2013年11月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
旧暦10月12日は芭蕉忌。
現在の暦ではちょうど今頃は11月の終わりにあたり、この日は俳聖・松尾芭蕉が亡くなった日です。
毎年この頃になると、私はなぜか「とろろ汁」が食べたくなります。
それは芭蕉の「梅わかな まりこの宿の とろろ汁」という句を思い出すからでしょう。
梅若菜と言うのですから、句の季節は初春のことなのでしょうが、私にとっては芭蕉の句の中でも「今の時期」という印象が深い一句です。
子どもの頃、この句に出会ったときに、
「有名な人が詠むぐらいだから、まりこって言うところのとろろ汁はきっととてもおいしいに違いない」と思ったのです。
つまり、日本全国を旅しておいしい物をたくさん食べただろうから、彼の味覚に間違いはないだろう なーんて考えた程、この句は私に強烈な印象を残しました。
もちろん、句にはもっと別のきちんとした意味があるんですけどね
この句に出てくるまりこ(丸子)とは、静岡県静岡市にある東海道鞠子(丸子)宿のことです。
浮世絵師安藤広重の『東海道五十三次』 には、この宿でおいしそうにとろろ汁を食べる 弥次さんと喜多さんが描かれています
現在でも丸子には創業慶長元年(1596年)という老舗のとろろ汁屋があり、自然薯(じねんじょ)を使った伝統の味を楽しむことができます。
ちなみに「とろろ」と一口に言っても、細めの野球バットのような長芋やイチョウ型の大和芋は「ナガイモ」で、自然薯は「ヤマノイモ」と言って別種なのだそうです。
私たちの食生活に馴染み深いのは、長芋ですね。
スーパーなどでは1年中見かけますが、実は今まさに秋掘り の旬を迎えています。
というわけで本日は、旬の長芋を使ったレシピをご紹介します。
優しくて深い味わいの『鶏ひき肉と長芋と卵のスープ』です。
ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
『サムギョプサル』とは、豚バラ肉のことを言います。
日本のコリアンタウンでは、多くのお店がサムギョプサルを一押しメニューにしていますが、本場韓国でもやはり人気の料理です。
牛肉よりも、低価格で焼肉を食べられるのが魅力なんです。
と言うわけで、今日は、サムギョプサルのおいしい食べ方をお伝え致します
肉は店側で焼いてくれることが多いと思いますので、焼き加減は店員さんに任せましょう。
おそらく、豚肉と一緒に白菜キムチ、ニンニクも一緒に焼いてくれると思います。
こちらも、大きなポイントです
サムギョプサルが焼き上がったら、まずはゴマ油と塩だけで召し上がってみて下さい。
ここで、肉自体が持つ旨みやジューシーさが感じられるはずです。
その次は、サンチュを左手にのせ、さらにエゴマの葉を重ねます。
日本の方は一種類の葉野菜でお肉を包みますが、本場では野菜を二種類重ねることが多いです。
そして、肉・白菜キムチ(火を通した物)・ニンニク・サムジャンと言う合わせ味噌をのせて包み、一口でどうぞ。
ネギサラダや青唐辛子もあったら、お好みで加えて下さいね。
複合的な味わいを楽しめるのが、韓国料理の醍醐味
それは、焼肉にも言えるのです。
日本とは異なる焼肉文化。
それぞれに良さがありますね
それでは、本日のレシピをご紹介致します。
ちょっと目先を変えて『サムギョプサル丼』です。
ご家庭で豚バラ肉を焼くときは、キッチンペーパーで脂を吸い取ると、おいしく仕上がりますよ。
こんにちは!
料理家の竹内ひろみです。
朝、夕だんだんと寒くなり、秋から冬を感じる季節となりました
季節が変わるたびに私達は豊かな四季の中で暮らしているんだなと感じます。
そんな季節の温度差と連動するかのように私たちの体調も変化するのですが、この時期は寒い冬へと移行するため、エネルギーを体内にためようとします。
この時期から冬にかけての旬野菜もきゅっとしまっているような根菜類が多いですよね
健康のためにいろいろな食事方法が紹介されていますが、
旬の物をその時期に合わせた調理方法で食べるということがまず基本ではないでしょうか?
ゴボウやレンコン、ニンジンの根菜類などをさっと揚げてから煮るとコクが加わりおいしいですし、植物性タンパク質のくるま麩なども油で焼いたり、揚げたりしてから煮込むと、より深い味に仕上がります
でも、トマトのように旬は夏ですが、一年中見かける物もありますね。
そのまま切って生でサラダなどで頂くことが多いと思うのですが、輪切りにしてさっとソテーしたり、煮込みに使ったりと火を通して頂く方がこの季節の身体には嬉しい食べ方のような気がします。
もちろん、食卓にはバランスも必要なので、全部が全部こってりしている必要はないと思うのですが、身体を冷やしそうな物は、火を通して食べる、旬の物を中心に料理を考える・・・など、ちょっとしたルールがあるといいですね。
さて、本日は『レンコンのしんじょのせステーキ』のレシピをご紹介します。
野菜入りエビのしんじょをレンコンにのせて蒸し焼きにします。
ちょっとしたおもてなしにも最適です
こんにちは!
料理家の吉田由子です。
さて、毎年恒例のボージョレー・ヌーボーの解禁日がやってきました
今年(2013年)は、11月21日です
さて、今回のブログはボージョレー・ヌーボー解禁にちなみまして・・・
赤ワインなどに含まれる注目の成分『ファイト(フィト)ケミカル』についてご紹介します。
ファイト(フィト)ケミカルとは、野菜や果物などの植物が紫外線や害虫などから自分の身を守るために作り出した「香り」「苦味」「色」などの植物由来の化学物質のことを指します。
最近の研究で、植物にはビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素以外にも身体の抗酸化や免疫力アップに効果のある成分が豊富に含まれていることが分かり、炭水化物・たんぱく質・脂肪・ビタミン・ミネラル・食物繊維に続く第7の栄養素として大変注目されています。
例えば、赤ワインの赤い色は、「アントシアニン」と言うファイト(フィト)ケミカルです。
抗酸化作用が強く、アンチエイジング効果が期待できます。
ダイコンの辛みは、イソチオシアネートと言うイオウ化合物に属するファイト(フィト)ケミカルです。
胃腸の解毒酵素を活性化させる働きがあるため、がん予防に効果が期待されています。
他にも、皆さんがCMや健康食品などから見聞きする「カテキン」「タウリン」「リコピン」「イソフラボン」などなど・・・
これらもすべてファイト(フィト)ケミカルの一種です。
現在確認されているファイト(フィト)ケミカルは10000種類以上と言われています。
ファイト(フィト)ケミカルは、サプリメントで同じ成分を大量に摂るよりも、野菜や果物などたくさんの種類の物を組み合わせて摂ることが大切です。
また、ファイト(フィト)ケミカルは薬の効果を弱めたり、過剰反応を引き起こしたりすることもありますので、慢性的な病気をお持ちの方は注意が必要です。
さて、本日は、『ドライフルーツのヨーグルトディップ』をご紹介します。
ファイト(フィト)ケミカルたっぷりのドライフルーツとヨーグルトを使った超簡単レシピです。
ボージョレー・ヌーボーと一緒にぜひお試し下さいね