2019年3月の記事
東アジアの食文化は、「中国大陸」→「朝鮮半島」→「日本」の経路で広まった物が多いですが、各国の環境的な要素が加わって根付いたり、変化したりしました
緑茶も同様のルートで伝わりましたが、韓国よりも日本で発展した文化のひとつです。
緑茶と仏教は深い結び付きがあったため、仏教から儒教に移行した朝鮮時代(1392〜1910年)に緑茶文化が衰退し、薬茶文化が始まりました
薬茶とは、茶葉を使わずに韓方薬を煎じた物で、伝統茶とも言います。朝鮮時代の初期は王様や貴族中心に飲まれていましたが、18世紀以降は庶民に薬草の知識が普及し、広く愛飲されるようになりました。
とは言え、庶民は経済的な負担を軽くするために、一種類のみを使う単方が主流で、王様や貴族は数種類を組み合わせて飲用しました。
以前ご紹介したブログで、王様が好んで使った韓方材は「高麗人参(=朝鮮人参)、橘皮(きっぴ)、ショウガ、桂皮(けいひ)」と書きましたが、一番使われたのはどれだと思いますか?
それは「高麗人参」です
王室では苦い薬ばかり服用していると、かえって食欲を失ってしまい治療にならないと考えられていました。そのため、元気を補うための食治として重要視したのです。
高麗人参の効能は
高麗人参については単方のお茶が一番飲まれていましたが、二種類以上組み合わせた物もありました。
黄耆(おうぎ)は参鶏湯を煮込むときに良く使う韓方材で、高麗人参と同じように胃を整えて体力を回復させます。黄耆も体を温める働きがあるので、風邪による食欲不振のときに摂取するのがお勧めです。
みかんの皮を干した橘皮(きっぴ)は、気血の巡りを良くして体を温め、食欲を促進します。香りには精神を安定させる働きがあります。
韓国料理に良く使われるナツメは、造血作用によりストレスを解消します。また胃腸の機能を良くして元気を付けます。
今回ご紹介したのはほんの一部で、朝鮮時代はすでに145種類の薬茶がありました。
日本では薬でも、韓国では食品として扱われている韓方材が多くあるので、身近な存在です
私自身、韓国から仕入れた薬茶を毎日飲んでいるので、元気なのかもしれません。
それでは、本日のレシピをご紹介致します!
「高麗人参とショウガのハチミツ茶」です。薄切りにした高麗人参とショウガをハチミツ漬けにした物で、作るのは簡単ですが、完成までにちょっと時間がかかります。
しかし、完成した味わいは格別です。高麗人参とショウガが生でも食べられるのもポイント

管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
少しずつ春の気配が感じられ、運動を始めるのにも良い季節になりました。
そろそろ紫外線が気になる季節ですね

この紫外線が原因のひとつになり、体内で増えると言われているのが、「活性酸素」。
活性酸素が増えすぎると、身体のあちこちに害が現れることが分かっています

今回のブログでは、活性酸素にまつわるあれこれや、抗酸化作用がある食材についてご紹介します

「活性酸素が増えると体に良くない」と聞いたことがある方も多いでしょう。
老化を促進させ、がんや動脈硬化、糖尿病などの、生活習慣病を引き起こす要因になると考えられています。
私達は常に呼吸によって、酸素を体内に取り入れていますが、そのうちの約2%が活性酸素になると言われているのです。
活性酸素は殺菌力が強く、体内で細菌やウイルスを撃退する役目を担っています。
しかし、増えすぎると、正常な細胞や遺伝子も攻撃してしまうのです

活性酸素が増える原因には、紫外線、ストレス、大量のアルコール、たばこ、農薬、排気ガスなどがあります。
これからの季節は、紫外線が増えることに加え、環境の変化からストレスを感じる人も多いため、注意が必要です


まず覚えておきたいのは、
「抗酸化ビタミン」と呼ばれる、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE。
ビタミンAはレバーやうなぎ、緑黄色野菜
ビタミンCは緑黄色野菜や果物
ビタミンEはナッツ類や植物油
に多く含まれます。
また、ポリフェノールやカテキン、アスタキサンチンなどの成分にも、抗酸化作用があることが分かっています。
日中外で長時間過ごした日や、運動した日は、抗酸化作用のある食材を意識して摂ると良いでしょう

食習慣の見直しと合わせて、生活習慣を整えることも大切です。
タバコを控える、アルコールを摂りすぎない、ストレスを溜めない、適度に体を動かすなど、活性酸素を減らす生活習慣を意識しましょう

日常生活を送る上で、必ず体内で発生してしまう活性酸素ですが、食事や生活習慣を意識して、少しでもその害を減らし、心身のコンディションを上げていきたいですね

さて、今回のレシピは、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEが豊富な食材を使った、抗酸化作用が期待できる「春菊とフルーツのサラダ」をご紹介します。
皆様も、ぜひお試し下さい


今回は、話題の低糖質商品「粉豆腐」を取り上げたいと思います


早速ですが、粉豆腐をご存知でしょうか?
粉豆腐とは高野豆腐(凍み豆腐)をすりおろして粉状にした物のこと。
色味は黄色く、パラパラとした細かい粉状の代物です。
小麦粉に置き換えてパンや焼き菓子を作ったり、おから感覚で卯の花やポテトサラダに混ぜ込んだりして頂きます
さて、こうした粉状の豆腐製品が出てくると聞かれることがあります。
それは「きな粉とおからパウダーと粉豆腐はどう違うの?」ということ。確かにどれも粉末状でパラパラしており、原材料が大豆です。
それでは、それぞれの製法や栄養などをざっと整理してみましょう
きな粉
香ばしく炒った大豆を粉にした物で、大豆の成分がそのまま詰まっています。
大豆を丸ごと粉にしているので、たんぱく質と食物繊維が多く含まれます。大豆その物と言っても良いでしょう。
おからパウダー
水で戻した大豆を砕き、豆乳を絞ったときにできる絞りかすを、乾燥させてパウダー状にした物です。
大豆の絞りかすとは言え、食物繊維量が抜群に多いです。
また、本来は絞りかすなので、捨てられてしまう部分を有効活用でき、地球に優しいです。
粉豆腐
圧縮した固めの豆腐を凍らせ、熟成させてから解凍し、乾燥した物が高野豆腐。それをすりおろした物です。豆腐を凝縮させて熟成するので、成分の50%がタンパク質になります。
また、そのうちの18%が注目度が高まっているレジスタントプロテインと呼ばれるタンパク質です。
レジスタントプロテインは、食物繊維と似た働きをすることで知られており、脂肪や糖質の吸収を抑える効果があると分かっています。
どれも大豆由来の食品ですが、それぞれに強みがあって面白いですよね。いずれもヘルシーで、ミネラル・ビタミンも豊富!賢く摂り入れてはいかがでしょうか
さて、今回のレシピは表面はカリカリで、中はしっとりとした仕上がりの「粉豆腐のオレンジパウンドケーキ」をご紹介します。皆様も、ぜひお試し下さい

暦の上ではすっかり春の3月。日中は日差しの暖かい日もあり、春を感じる季節です。しかし、朝晩はまだまだ肌寒く、寒暖差による体温調整が上手くいかないことから自律神経が乱れがちに。
イライラの原因のひとつになります
そんなときは、幸せホルモンと言われるセロトニンを増やす食材を
取り入れてみましょう
その食材とは豆類(納豆)、チーズ、ゴマ、魚介類など、セロトニンを生成するときに大切なトリプトファンを含んだ食材です。
また、春は植物が芽吹く季節であるように、冬の間に縮こまっていた身体が外へとひらいていく時期で、冬の身体から春の身体にチェンジする必要がある季節です。
春に旬を迎えるタケノコ、菜の花など苦みの物は、身体に滞っていた物を排出する作用があるので、ぜひ食卓に並べてみて下さい
薬膳では、春は肝(臓)の機能が高まる時期と言われています。
酢やレモンなど酸味のある物は肝の働きを助けるので、スープに添えたり、サラダにレモンをかけたりなどして、酸味の物を料理に取り入れていきましょう
旬のワカメにタケノコや木の芽を合わせ、三杯酢をかけて頂くお料理は、まさに身体を整える旬の料理と言えますね
春先は陽気が上がっていくので、イライラ以外にも頭がぼーっとしたり、身体の上部が不調になることがあります。
刺激が強い飲み物よりも、香りがあるハーブティーや緑茶など、温かいお茶を飲むと良いですよ

春先に良い酸味や苦味の物は、適度に摂れば身体にとってプラスに働きますが、やはり取りすぎはマイナスに働きます
情報に振り回されすぎると、食選択が極端になってしまうので、自分の身体が欲している味や量に合わせて、食材選択、料理選択ができるようにしましょう
さて、今回のレシピは、酸味が食欲をそそり、具沢山の食べやすいスープ「春雨と野菜の酸味スープ」をご紹介します。
皆様も、ぜひお試し下さい

