2013年12月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
寒い季節になると我が家の食卓にも登場する頻度が、ぐんと高くなるメニューがあります。
そのひとつが『グラタン』です。
クリーミーで、様々な野菜との相性も良く、我が家の子どもたちの大好物なメニューですね。
グラタン(gratin)のルーツはフランス料理と言われています。
『フランス料理ハンドブック』(柴田書店) によれば、gratiner(グラティネ)とは
「料理の仕上げに、表面にパン粉やすりおろしたチーズをふりかけ、オーブンやサラマンドルで表面に焼き色を付ける」
という意味です。
※サラマンドルとは・・・扉や両側の壁がなく上火だけのオーブンのような物で、表面に焼き色を付けるために使用する器具のことです。
皆さんは、日本における本格フランス料理 の父とも言われる、横浜のホテル・ニューグランドの初代総料理長サリー・ワイル氏をご存じでしょうか。
ワイル氏は、ドリアの生みの親であるとも言われている人物です。
そのためかホテル・ニューグランドの開業当時のメニューに、ビーフ・ストロガノフやリゾットなどと共に、オニオングラタンや他のグラタン料理が登場していました。
またワイル氏が来日したのは1927年(昭和2年)ですが、
当時のレシピ本を見てみると、翌1928年発行の『家庭料理法大全』(日比書院)には、すでに家庭で実行できる「日支洋折衷料理」なるものが紹介されていてました。
その中には調理法としてのグラタンや、「クワイのグラタン煮」といったメニューがあったようです。
そのまた翌1929年発行『料理相談』(鈴木商店出版部)にも西洋料理の作り方のひとつに
「マカロニのグラタン」が登場します。
この料理本は、鈴木商店が内外料理相談所を設立した際に、そこに寄せられた18,600あまりの質問を、読者からの要望に応じ問答集作成として刊行した本だそうです。
読者の質問にあったということは、グラタンが西洋料理店で食べる物から、少しずつ家で作って食べる物へ浸透していこうとする気配を見てとることができます。
そして現在では、もはや西洋料理ではなく、家庭料理のひとつとして私たちの食生活に定着をしていますね。
さて今回は、冬至も間近ということで『カボチャのミートグラタン』をご紹介します
ホワイトソースでなく、トマトケチャップを使って手軽に作ったミートソースで頂きます。
ぜひお試し下さいね
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
12月22日は冬至。
一年で一番昼が短く、夜の長い一日です。
次の年に移行する日と言うことで、「亜歳(あせ)」とも言います。
冬至は「あずき粥」を作って食べたり、門扉にまいたりして邪気を追い払う習慣があります
あずき粥の中にはもち米をこねた白玉を入れることがあります。
ソウルでは塩で味付けをしますが、地方によっては砂糖やハチミツを入れて甘くします。
そもそも冬至に食べるようになったのは、どのような理由からでしょう
中国から伝わったあずき粥の話にこうあります。
「荊楚(けいそ)歳時記」という6世紀に出た中国の年中行事記によれば、古代神話の神である共工と妻の間に、才知のない息子が生まれました。
しかし、息子が冬至の日に亡くなってしまい、その後、疫病の鬼神になってしまったそうです。
この息子が生前、あずきを怖がっていたことで、冬至にはあずき粥で厄払いすることになりました。
その風習が、現在でも根付いているのですね
もうすぐ冬至です。
今年は韓国風に、あずき粥を食べて厄払いしてはいかがですか?
本来はあずきから炊いて作るのですが・・・
今日は、市販の水煮のあずきで作るレシピ『あずき粥(バッチュク)』をお伝えします。
水煮でも、十分おいしく仕上がりますよ
こんにちは!
料理家の ひろろ こと 竹内ひろみです。
小さなお子さんを持つお母さんにとって、毎日の子供の食事作りは悩みのひとつ、という方が多いようです。
私自身、子供の食に関してはあれこれと試行錯誤の毎日です
特に2、3歳位になると、日によっては、食べてくれるときとそうでないときがあり、振り回されることが多いですよね・・・。
作った料理を全部は食べてくれなくても、その中の一品でも「おいしい」と食べてくれたら嬉しいですし、ホッとします
子供がパクパク食べてくれる料理は理想かもしれませんね。
でも、そんな料理を作るときのちょっとしたポイントは、
食感・食べやすさ・味付け・見た目だと思います。
子供はポテトチップスに代表されるように「カリっとした」食感が好きです
ですから、揚げ物にはなってしまいますが、レンコンチップやサツマイモチップなど野菜類をスライスしてチップスにすると、喜んで食べてくれます
また、パン粉をカリカリに焼いて(チーズをプラスしてもOK)野菜にかけると一緒にパクパク食べてくれます
食べやすさも食欲を作用する要因になります 。
というのも、小さい口には大きな物は食べにくいため、食が進まないということもあります。
フォークで刺して食べられる、スプーンですくって食べられる形状にしてあげるといいですね
自分で食べられた!!という実感。
子供には自信になり、食べず嫌いの克服にもつながります。
また、味付けに関しては、薄めにしなくては・・・と、ついつい薄すぎる味になってしまうのですが、適度な塩味はおいしさを引き出す上で大切です。
ですので、味見をして、自分がおいしい と思える味で仕上げていいと思います。
味噌汁は自然な塩分がおいしいので、子供が好きな汁物ですよね。
そして、子供は見た目にも左右されることがあります
同じ蒸しニンジンでもハートや動物型で抜いてあると食べてくれたりするので、ひと手間ですが、少し見た目を可愛くしてあげると、食べてみよう!と箸を付けてくれますよ
さて、本日のレシピは野菜の苦手なお子様でもおやつ感覚で頂けるカボチャを使ったレシピ『スイートカボチャ』をご紹介致します。
ぜひ、お試し下さい
こんにちは!
料理家の吉田由子です。
もうすぐクリスマスですね
今年はクリスマスケーキを手作りしよう!なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スポンジケーキは市販の物を使い、クリームやフルーツでデコレーションするだけでも楽しいオリジナルケーキができあがりますよね
今回は、そんなケーキ作りに欠かせない『生クリーム』についてご紹介します。
ケーキを作ろうとスーパーの乳製品売り場の棚を見ると、同じような容器が並んでいて、どれを買えばいいのか迷ってしまうことはありませんか? クリームは分かりやすく大まかに分けると次の3種類になります。
生クリーム(純生クリーム) ・・・乳脂肪を18%以上含む物
ホイップクリーム・・・植物性脂肪(主にヤシ油やパーム油)から作られた物
コンパウンドクリーム・・・乳脂肪と植物性油脂を原料にした物
乳脂肪分を主成分にした「生クリーム」は、風味や口どけが良くおすすめですが、分離しやすいという難点があります。
一方、植物性の「ホイップクリーム」は泡立てやすく、安定性があるので泡立てたあとも分離しにくく扱いやすいのが特徴です。
ちなみに、絞り袋に入った状態で販売されているクリームは、主に植物性油脂が原料のホイップクリームです。
迷ったときは参考にして下さいね
泡立てた状態で余ってしまったクリームは、バットなどに一口大ずつ絞って冷凍させておくのがおすすめです。
コーヒーやココアに浮かべるとおいしいですよ
さて本日は、 『ヨーグルトババロア』をご紹介します。
砂糖を使わず、ハチミツで甘みを付けた優しい甘さのデザートです。
リング型やクグロフ型で冷やし固めれば、クリスマスのデザートにぴったり
ぜひお試し下さいね!