に「ユッケジャン(牛肉の辛味スープ)」が必ず振る舞われます。

私は参列した経験がありませんが、ユッケジャンが弔問客への料理として一般的になったのは、それほど昔のことではないそうです。
朝鮮時代のお葬式にあたる治葬(チジャン)は、学者においては1〜3ヵ月、庶民でも3〜9日間行なわれ、弔問客は喪中の家に集まって花札をしながら夜を過ごしていたので、家人は酒や肉などの夜食を提供していました

また、階級が高くなるほど葬儀の日程が長くなり、もてなす酒や肉の量が増えるため、何十頭もの牛や豚が必要になったのです

ちなみに、この時代の料理は、豚肉のスープやゆでた牛肉で、唐辛子はそれほど浸透していませんでした。

牛の塊肉をじっくり煮込み、手で割いたあと、長ネギ、もやし、ワラビやイモがらなどの山菜と一緒に合わせて味付けした料理です。
現代では夏の保養食として日本のうなぎ感覚で食べる物は、参鶏湯(サムゲタン)ですが、参鶏湯が浸透する前はユッケジャンでした。





韓国で赤い料理は食欲をそそるだけでなく、深い意味があるのですね。
ただ、地域によっては特産物を使った料理が葬儀場で用意されることが多いようです。
さて、本日のレシピは、牛肉と野菜からの旨みが感じられる一品、「ユッケジャン風鍋」をご紹介致します

本来のユッケジャンは、ブロック肉をじっくり煮込んで作るので時間がかかりますが、今回は牛小間とコチュジャンを使って、手軽に作れるようにしました。
冬の鍋料理としてレパートリーに入れてみてはどうでしょうか?
体が温まりますよ


こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
10月から消費税の増税が始まり、お菓子などの容量がいつの間にか減っている「ステルス値上げ」という造語が用いられるなど、増税や値上げがボディーブローのようにじわじわと家計にダメージを与えています
そこで、今回のブログは、1年中お安く手に入る「おから」に着目し、栄養価や料理法、保存方法などをご紹介します。
まず、おからがどうやってできるかご存じでしょうか?
おからは豆腐を作るときにできる副産物で、大豆をゆでて絞ったあとに残る物からできています
ちなみに、豆乳に「にがり」を加えて固めた物がおなじみの豆腐です。おからには大きく分けて3種類あります。
生おから
豆乳を絞ったあとに残る搾りかすのことで、最も一般的なおから。
できたて特有の風味が特徴です。
また、水分が多く日持ちしないため、購入後は早めに食べるか、冷凍保存すると良いでしょう。乾燥おから
生おからを日持ちするように加工した物。
水で戻して、生おからと同じように使うことができます。
生おからを買って、自宅で炒って乾燥おからを作るのも良いですね。おからパウダー
最近注目されていて、「おから粉」とも呼ばれています。
乾燥したおからをパウダー状に細かくした物で、ケーキやクッキーなどのお菓子にも使いやすいと人気です。
長期保存が可能で、物によっては半年以上も保存できます。
いつものサラダや味噌汁にかけるだけで、手軽にバランスアップできますよ
乾燥おからと同様に、水で戻して使えば、かさ増し献立にもぴったりおからに含まれる様々な栄養素をご紹介します。
まず注目したいのは、摂取不足が深刻な「食物繊維」。
おからには、水に溶けない不要性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の両方が含まれています
そして、大豆由来の「たんぱく質」。
豆腐や納豆などの大豆製品と同様に、おからは貴重なたんぱく質源になり、他にも、ビタミンEやカルシウム、カリウム、マグネシウムなどが含まれています。最後に、定番のレシピからアレンジレシピまで、オススメのレシピをご紹介します。
まず定番の煮物は、卯の花とも呼ばれていますね。
食卓に上がる頻度が高いサラダにもよく合うので、おからパウダーをサラダに振りかけたり、生おからをポテトサラダに使ったりするのもオススメです。
また、子供に人気のコロッケやハンバーグ、ドーナツ、パンケーキ、クッキーなどにも使えるので、不足しがちな栄養素を補うことができます
お好み焼き、ニョッキなど、意外な料理にも合いますよ
さて、今回のレシピは、おからを使ったボリュームのある一品、「おからとキムチの炒り煮」をご紹介致します
皆さんも、ぜひお試し下さい
こんにちは!
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
巷にあふれる豆腐クリームのレシピ!
お菓子にホワイトソース、マヨネーズなど
その用途は様々で、普通に食べるだけでない楽しみ方が提案されているのを見ると、本当に豆腐って面白いなと思います。
さて、そんななか、いかにしておいしいスイーツ用の豆腐クリームを作るかは、私にとって大きな課題のひとつです
そこで今回は、「溶かしたチョコレートと混ぜるクリーム」を紹介したいと思います。
豆腐クリームはいろんなタイプがあります。甘味料を足してよく混ぜ合わせて作る、シンプルなタイプの豆腐クリーム。
これは、豆腐の味がしっかりと残るので、甘みが強めの豆腐を選ぶのがオススメです。
ちなみに甘味料は、砂糖やはちみつ、メープルシロップなど、なんでも可。また、バターを加えてカスタードっぽい仕上がりにすることもできます。
これは、私のお気に入りのレシピで、フルーツを添えて、「トライフル」にすると絶品になりますよ
絹ごし豆腐だとあっさりめ、木綿豆腐だとこってりめに仕上がるので、お好みに合わせて豆腐を選んで下さい。そして、最近チャレンジしたのが、溶かしたチョコレートと混ぜるタイプ。
これが大当たりで、チョコレートのコクと豆腐の滑らかさが良い具合にマッチするのです
くちどけ感を大事にしたいので、「やわらかい豆腐」と謳っているケース入りの充填豆腐を使用し、これを電子レンジで温め、溶かしたチョコレートと混ぜます。
ただし、混ぜ合わせただけだとクリームの仕上がりが緩いので、溶かした粉寒天を少々足しましょう
ケーキのデコレーションにも使えますよ
今回は、生おからを活用したカップケーキの上にデコレーションして、「豆腐クリームのカップケーキ」にしてみました
他にも、いろいろと使えるクリームですので、ぜひお試し頂けたらと思います
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
先日行なった料理講習会のテーマは「減塩食」。
参加者の方からは、「素材の旨みが出ていておいしい!」、「ちょっと薄い」、「いつもの自分の料理はもっと塩気が強いが、これもおいしい」など、様々な声があがりました。

高血圧などの原因は食塩と考えられがちですが、正確には食塩の主な構成要素の「ナトリウム」と言う物質です。
食塩は塩化ナトリウム(NaCl)とほぼ同じ物で、食塩の約40%がナトリウム量に相当します。
ナトリウムは細胞の外側に存在し、細胞内外のミネラルのバランスを保つために不可欠な元素ですが、摂りすぎてしまうと血圧を上げてしまうと考えられています

普段、塩分量を意識して食事をすることはあまりないかとは思うのですが、塩分の過剰摂取につながってしまう食事は、外食や中食

そこで、減塩するためにいちばんオススメしたい方法は、「新鮮な食品を選び」、「自分で調理する」ことです

新鮮な食材(野菜類、海藻類、果物類)には、ナトリウムの排出を促すカリウムも多く含まれているので、余分な塩分を排出する働きをしてくれます。
また、調味料もナトリウム以外のミネラルが含まれている塩を選ぶなど、自分の目で食品を選ぶ機会をできるだけ多くすると良いですよ。
自分で調理すれば、加える食塩の量も目で確認できるので、一石二鳥ですね


素材の味を引出す調理方法。
炒め物など、最後に塩をふるのではなく、最初にひとつまみの塩をふっておくと、できあがりの味がぐっと深くなります。
素材の旨みが感じられると、塩気が強くなくてもおいしく味わうことができますよ。
また、ゴマ、ショウガなど香りがある食材、またはカレー粉、ドライハーブなどの香辛料、レモン、かぼすなどの酸味がある食材などを少し添えるようにすると、料理の味気なさがなくなり、おいしく頂くことができます。
食卓に塩、しょうゆを置く代わりに、上記のような添え食材をおいて、自分好みの味に仕上げてお料理を味わってみるのも良いですね。
さて、本日のレシピは、お酒のおつまみにもぴったりの一品、「サモサ」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい

