2020年3月の記事
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です

今年は、地域によって開始時期や終了時期に差はあるものの、3月初旬から幼稚園、小学校、中学校等の一斉休校が行なわれています。
そのまま春休みに入る学校も多く、思いがけず長期のお休みになってしまいそうですね。
保護者の方がお仕事に行かれている間、留守番をしているお子様が、冷凍食品やお弁当、作り置きのおかずなどを、電子レンジで加熱して食べる機会も増えるのではないでしょうか。
電子レンジは、「温める」、「ゆでる」、「蒸す」、「煮る」などの様々な調理を手軽にしてくれるだけではなく、「食材の旨み」も引き出してくれるという利点もあります。
しかし、使い方を間違えると、火災や爆発と言った大きな事故を起こす可能性もあるのです

そこで、今回は、電子レンジをより安全かつ、便利に使うための基礎知識をご紹介します。

電子レンジは、電磁波で加熱する調理器具。
特徴は、以下の3つです。
■ 電磁波は金属にあたると跳ね返る
■ 水分のない物は通過する
■ 水分に吸収され、時間が経つと消滅する
この性質が活かされ、庫内の電磁波は食品の水分に当たり、1秒間に24億5,000万回というスピードで水分を振動させ、食品を加熱するのです。





留守番中のお子様に危険が及ばないためにも、電子レンジを使用する際は、必ず容器が耐熱性の物かどうかを確認しておきましょう。

電子レンジを使うとき、時間や温度を感知して、自動で温めてくれるオート機能が便利ですが、「500Wの場合は約3分、600Wの場合は約2分20秒」のように、「ワット数」や「加熱時間」を指定して調理する場合もあります。
500〜800Wはガスコンロの「強火」に相当します。
調理済みの料理や、料理の下ごしらえなど、様々な用途に使うことのできる電子レンジの基本の「ワット数」。
100〜400Wは、ガスコンロの「弱火〜中火」に相当します。
煮物の調理や解凍、吹きこぼれが心配なときに設定します。
「ワット数」の違いを理解するとより安全に調理をすることができますよ。

イモ類やドライフルーツは、水分が少なく、そのまま加熱すると焦げてしまうことがあるため、水に浸けて食材を濡らしてから電子レンジで加熱するようにしましょう。
また、卵、レバー、イカ、ソーセージ、たらこ、トマト、ブドウなどは、そのまま加熱すると爆発してしまうことがあるので要注意です。
電子レンジで加熱する場合は、殻や皮をむいたり、竹串などで穴を開けるなどして、蒸気が食材のなかにこもらないようにしてから、加熱するようにしましょう。
今回ご紹介している「サバ缶とトマトのレンジピラフ」は、包丁いらず!
電子レンジを使って作れるので、お子様にも簡単に作れるピラフです。
ぜひお試し下さい


こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです

食材には、臭いがきつかったり、味にえぐみがあったりと、食材自体の味が強く、食べづらいことがありますよね。
おいしい料理に仕上げるためには、食材の不要な部分を取り除く、流水で洗う、塩でもみ洗う、牛乳に浸す、下味を付けるなどの「下処理」が欠かせません。



食材に付着している余分な汚れや臭いが落ちます。

浸透圧の関係で、食材内の水を外に出します。
その水には臭みが混じっているので、臭みが取れやすくなります。

牛乳に含まれるコロイド粒子は、表面積が大きく、その表面に臭いが吸着するため、臭い消しの作用になります。

香辛料や調味料は、臭い消しと同時に食材に味を付ける作用があるので、臭いを感じにくくします。

例えば、レバーは流水、塩洗い、牛乳に浸ける方法が一般的ですが、鶏レバーの場合は、臭いやえぐみに敏感でなければ、流水、塩洗いだけでも大丈夫です。
タマネギ、ダイコンのように、辛味のある植物性食材の場合は、水さらし、塩もみ洗いが効果的です。
それでも辛味が強い場合は、電子レンジに1分ほどかけましょう。
また、調味料に漬けておいても苦みが取れ、まろやかな味になります。
ちなみにヨーグルトは、牛乳と同じような効果があります。
鶏肉を、ヨーグルトと香辛料に浸けてグリルするタンドリーチキンは、その代表的なお料理ですね。
少しの手間で、できあがった料理の味がぐーんとアップするので、ぜひ、ひと手間を加えてみて下さい

さて、本日のレシピは、下味を付けたレバーをカリッと揚げ、フレッシュな野菜と合わせる一品、「カレー風味レバーのサラダ仕立て」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは。野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
さて、みなさんに質問です。豆腐に旬はあると思いますか?
はい、この答えはYESですね。
豆腐は一年中店頭に並ぶ食材なので、旬の感覚が薄くなりがちですが、大豆の旬=豆腐の旬となります。
そういう訳ですので、国産大豆の旬を知る必要がありますね大豆の旬はいつなのか?
秋から冬にかけて国産大豆は旬を迎えます。
秋に収穫されたあと、乾燥させて余分な水分を飛ばすことで、おなじみのあの丸い大豆の状態になるのです。
こうしてできた新物の大豆で作られた豆腐は、栄養価が豊富で風味も良くなるとのこと。
なじみの豆腐屋さんにこの件について聞いてみたら、同じようなことを言っており、なんでも、「同じ大豆でも、新しい大豆の方がパワーがある!」とのことでした。
つまり、今がちょうどその時期に当たるようですね。
とは言え、豆腐屋さんによって新物大豆が入荷される時期にバラツキがあるので、旬豆腐を食べられる時期を明言できる訳ではありません。
ですが、旬の豆腐は冬から春のはじめくらいに食べられるようです。同じ大豆でも時期が違えば豆腐の味も違うもの
私も大豆から豆腐を作ったとき、同じことを体感したものです。
それは冬のこと。
手に入れたばかりの大豆から豆乳を絞り、豆腐にしたら、甘くてふわふわの仕上がりになって感激しました。
それは本当においしくて、私の手作り豆腐では歴代1位のおいしさだったと言えるほど。
「この感動をもう一度!」 と思い、夏に同じ大豆で作ったところ、甘みがそれほど引き出されなくて、がっかりしたものです。
同じ材料を使っているのにもかかわらず、なぜ味が再現できないのか分かりませんでしたが、そのあと、豆腐屋さんに「大豆が古いと甘みが抜けちゃうよ」と教えられ、そこで初めて大豆の旬と豆腐の味の関係に気付いたのです。大豆の風味を落とさず保存する方法
大豆の鮮度は大事だということが分かったところで、せっかくなので大豆の正しい保存方法もお伝えします。
大豆は、適切に保管しておけば味は落ちにくくなるので、袋にぴっちりと密閉し、野菜室などで冷蔵保存すると良いです
これは、大豆が春に芽を出すサイクルにあるので、気温が高い場所に保管していると、芽を出す準備がはじまってしまうからです
芽を出すには、栄養分(たんぱく質など)が発芽の準備に使われるので、味や鮮度が低下してしまうのです。だから、冷蔵保存なのですね。
ちなみに冷蔵していない大豆の賞味期限は半年ほどと言われています。
また保存するときは、タッパーなどの箱よりも、空気を抜いて密閉できる袋がベスト。これは大豆から水分が蒸発し、乾燥してしまうのを防ぐためです。春にぴったりの豆腐メニュー「豆腐春巻き」
春先のパワーあふれる豆腐で、春らしいメニューを作りたいですよね。
そこで、今回のレシピは、「豆腐春巻き」をご紹介致します
具材は大人向きと子ども向きの「エビと菜の花」と「エビとワカメ」の2種類を作ります。
パリパリの皮のなかに、ソフトな豆腐と甘いエビが閉じ込められていて、新感覚の味を楽しめますよ
ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
ソウルの街を歩いていると、特定のエリアに専門店が軒を連ねています。日本で例えるならば、中華街やコリアンタウン。
ただ、ソウルの場合、ひとつの料理を専門とする店が立ち並ぶ横丁が多く、横丁の地名が付いた韓国料理が有名です。
今回は、ソウルの地名が付いた韓国料理をご紹介致します。

新堂洞(シンダンドン)+餅炒め(トッポッキ)
トッポッキは、餅の他に、野菜や牛肉がたっぷりと入り、しょうゆで味付けした炒め物で、甘辛い味の屋台料理として浸透していますが、もともとは朝鮮時代の高級な宮廷料理です。
1953年、現在のおやつとして食べられる、「甘辛いトッポッキ」が中華料理店で食べた餅にヒントを得た女性によって、編み出されました
新堂洞(シンダンドン)でリヤカーを引いて販売をはじめたところ、人気が高まり、甘辛いトッポッキを商売にする店が同エリアに集まって、「新堂洞トッポッキ」と呼ばれるようになったのです。
今では、韓国全土に広まり国民食となっている甘辛いトッポッキは、「新堂洞トッポッキ」としてブランドとなりました新林洞(シンリムドン)+腸詰め(スンデ)
スンデは、豚の小腸に春雨、野菜、餅米などを詰めて蒸す料理です。
6世紀の中国の農書「斉民要術」に羊の腸詰めの記述があったことから、中国から北朝鮮に伝わったと考えられます
1809年に刊行された「閨閤叢書(キュンハプチョンソ)」には、豚スンデの作り方が紹介されています。
北朝鮮の郷土料理となったスンデは、朝鮮戦争をきっかけに南側に避難した北部出身者が韓国に広めました。
ちなみに、新林洞スンデが誕生したのは、1970年代にスンデの専門店が集まりはじめたのがきっかけです。
ソウルで一般的なスンデの食べ方は、シンプルに塩を付けてお酒のおつまみにしたり、野菜と一緒に炒めてご飯のおかずにしたり、スープに入れて二日酔い覚ましの朝食として食べられました。楽園(ナゴン)+餅(トック)
観光客に大人気の仁寺洞(インサドン)近くに、楽園洞(ナゴンドン)と言うエリアがあります。古くからある餅屋さんは朝の7時から営業をスタートします。
朝鮮時代の後期に王様の食事を担当していた尚宮(サングン)たちが、1920年代に楽園洞で伝統餅店を開業したあと、尚宮から直接指導を受けた男性が餅屋を開き、その味を認められました。
そのあと、大統領府にも納品するようになり、極々自然な流れでこの街で餅屋を開業する人たちが集まったため、楽園洞で餅が有名になったのです。
現在、昔に比べて餅店の数は減少しましたが、日本のコリアンタウンでも「楽園」と名前を付ける韓国餅屋さんがあるほど有名ですよ。
上記以外には、
■東大門(トンデムン)+鶏一羽鍋(タッカンマリ)
■奨忠洞(チャンチュンドン)+豚足(チョッパル)
■武橋洞(ムギョドン)+タコ炒め(ナクチポックム)
■新沙洞(シンサドン)+ワタリガニのしょうゆ漬け(カンジャンケジャン)
■麻浦(マポ)+豚カルビ(テジカルビ)
などと、ソウルの地名が付いた韓国料理は数多く存在します。
どの料理も比較的どこでも食べられるのですが、地名が付くとプレミア感がありますね
さて、本日のレシピは、楽園餅にちなみ、「黒ゴマ餅(フギムジャトック)」をご紹介致します
本来は蒸し器を使うのですが、今回は簡単にできるように電子レンジを使用しました。
皆さんも、お気軽にお試し下さい
