2016年6月の記事
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
ヨーグルトの健康効果は様々なメディアで取り上げられており、広く知られていますね
ヨーグルトの主な栄養素と言えば、乳酸菌
「乳酸菌」は体にとって良い働きをする「善玉菌」です。
この菌は、乳糖などの糖類を栄養源にして酸を作り出します。
その酸が腸を刺激し、腸内を活性化させることで腸内環境が整い、様々な健康効果が現れるのです。
ヨーグルトの乳酸菌には様々な種類があり、その種類によって期待できる効能が違います。
例えば、ビフィズス菌には整腸作用、アトピーやアレルギーの症状緩和に、LG21乳酸菌にはピロリ菌の抑制作用に効果があると言われています。
体をケアする目的に沿ってヨーグルトを選べば、より一層効果が期待できますね
ただ、冷たいヨーグルトは体を冷やしたり、お腹がゆるくなったりと人によっては合わない場合もあります。
少し温めて頂くなど、体と相談して食べ方を決めると良いでしょう。
ヨーグルトに限ったことではないのですが、体に良いからといって食べ過ぎは禁物です
適量をおいしく頂きましょう。
そのまま食べてもおいしいヨーグルトですが、ひと工夫するとさらにおいしくなります
ヨーグルトはシンプルな味なので、いろいろ混ぜて味に変化を付けるのがおすすめです。
一押しは、ヨーグルトにドライフルーツを漬けた物です。
ほんのりと甘味が付き、砂糖などを入れなくてもおいしく食べられます。
漬け込むことで表面が固いドライフルーツに水分がしみ込み、しっとりと食べやすくなります。
ドライマンゴーやプルーンなど、果肉が甘いドライフルーツはヨーグルトと相性がバッチリです
また、水切りしたヨーグルトをお料理に活用してもおいしいです。
ヨーグルトを水切りすると、クリームチーズのように濃厚な味わいになります。
できあがりの酸味の強さはヨーグルトの種類によって差が出ますので、お好みのヨーグルトを選ぶのがポイントです
オイルや塩で味付けしてドレッシングにしたり、甘味を加えてデザートにしたり、いろいろ試してみて下さいね
本日は、水切りしたヨーグルトをドレッシングにした「ヨーグルト風味のポテトサラダ」をご紹介します。
マヨネーズの代わりに水切りしたヨーグルトを使用しているので、さっぱりとした味わいです。
急に暑くなって食欲が落ちる今の時期にぴったり
ぜひお試し下さい!
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
みなさま、ポートランドという場所をご存知でしょうか?
全米の住みたい街人気ランキングでトップクラスに入り、また屈指のグルメシティとして名高いオレゴン州の都市です
個人的には、仲の良い友人が現地で食にかかわる仕事をしていることもあり、とても興味がある街でもあります。
また日本からもビジネス目的で視察に訪れる人が年々増え続けているそうで、日本国内からの注目度も高い都市のひとつなのです
先日、そんなポートランドからのゲストを迎えた、街づくりに関するトークセッションが横浜で開催されました
友人がゲストスピーカーだったこともあり足を運んだのですが、非常に興味深い話を聞くことができました
特に印象深かったのが、食と街とのサスティナブル(sustainable/持続可能)な関係性についてです。
食に限らずですが、ポートランドでは下記のような価値観が根付いています。環境に配慮した暮らし方を目指し、マスプロダクト(mass+products/量産品)よりもハンドメイド(handmade/手製)を選び、地域で丁寧に作られた食物を地域で消費する。
むやみに生産量を増やさず、むやみに低価格を求めず、儲け主義に走りすぎない。
ローカル・ファースト(地元第一主義)がしっかりと根付き、生活の一部として生きている。
そこには生産者と消費者(そしてその間を取り持つ商業)が、足並みを揃えないと実現しない町作りがありました。
日本にもポートランドの価値観に似たものがあり、「身土不二(しんどふじ)」といった言葉もあるのです。
これは明治時代の医師であり陸軍軍医だった石塚佐玄氏によって提唱された食養運動のスローガンで、住んでいるその土地、その環境に適している食物(旬の物、郷土の料理)を食べることが心身を健やかにするという考え方です。
また、1980年代の初めには「地産地消(ちさんちしょう)」という言葉も生まれました。
地産地消とは、地域生産・地域消費の略語で、国内の地域で生産された農林水産物(食用に供される物に限る)を、その生産された地域内において消費する取り組みです。(農林水産省ホームページより引用)
元々は農林水産省の、地域内において食生活を向上させる対策事業計画案の中で生まれた言葉だと言われています。
現在では、一般名詞として普及する程になりました。
現在の日本では、地産地消に取り組みたいと思っていても、輸入に頼っている食材があることや、農業生産者が少ない地域があることなどの理由から、実現には多くの困難があり、なかなか行動に移せないのが現状です。
現在のポートランドの姿は、そんな現代の日本が理想として描き続けているものを具現化した、ひとつの理想だとも言えるのではないでしょうか。
そのことが、日本人の多くを惹き付けている所以(ゆえん)なのかも知れませんね。
私たちはどんなふうに自分たちの食を守り、支えて行けば良いのでしょう……。
ポートランドの友人からお土産にもらった、とびきり新鮮なポートランド産のオリーブオイルと、ポートランドの農業を牽引する農場で作られた美しいカリンのジャムに舌鼓を打ちながら、改めてそんなことを考えさせられました
さて今回は、夏野菜をたっぷり頂ける「チキンと夏野菜のオイル煮」をご紹介します。
オイル煮は日持ちするので、作り置きにもおすすめ
そろそろ夏野菜をスーパーで見かける時期ですので、地産地消ということでレシピ内の食材を地元で採れた野菜に変えてもOKです
また冷蔵庫に中途半端に残っている野菜を、あれこれ入れてみても良いですよ
いつもの野菜をごちそうに変えてくれるお料理ですので、ぜひ作ってみて下さいね
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
梅雨時は、雨が降り続いて買い物に出にくくなりがちです。
そんなとき、買い置きができる缶詰は重宝しますね。
某雑誌中のアンケート結果によると、「買い置きしている缶詰ランキング」でダントツの1位は『ツナ缶』だそうです。
スーパーの缶詰コーナーには、『ツナ缶』と一口に言っても実に様々な種類が販売されていると思いませんか?
缶の大小以外にも、オイル漬け、油入り水煮、ノンオイル、さらにはマイルドという物も……。
「マイルド?何がマイルドなの??」と、戸惑ってしまいますよね
そこで今回は、そんな『ツナ缶』についてご紹介します
そもそも『ツナ缶』の原材料は何かご存知でしょうか?
「ツナ(tuna)」とは「マグロ」の英名で文字通りに取るのであれば、ツナ缶とはすなわちマグロの缶詰のことです。
しかし流通している『ツナ缶』には、マグロを使った物とカツオを使った物があり、カツオが原材料となるツナ缶が主流の地域もあるそうです
メーカーによって名称が異なりますが、日本では「マイルド」や「ライト」と記載がある物はカツオを使っている場合が多いようですので、購入する際の目安にすると良いでしょう
『ツナ缶』の中身を形状で分けると3タイプありますブロックタイプ(ソリッドタイプ・ファンシータイプ)
塊の魚肉をほぐさずに形のまま缶詰にした物で、炒め物やサラダ、チャーハン、丼など形を活かした物に最適。チャンクタイプ(Lタイプ)
上記のブロックタイプを料理に使いやすく大きめにほぐした物で、ブロックタイプと同様に形を活かした料理に最適。フレークタイプ
チャンクタイプよりさらに魚肉を細かくほぐして缶詰にした物で、おにぎりやサンドイッチ、スープなどに最適。
また『ツナ缶』を調理方法で分けると、大まかには4タイプが現在主流となっています油漬け
調味液の約半分以上に、大豆油または綿実油(めんじつゆ/ワタの種子を原料とした油脂)などが使用されている物。油入り水煮
調味液のうち、油が半分未満の油ひかえめの物。こちらも一般的には大豆油または綿実油を使用。オイル無添加(ノンオイル)
調味液に油を使用せず、野菜エキスや魚介エキス、塩などで調味した物。食塩・オイル無添加
食塩や油を使わずに加工した物で、野菜エキスなどで調味した物。
その他にも、コーンやチーズをプラスした物や、タイカレー風味の物、ガーリック風味の物、オリーブオイル漬けの物などがあります。
ツナ缶を調理法によって使い分ければ、きっとお料理上手に見えること間違いなしです
身近なのにとても奥が深い『ツナ缶』、ぜひお料理に合わせて使い分けてみて下さいね
それでは今回は、チャンクタイプの『ツナ缶』を使った包丁を使わない簡単レシピ『ツナ玉丼』をご紹介します。
天かすや紅しょうがを入れることで、ボリュームたっぷりの一品に仕上げました。
パッと手早くできる丼なので、ぜひ作ってみて下さいね♪
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国は分かち合い文化ゆえに、食事やお酒を大人数で共に楽しむことを大切にしています。
日本もその点は同じですが、韓国ではとりわけ個食を嫌うため、どうしてもお酒を飲むとなると宴会になることが多いです
韓国における宴会の歴史は、高麗時代の1124年に中国の宋で刊行された「宣和奉使高麗図経(せんわほうしこうらいずきょう)」から知ることができます。
宣和奉使高麗図経によると、当時交易のあった宋の使節が、高麗人が設けた酒席で接待を受けたことが記録として残っています。
またこの時代は、現在の居酒屋にあたる公設酒幕(チュマク)が開設された時期でもありました
高麗時代は宋以外にも、元(げん)や日本との交易も活発だったため、貨幣の使用と流通を促進する方法のひとつとして、現在の北朝鮮にある開城(ケソン)に、左右酒店(チャウチュジョム)という公設酒幕を開いたのが居酒屋のはじまりだと言われています。
国内の主要な通りにあった酒幕は、主に旅人向けの居酒屋とし営業しており、宿泊も可能な施設でした。
その後、地元の人の間でも酒幕でお酒を飲む習慣が広まっていきます。
禁酒令が布かれたこともありましたが、酒幕は李氏朝鮮時代も受け継がれ、特に後期になるとその数が増えました。
高麗時代の酒幕は広い板の間に酒瓶がきれいに並び、美しくて若い女性が客にお酒を振る舞うといった高級感のあるものが多かったのですが、朝鮮時代になるとバーカウンターのような木の板を設置したシックなスタイルの店が増えていったそうです。
しかし、時代とともに居酒屋と宿泊所が別々の店が主流になり、昔ながらの宿泊ができる酒幕の数は徐々に減少していったのです。
韓国内で現存する最古の酒幕は、慶尚北道(キョンサンプクド)の醴泉(イェジョン)郡にある三江酒幕(サムガンチュマク)で、オーナーの他界により2005年に一度閉鎖されましたが、2009年に村人の手によって再開され、今では観光名所になっています
当時の面影を残すものの、現在は宿泊することはできません。
とは言え、現在の韓国には酒幕以外にも宿泊でき、食事も可能なゲストハウスが多くあります。
お酒を飲めるところもあるようなので、現代版酒幕といった感じでしょうか
こういった場所を拠点にしながら、韓国旅行を楽しむのも良いですね
それでは、本日のレシピはお酒のおつまみとしておすすめの「ジャガイモのコチュジャン炒め煮」です。
ピリ辛なので、ビールやマッコリと合います。
もちろん、ご飯のおかずにも良いですよ
ぜひ作ってみて下さい。