
韓国の料理店では、メイン料理の前に出される小皿料理のことを、総称して「パンチャン」と言います。
このパンチャンの定番のひとつに「もやしナムル」があります。
もやしナムルは、韓国では大豆もやしを使うのが主流ですが、日本では緑豆もやしのナムルを目にする機会が多いのではないでしょうか。
日本ではもやしの姿がおなじみの緑豆ですが、韓国ではもやしを発芽



緑豆チヂミは、一晩水に浸けた緑豆を電動の石臼で細かく挽いて生地にし、もやしなどの野菜や肉を入れて、たっぷりの油で揚げるように焼きます。
これを酢じょうゆで食べると、油っぽさがなくなっておいしく頂けます

緑豆チヂミ以外では、丸鶏のお腹に緑豆を詰めてサムゲタンにすることも。
サムゲタンは高麗人参、ニンニク、なつめ、もち米などが入った夏の滋養料理です。
もち米の代わりに緑豆を詰めることで、ぐっと栄養価が高くなります



また体内にたまった余分な水分も排出するため、むくみ防止も期待できます。
身体にこもった熱を冷まし、余分な水分を出してくれるので、これから暑くなる季節にピッタリの食材ですね


緑豆の鉄分はほうれん草の約3倍もあり、貧血で悩んでいる方や、鉄分が不足している方にオススメです。
また食物繊維を豊富に含むため、腸内をデトックスして整え、美肌効果も期待できます

他にも、アルコールを摂取したときに、アルコールの分解を促進してくれるので、二日酔いになりにくくなります。
二日酔いと言えば、韓国では二日酔いを冷ますスープのことを「解腸汁(ヘジャンクク)」と呼び、地方ごとに材料や調理方法が違いますが、牛の骨で出汁を取ったスープに味噌を加え、大豆もやし・大根・白菜・ネギなどを入れて煮た物が代表的で、緑豆を入れたスープも、解腸汁としてよく食されています。
お酒を飲みすぎてしまったときは、緑豆の解腸汁で二日酔いが防げるかもしれませんね

普段の食生活では緑豆もやし、緑豆春雨を料理に利用することが多いと思いますが、たまには気分を変えて、緑豆を活用してみてはいかがでしょうか

さて今回は、緑豆を使ったレシピ、「緑豆チヂミ」をご紹介します。

皮むきの緑豆を使えば調理しやすく、手軽に韓国本場のチヂミを味わえますよ

焼きたてのチヂミの味は格別です

ぜひお試し下さいね

こんにちは、料理家の野上優佳子です。
ここ数年、人気が再燃しているカリフラワー。
花甘藍(はなかんらん)とも呼ばれ、キャベツやケール、形がよく似ているブロッコリーも同じアブラナ科の野菜です。
日本でカリフラワーやブロッコリーが食べられるようになったはじめの頃(明治時代)は、カリフラワーの方が身近な野菜として多く流通していました
しかし、健康志向によって緑黄色野菜への関心が高まった1980年代以降、ブロッコリーが注目を浴びるようになり、いつしか流通量も逆転したのです
日本ではカリフラワーとブロッコリーの注目度が逆転する中、ダイエット先進国のアメリカでは、カリフラワーを細かく刻んで加熱した物を「カリフラワーライス」としてご飯の代用食にすることが提案され、スーパーには市販品が出回る程、認知されています。
日本でもカリフラワーは比較的身近な食材のため、健康・ダイエットに良いというキーワードとともに、注目度が急上昇したようです
野菜を糖質(炭水化物)の代用食にするのは、今に始まったことではなく、数年前はズッキーニを細長く切ってパスタ状にした物が流行して話題になりましたね
お米やパスタを野菜に置き換えることで、糖質が抑えられる他、カリウムの摂取量が増えるのが大きな特徴です。
カリウムは人体に欠かせないミネラルのひとつで、高血圧予防やむくみ解消、老廃物の排出を助ける働きがあると言われています
カリフラワーライスの作り方は、とても簡単
フードプロセッサー、もしくは包丁で生のカリフラワーを細かく刻み、オリーブオイルやココナッツオイルで数分炒めて下味を付けるだけ。
もっとヘルシーにしたいなら、オイルを使わずレンジで数分加熱して火を通せばOKです
と言っても、当然お米とは味も食感もまったく違います
お米のような粘り気はなく、とてもさらさらして、クスクスの感覚に近いです。
いくらご飯の代用品と提案されても、お米に慣れ親しんでいる日本人の私たちとしては、お茶碗によそってご飯のように食べるのはなかなか難しいところ。
カリフラワーライスは、リゾットやライスサラダ、グリルした肉や魚の付け合わせにして食べるのがおすすめです
さて今回は、「カリフラワーライス」の作り方をご紹介します。
大きなカリフラワーを買って食べきれない!とお困りのときも、ちょっと加工すればペロリと頂ける食材に変身
たくさん作って、冷凍保存するのにも向いてますよ
ぜひお試し下さいね。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
春は、多くの植物が芽吹く季節
この季節は、様々な種類の山菜が楽しめますよね
しかし、旬の食材が採れるのは、実は山だけではありません。
海で採れる海藻も、春が旬なのです
海藻は、乾物を戻して使うことが多いため、一年中あるイメージが先に立ち、いつが旬なのか知らない方も多いと思いますが、乾物の海藻でおなじみ「ひじき」の旬もまさにこの時期です。
最近は国産のひじきはあまり多くなく、市場全体の10〜15%程と言われています。
旬のこの時期は、採れたばかりの物を蒸し煮加工しただけの「生ひじき」を食べることができます
見かけたら、ぜひ春ならではの味わいをお楽しみ下さいね
ところで、海から採ったばかりのひじきは、黒くないことをご存知でしょうか?
「生ひじき」と呼ばれるひじきでも、何の加工もしないひじきが市場に出回ることはほぼないようです。
生のひじきは赤茶色のような色ですが、とても硬くて渋くてそのまま食べられる物ではないため、加工されています
加工方法は大きく分けて、刈り取られたあとすぐに生の状態の物をゆでたり蒸したりする製法と、一旦乾燥させてから水で戻して加熱処理をする製法があるそうです。
最初にゆでたときは赤茶色から鮮やかな緑色に変わり、さらに数時間加熱処理することで、よく見かける黒色のひじきになるという訳です
ちなみに、ひじきは岩場などに自生していますが、多くの漁場でその採取において「漁業権」が必要です。
漁業権が設定されている場所のひじきを無断で採取すれば、密漁ということになってしまいます!
くれぐれもご注意を
さて今回は、ひじきを使ったふりかけ「ひじきの生ふりかけ梅かつお風味」をご紹介します。
私は、市販されているソフトふりかけが好きで、自分で作れないかと、あれこれ試行錯誤してできたオリジナルレシピです
とても手軽にできるので、ぜひお試し下さいね
こんにちは、料理家の野上優佳子です
この時期にしか味わえない春の山菜が店頭に並んでいます
あれもこれもと目移りしますが、まずはフキノトウを使った甘味噌作りが我が家では毎年の恒例
ご飯のお供や、おにぎりの具、お酒
のつまみにも合うおいしいおかず味噌。
私が生まれた東北地方では、フキノトウを「ばっけ」や「ばんけ」と呼び、この料理は「ばっけ味噌」という名前で親しまれています。
まだ肌寒いながらも春の気配が感じられる初春に、ふと道端などにフキノトウを見つけると、春はそこまで来ているんだなぁと実感します
春の訪れを知らせてくれるばっけ味噌、作り方はとても簡単
フキノトウを刻んで炒め、みりん・砂糖・味噌と一緒に練り上げます。
フキノトウはアクが強いため、フキノトウ独特の風味がお好きな方はそのまま、抑えめにしたい方は下ゆでしたり、水に浸けたりしてアクを抜いてから炒めると良いでしょう
津軽の味噌は米麹を使った米味噌で、色が濃い目で塩分が少し高い中辛味噌。
フキノトウと味噌の割合、味噌の種類、砂糖の加減、そしてアクの抜き加減、それぞれの家庭でお好みの配合があり、ばっけ味噌の味は違います。
たまに道の駅などで市販されている物を買うと、自分が普段作っているばっけ味噌とは味が違って、ちょっと驚くこともあります
ちなみに、この甘辛味のおかず味噌は、フキノトウに限らず、みょうがや大葉、青唐辛子などの薬味野菜がたくさん手に入ったときによく作ります。
一度作ってみて、自分好みの味噌と甘さの加減を知っておくと、ジャムのように様々なバリエーションが楽しめますので、ぜひ試してみて下さい
という訳で、今回は「ばっけ味噌」のレシピをご紹介します
アクの抜き加減、味噌や甘さの加減は、お好みに合わせて調整してみて下さいね
春らなではの味覚をぜひお試し下さい