こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
先日、知人から韓国製の切り干しダイコンを頂いたので、常備菜を作りました
韓国製の切り干しダイコンは、一般的な日本製の物と比べると、縦の長さは短く、横幅が太いのが特徴です。
韓国の方は歯応えのある食感を好むため、切り干しダイコンも太い物が主流で、これをキムチにした物などがよく食べられています
以前、韓国では保存食が発達していることをご紹介しましたが、乾燥させて長く保存できる切り干しダイコンも、よく使われる保存食です。
今回は、切り干しダイコンの栄養とご飯の相性についてお話したいと思います。
切り干しダイコンは、しわしわに乾燥した見た目から栄養が少ないように思われがちですが、その成分を調べてみると、植物性の食材には稀なカルシウムが多く含まれています。
カルシウムは、丈夫な骨や歯を作る重要な栄養素。
中年期以降に摂取量が不足すると、腰痛や骨折が起こりやすくなります。
中でも女性に多い骨粗しょう症は、骨を形成するカルシウムの減少が主な原因です
また血液中に含まれるカルシウムは、精神が異常に興奮するのを抑えたり、傷口からの出血を止めたりする働きがあります。
生のダイコンは、100g中90g以上が水分で、カルシウムの含有量は30mg程ですが、乾燥させて切り干しダイコンにすると、カルシウムの含有量は470mgとなんと約15倍も増えるのです
その他にも、乾燥させることによって増える栄養成分がたくさんあります。
たんぱく質:0.8g → 9.4g
鉄分:0.3mg → 9.5mg
カリウム:240mg → 2,500mg
ビタミンB1:0.03mg → 0.32mg
ビタミンB2:0.02mg → 0.2mg
ナイアシン:0.3mg → 4.5mg
ビタミンC:15mg → 20mg
(参考文献:ユ・テジュン博士の飲食相性/アカデミーブック)
これだけ多くの栄養が摂れる切り干しダイコンは、糖質が主成分のご飯と組み合わせると栄養のバランスが取れるため、一緒に炊き込んだら、他におかずを用意しなくても良いくらいですね
歯応えのある切り干しダイコンが入ることで、やわらかいご飯だけを食べるより、咀嚼(そしゃく)回数が増えることも健康に良いポイントと言えるでしょう
韓国では、切り干しダイコンをキムチや和え物などの常備菜にすることが多く、たくさん作って冷蔵庫に入れておき、いつでも食べられるおかずとして人気があります
もし機会がありましたら、韓国製の切り干しダイコンを一度試してみて下さい。
日本製の物とは食感が違い、切り干しダイコンの新しいおいしさを発見できますよ
さて今回は、「切り干しダイコンと豚肉のスープ」をご紹介します。
韓国南東部の釜山(プサン)の郷土料理に豚肉クッパがあり、季節によって生のダイコンを一緒に煮込んだり、切り干しダイコンを入れたりします。
本来は骨からじっくりスープを取る料理ですが、家庭では難しいので、手軽に作れるよう旨味の出る豚バラ肉を使います。
お好みでスープとご飯を合わせてクッパにするのもおすすめです
作ってみて下さいね
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
昨年の11月、韓国の南西に位置する全羅南道(チョルラナムド)長城郡(チャンソングン)にある白羊寺(ペギャンサ)を訪れました。
ここは韓国有数の紅葉の名所で、大勢の見物客で賑わっていました。
紅葉も素晴らしい中、背の高い木々を見上げると、そこにはおいしそうな秋の実り。
丸々とした柿がたわわに実っていて、童心に返り木登りしたい衝動に駆られる程でしたよ
韓国も日本と同様に、秋に実る柿をよく食べます
柿の有名な産地は、韓国の東南部にある慶尚北道(キョンサンプクト)の清道(チョンド)。
ここ数年、韓国では種なしの柿が人気で、韓国内で唯一種なし柿を栽培しているのが清道です。
清道産の柿は、少し平たい形をしていることから「盤柿(バンシ)」と呼ばれ、果肉がやわらかく、糖度が高いのが特長です
柿の食べ方は、日本とそれ程変わりません。
とろとろになるまで熟した物「熟柿(ホンシ)」をそのまま食べたり、丸ごと干し柿に加工した物を食べたりします。
また、種なしの盤柿をスライスして作る干し柿もよく食べられています。
丸ごとの物よりも乾燥させる時間が短いため、しっとりとしていて、大きさも食べやすく、小腹が空いたとき手軽につまむおやつにうってつけです
日本で干し柿というとそのまま食べるのが一般的ですが、韓国には干し柿を使った伝統的なデザートがあります。
干し柿を縦に切り開き、開いた面にクルミを載せ、のり巻きのように端から巻いた物を輪切りにする、干し柿のクルミ巻き。
干し柿の上品な甘さとやわらかさの中に、香ばしいクルミのカリッとした食感があとを引きます
その他にも、ショウガとシナモンを煮込んで冷やしたスープに、干し柿を入れるスジョンガという飲み物があります。
スパイシーな香りのスープと、浸してやわらかくなった干し柿をすくって頂きます。
一度味わうとクセになるおいしさです
思い起こしてみると、韓国では日本よりも干し柿を食べる機会が多い印象です。
それを印象付けているのが、干し柿が一年中手に入ること
時季外れでも、スーパーに行くと、冷凍された状態で売っているのをよく見かけます。
日本にも冷凍干し柿はありますが、韓国に比べると少ないです。
もし韓国へ旅行する機会がありましたら、現地のスーパーでチェックしてみて下さいね
それでは、本日のレシピ「干し柿ドレッシングのタイサラダ」をご紹介します。
韓国ではドレッシングにフルーツを使うことが多く、甘酸っぱい味わいを楽しみます。
干し柿ドレッシングは色が鮮やかで、サラダに添えるとぱっと食卓が華やかになるので、おもてなし料理にするのもおすすめです
我が家で好評のレシピを、ぜひお試し下さい
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
本年もどうぞよろしくお願い致します!
我が家は年末、なんと家族全員が感染性胃腸炎で寝込む災難に見舞われ、ひとりが治った頃に、またひとりが感染して寝込むことが続き、心配な日々を過ごしました
しかし回復するにつれ、病気と一緒に悪いものをすべて出し切ったようにも感じて、結果的には、とても穏やかに家族皆で過ごすことができた良い年越しでした
ただ、皆お腹の調子が悪かったために、用意したおせちやおもちの売れ行きは今ひとつ
いつもはお豆を3種類(黒豆、金時豆、五目豆)煮るのですが、今回は2種類にし、他の煮物もいつもと比べると少ししか作りませんでした。
おもちも、のしもち1枚を近所の和菓子屋さんから購入したものの、松の内に食べたのは半分……
健康のありがたさを実感する年初めとなりました
我が家のような非常事態ではなくても、お正月に用意したおせちやおもちは、食べ切れずに残ってしまいがちです
特にのしもちは、少量で売っている物が少ないので、お雑煮に入れるくらいでは食べ切れませんよね
のしもちが残ったときは、個包装された切りもちに比べるとカビが生えやすいため、切り分けたらすぐに密封できる保存袋などに入れて冷凍保存しておくと良いでしょう
ストックしたおもちは、あんこもちやきなこもち、磯部巻きなどのおやつにしたり、料理に混ぜ込んで食感を楽しんだり、様々に活用できます
今回はその中のひとつ、おもちをお米と一緒に炊く!「簡単黒豆おこわ」をご紹介。
本来ならもち米で作るおこわのもちもち食感を、おもちを入れることで手軽に楽しめます。
黒豆以外にも、山菜や鶏ゴボウなどお好みの具材で炊き込むのもおすすめです
ぜひ試してみて下さいね
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
先日のソウル滞在中、朝食を求めてふらっと入ったお店は、朝食の時間帯だけスンドゥブ(純豆腐)を中心としたメニューでした。
「スンドゥブ」と言うと、日本では「スンドゥブチゲ」が有名なので、赤くて辛いスープを真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。
しかし「スンドゥブ」は本来「おぼろ豆腐」のことで、赤くて辛いスープは「チゲ」の1種類なのです
そのときのお店にも、もちろん真っ赤なスンドゥブチゲがありましたが、その他にえごまの粉が入った茶褐色のスープや、だしをきかせた白いスープの物もありました。
私が選んだのは白スンドゥブチゲ。
だしのきいたスープにおぼろ豆腐が入ったシンプルな味わいです
一口食べると、スンドゥブからしっかりとした大豆の味を感じ、おいしくて思わずお店の人に尋ねると、毎朝豆腐を手作りしているということでした
偶然入ったお店でおいしい料理に出会うと、感激もひとしおですね
こんなふうに、朝食のメニューとしても一般的な程、豆腐は日本と同様韓国でも日常的に食べられています。
豆腐もスンドゥブ(純豆腐)の「おぼろ豆腐」、ヨントゥブ(軟豆腐)の「絹ごし」、そして「木綿豆腐」と主に3種類。
ちなみに木綿豆腐はスープ用(プドゥロウントゥブ)と焼き物用(タンタナントゥブ)があります。
これらの豆腐を使った料理はどんな物があるのか、韓国ならではの豆腐料理をいくつかご紹介しましょう
スンドゥブ
冒頭でもお伝えしたスンドゥブ(おぼろ豆腐)は、チゲにも使いますが、しょうゆなどのタレをかけた日本の湯豆腐のような食べ方もあります。豆腐キムチ
しっかり水切りをした木綿豆腐に、炒めたキムチを乗せて頂きます。
キムチは加熱によって酸味が旨味に変わり、よりおいしくなるのです。
ごはんのおかずにも良いですし、お酒のおつまみにもなります豆腐チヂミ
豆腐を食べやすい大きさに切り、小麦粉と溶き卵をまぶして油で焼きます。
酢じょうゆを添えるのが一般的ですが、和風のゆずこしょうで頂くのもオススメです。豆腐寄せ鍋
スープや鍋に豆腐はよく使われますが、これは豆腐がメイン食材の寄せ鍋です
宮廷料理のひとつで、焼いた木綿豆腐でひき肉ダネをサンドイッチのように挟み、野菜などと一緒に鍋にします。餃子
豆腐がメインではありませんが、韓国では餃子の具に木綿豆腐をよく入れます。
その分お肉の量を減らしてヘルシーになり、ふわっとした食感に変わっておいしいです。
こうして見ると、豆腐という共通の食材でも、日本の豆腐と韓国の豆腐はやはり何か違うようです。
豆腐の使い方も色々あり、簡単に試せそうな料理もありますので、気になった方はぜひ試してみて下さいね
本日ご紹介するレシピは、宮廷料理を身近な食材で作れるようアレンジした「蒸し豆腐」です。
水切りした豆腐を崩して、鶏ひき肉と混ぜ合わせたあとに、成形して蒸し上げます。
ひと手間かかる料理ですが、旨味が加わった豆腐の新食感を楽しめますよ
時間に余裕があるときに、作ってみて下さい