2015年8月の記事
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
私事ですが、今年の4月からとある大学で助手のお仕事をさせて頂いています。
世代の違う同僚とのお仕事は、とても刺激があり楽しく過ごしています
先日ですが、大学での仕事で食品学の実験の助手を務めました。
実験のテーマは「ヨウ素デンプン反応」という、様々なデンプンにヨウ素を加え、紫色に変色したものを顕微鏡で観察するという内容のものでした。
小学校の理科の授業などで経験された方も多いのではないでしょうか。
今回の実験では、試料にジャガイモデンプン、さつまいもデンプン、白玉粉、上新粉などが用意されていました。
実験の最中、講師の先生が何気なく「ジャガイモデンプンは片栗粉のことよ。」と言ったとき、学生さんがものすごく驚いて歓声を上げたことに私の方がビックリしたのです
そのことから、身近にあっても意外と知られていないのかもと思い、今回は身近な『デンプン』について簡単にご紹介します。
↑こちらは我が家の調味料棚です。
子どもにお手伝いしてもらうことも多いので、ケースはひらがなでラべリングしています。
一見、片栗粉と小麦粉の区別はつきにくいですね……
しかし、この2つはデンプンの形状や性質は異なるため、それぞれの特性を活かし、各々違った場面で利用されています。片栗粉
先程のエピソードにあったように、現在では片栗粉と書かれ売られている物の多くがジャガイモのデンプンです。
別名、馬鈴薯(ばれいしょ)デンプンとも呼ばれます。
昔は「カタクリ」という草花の根茎から作られていましたが、カタクリが減少したことと、馬鈴薯の栽培が盛んになったことで、片栗粉のほとんどが馬鈴薯から作られるようになりました。
お料理のとろみつけたり、かまぼこなどの練り物や、ハム、ソーセージ、お菓子の材料としても利用したりしています。小麦粉
その名の通り小麦のデンプンです。
グルテンの性質によって、薄力粉、中力粉、強力粉と3種類に分類がされます。
お菓子や加工品、お料理などに広く使われており、変わったところでは、繊維用ののりや日本絵画の修復にも利用されています。甘蔗(かんしょ)デンプン
さつまいものデンプンで、わらび餅を作るわらび粉にも甘蔗(かんしょ)デンプンが含まれていることがあります。
その他には春雨やくずきり、ゴマ豆腐などの材料ともなっています。コーンスターチ
とうもろこしのデンプンで、コーングリッツ、コーンフラワー、コーンミールとも呼ばれています。
主に洋菓子に使用されており、カスタードクリームやクッキー、ケーキなどの材料として利用されています。上新粉(じょうしんこ)
普段食べているお米である、うるち米が原料のデンプンです。
ういろうや団子などに使用されますが、同じうるち米を原料とする「米粉」は上新粉より粒子がさらに細かく、小麦粉の代わりに使うことができます。白玉粉(しらたまこ)
もち米が原料のデンプンです。
白玉だんごにしたり、蒸して求肥(ぎゅうひ)やもち菓子に利用されたりしています。
大福も白玉粉を使います。
以上、ざっとですが、普段馴染みのあるものを中心にご紹介しました
また機会があれば、いくつかピックアップして特長などをご紹介できればと思っています。
今回は、『ゆかり白玉のすり流し汁』をご紹介しています。
白玉粉に、しその香りが楽しめるゆかり粉と豆腐を練り込んだ白玉だんごと、旬の冬瓜を使った冷たいすり流し汁です。
ぜひお試しを
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
みなさま、韓国でも餃子がメジャーに食べられていることを、ご存知でしょうか?
ただ、韓国では餃子ではなく饅頭(マンドゥ)と呼ばれており、日本と同じく中国から伝わってきました
一説によると饅頭が韓国に伝わったのは、高麗時代頃だとされています。
もともと高麗は仏教を信仰しており、食肉が禁止されていました。
しかしモンゴルの侵略により食肉が緩和され、饅頭が普及したと言われています。
今から約千年前の高麗時代に「雙和店(サンファジョム)」という民謡があり、「雙和店で雙和を買いに行くと、店主のモンゴル人が手を握ってくる」という歌詞があります。
雙和(サンファ)とは饅頭を指し、モンゴル人は中国のウィグル族のことを指すことから、高麗時代に饅頭が朝鮮半島に伝わったのが分かります
そののち、朝鮮時代の料理書「飲食知味方(ウムシクティミバン)」に、マンドゥグクと言う饅頭を牛肉の出し汁で煮た料理が掲載されます。
この時代の饅頭はそば粉を皮にしており、具はやわらかく茹でた大根や雉のひき肉、粉山椒などでした。
これを真鍮の小さな釜で茹で、食べるときは生姜汁を加えた酢醤油で食べたようです
韓国の饅頭文化は、そばと小麦の栽培が盛んだった朝鮮半島北部を中心に発達しました。
お正月には饅頭を仕込む風習があり、雑煮にも入っていた程に北部ではポピュラーなものとなります。
そしてそののちに、饅頭は南部へも広がっていきました
韓国の調理方法は、中国と同じく水餃子や蒸し餃子の方が主です。
種類も豊富で、野菜と肉を魚で巻いた「魚饅頭」や、皮の代わりに白菜で巻いた「スンチェ饅頭」、四角い皮で包んだ「片水(ピョンス)」、雉を使った「雉餃子」などがあります。
韓国へ行かれた際は、粉食(プンシク)屋さんという粉もの屋さんで餃子を食べられますので、ぜひ食べてみて下さい
日本とは違った味わいが楽しめますよ
さて、本日はキュアサンと言う「夏ぎょうざ」のレシピをご紹介します。
中身をすべて炒めてから包む方法で、夏野菜であるキュウリを具にすることから夏ぎょうざの名前がつきました。
包むときにうろこの形に似せて作っているので、うろこ餃子とも言われています。
この季節にぴったりですので、ぜひお試し下さい。
こんにちは
料理家のひろろこと竹内ひろみです。
パセリやバジルなどのハーブ類ですが、お料理の味にちょっとしたアクセントを添えたり、飾りに使ったりとあると重宝する食材ですよね
我が家の庭にも、所せましといくつかのハーブが植わっています
日本でもずいぶんと馴染みが出てきたハーブ類ですが、その効能の高さから古くより薬草として重宝されていました。
ハーブと言うと、香辛料や生薬など口にするもののイメージが強い方もいるかと思いますが、芳香性もハーブの効用のひとつです。
香りの成分はそれぞれのハーブによって異なり、鎮静作用や食欲増進作用、抗菌作用、消臭作用などカラダに嬉しい作用がたくさんつまっています
ハーブティは香り成分を楽しめるハーブの使い方で、例えばこの時期におすすめなのがミント。
ミントにはメントールという鎮静効果が期待できる成分が含まれているため、疲れているときにミントのハーブティを飲むとリラックスして気分がすっきりします。
またスッとする独特の清涼感で涼しさを感じられたり、食欲不振の改善も期待できるとも言われたりしています
ハーブを上手にお料理に取り入れるコツは、ドライ(乾燥)とフレッシュ(生)を使い分けることです。
タイムのように加熱しても風味が落ちないものは加熱し、バジルのように生のほうが香り成分がたつものはサラダにするなど、ハーブの特長を活かしてお料理に活用すると良いでしょう。
ちなみに、肉の臭み消しに適しているセージは、ソーセージの語源にもなっているぐらいお肉との相性の良いハーブですよ
ハーブですが、一度に使いきれないことってありますよね
お庭から採ってくる場合は多少量が調節できますが、購入した場合なかなかそうはいきません
そんなとき、例えばお料理の飾りとして使うことが多いパセリならば、余ってしまったときはそのままポリ袋に入れて冷凍しましょう
使うときにそのままもみほぐせばパラパラになり、簡単にパセリのみじん切りができるので便利です。
また、バジルはナッツ類とオリーブ油を合わせてペーストにしておき、調味料としてストックしておくととっても便利
たくさん作ったときは小分けにして冷凍しておけば、使いたいときに使えるので良いですね。
ハーブをポットに入れ、お湯を注いで作るハーブティもおすすめです
いくつかのハーブを組み合わせてもおいしいですよ。
家のベランダなどでも栽培できるハーブ。
ちょっと使いたいときに便利なのが家庭菜園です。
ベランダやバルコニーで栽培するだけではなく、小さなポットに植えればキッチンやリビングでも栽培できるのでおすすめです
ただ、地下茎で増えるペパーミントは他のものと一緒に植えないほうが良いようです
また地植えをしてしまうと、生命力が強すぎて増えすぎてしまうものもありますので、よく調べてから植え方を決めると良いでしょう。
それでは今回は「じゃがいものナッツジェノベーゼ和え」をご紹介します。
ナッツジェノベーゼペーストはパスタやピザ以外にも、野菜や肉との相性も良いペーストです。
余った分は冷蔵庫で保存できますので、ぜひトライしてみて下さいね
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
夏休みも後半、皆さんはどんな風にお過ごしですか。
今年の5月1日からイタリアで開催されているミラノ国際博覧会(以下、ミラノ万博)の開催日数が、残り半分となりました。
夏休みを利用して行かれた方も、10月31日の終了に向けて駆け込みで訪れる予定の方もいらっしゃるのではないでしょうか
今回のテーマは「地球に食料を、生命にエネルギーを(Feeding The Planet, Energy For Life/フーディング ザ プラネット エネルギー フォー ライフ)」
食という身近なものゆえ、世界中から注目を集めています。
日本館は5シーン9ゾーンに分かれており、「Harmonious Diversity(ハーモニアス ディバーシティー)-共存する多様性-」をテーマに出店。
日本の食文化や食具・食材などの素晴らしさを伝えると共に、国として食料や農業の課題への解決に対し、どのような動きをし貢献をしているかを伝えている内容となっているそうです。
私もぜひぜひ足を運びたい!と思いながら、なかなか時間が合わずに行けずじまい・・・。
閉幕までには一度、訪れてみたいものです
このミラノ万博の会場では、日本食のフードコートやレストランが展開されているのがあちらこちらで紹介されていますね
レストランは京懐石の美濃吉、フードコートにはカレーハウスCoCo壱番屋、モスバーガー、和牛の柿安本店、和食チェーンのサガミ、すき焼きの人形町今半、寿司の京樽が出店しています。(時期によって、出店する店舗が異なります。)
そして、この万博で大きな話題になったのが、「かつお節」。
日本の食に欠かせぬ「だし」を取る食材ですが、なんと輸入規制の対象になってしまったのです。
とても厳しいEUの衛生基準によれば、かつお節には燻(いぶ)す過程で生成される発ガン物質「ベンゾピレン」が含まれることが理由なのだとか。
日本が特例措置を求め交渉した結果、万博会場内のみでの消費することを条件に輸入が認められたことがニュースになりました
しかし、会場外のレセプションなどで日本産のかつお節を使用するのはNG
そのためミラノ万博以外の場所では、EU圏内であるスペインで製造されているかつお節が使われるとか。
スペインでかつお節が作られているというのは驚きですね!
一度、日本のかつお節との違いを食べ比べてみたいものです
さて今回は「ズッキーニとむきエビのかき揚げ」をご紹介します
イタリア料理のおなじみ食材「ズッキーニ」を、ミラノ万博のフードコートでも大人気の天ぷらにしました。
むきエビと一緒にかき揚げにしたことで、エビのプリプリ感とズッキーニの甘みが楽しめる一品となっています
とてもおいしいので、ぜひお試し下さいね。