2011年7月の記事
こんにちは。料理家の野上優佳子です。
7月10日は、なっ(7)とう(10)というすごく直球な!語呂合わせで「納豆の日」なのだそう
大豆を原料とした発酵食品である納豆の歴史はかなり古く、文献を見ると平安時代にはすでに登場しています。
たんぱく質をはじめに、さまざまな栄養が豊富で、日本人の食事のルーツのひとつといえるかもしれません。
納豆というと日本独特の食べ物のような気がしますが、大豆を発酵させたいわば納豆の仲間と言える食品は世界各国、特にアジア圏に多く見られます。
例えばインドネシアの「テンペ」は、ゆでた大豆をウッサールというカビ菌を持つ葉に包んで発酵させたもので、糸を引かない納豆、といえるでしょう。
日本のスーパーなどでも見かけられるようになり、よくブロック状に固めた状態で売られています。
中国の「トウチ」も日本の輸入食材店などでよく見かけますが、これは大豆に塩と麹を混ぜて発酵させたもの。黒くて、乾燥した状態のものです。
お隣の韓国には「チョングッチャン」という名前の、納豆と味噌の間のような大豆発酵食品があります。
ペースト状でチゲなどに使うのですが、これがとてもおいしい!(でも臭い)
そこで今回は、韓国人の友人直伝の、日本の納豆を使ったチゲをご紹介。
実は、調味料を一切使わないのです。
私も、初めて教えてもらったときはかなり驚きましたが、食べて納得。
ポイントは「サバの味噌煮缶」。
あー、もう今日は夕食作るのめんどくさい!というときの、秘密兵器レシピになること間違いナシです
こんにちは!料理研究家の吉田由子です。
さて、大衆魚の王様で、「ひらき」は年間4億枚も食べられている魚の名前は何だと思われますか?
答えは、「鯵(アジ)」です。
今回は、夏に旬を迎える「鯵(アジ)」についてご紹介します。
写真は、アジ科の代表「真アジ」ですが、他にも「シマアジ」「ムロアジ」などが有名です。
「アジは味なり」という言葉が残っているように、旨みがあっておいしく、漁獲量が多いのでお安く手に入るという、まさに大衆魚の王様なんです
「アジ」には、良質のたんぱく質・ビタミンB1・タウリンが豊富に含まれています。
また、血液をサラサラにして脳の発達を助けてくれるDHAやEPAも豊富です。
アジといえば、「ひらき」や「塩焼き」というイメージでしたが、最近は流通が発達し、鮮度の良い状態で素早く市場に出回ることから、「刺身」「たたき」「カルパッチョ」など生の状態で食べるのが主流になってきているようです
今日ご紹介するレシピは、その名も「まご茶漬け」
房総半島の漁師料理なのですが、もともとは獲れたての魚を包丁も使わずに手でさばき、しょうゆやみそ、ネギなどを混ぜて食べる豪快な料理だったようです。
漁の合間に、まごまごせずに食べられる料理ということで、この名前が付いたといわれています。
また、あまりにおいしいので、遠い沖から「孫」のことを思い、「まごにも食べさせてやりたい」というやさしい想いから、この名前がついたともいわれています。ご家庭でもぜひお試しください
こんにちは!料理研究家の竹内ひろみ(ひろろ)です。
まだまだ梅雨の名残が残る、今日この頃。
7月の伝統的な行事といえば、七夕
ご存知、七夕とは、7月7日の夜に天の川をわたって、年に一度だけ会うことを許された牽牛星と織女星の星伝説から生まれた行事
何度聞いても、ジーンとくるお話ですよね〜
子供が通っていた保育園でも、毎年、大きな笹に思い思いの願いを書いた短冊をたくさん飾っていました
その短冊の色使いは、赤・青・黄色・白・黒の五色が原則。中国の陰陽五行説にあてはめたものだとか。
色とりどりの短冊が、風にひらひらっとなびく姿は、あ〜夏だな〜と、これからの季節を感じる風物詩です。
さて、そんな七夕の行事食(食材)といえば、そうめん
どうやら天の川にちなんで、そうめんを食べる習慣となったようですが、暑さがじわ〜っと身体に堪えるこの季節に、さっぱりした麺類は、うれしい食べ物です。
でも麺類だけだと、どうしても栄養が偏ってしまいます
そこで登場するのが、青じそ、ごま、しょうが、ねぎなどの薬味。
いろいろな薬効成分が含まれているので、身体にとって大切な働きをするのです。
また、梅干、ウリ、うなぎなど「う」のつくものは夏バテしないという伝承があるとか・・・。
身体に優しい食材を上手に取り入れ、夏負けしないカラダで、暑い夏を乗りきりましょう
こんにちは。料理家の野上優佳子です。
当たり前のように使っていて、ふと「それってどういう意味?」と気付く瞬間ってないですか?
先日、フライを揚げていて、ごく当たり前のようにタルタルソースを作っていたのですが、「タルタルって、実際のところ何?」とふいに思ったのでした。
「タルタル」で思いつくところといえば、タルタルソースと、生肉をたたいたタルタルステーキ。
両者の共通点といえば、具材を細かく切っている、というところ。
英語のスペルを見てみると、どちらも同じ「tartar」。
この言葉を辞書でひいてみると、Tartarはタタール族(モンゴルから東欧にかけて活動した遊牧系を含めた他民族の総称)と、もうひとつ「酒石(しゅせき)」という意味が出てきます。
「酒石(しゅせき)」は、ワインの醸造樽の底に沈殿する、いわば澱(おり)のことを指し、酒石酸の原料となるもの。
「酒石酸」は「cream of tartar」といわれ、使用許可された食品添加物のひとつで酸味があり、製菓材料としてメレンゲの泡を保つために使われることもあるそう。
と、調べれば調べるほど、おもしろいことはたくさん出てきますが、肝心のステーキやソースとのつながりは「タタール人に由来している」という程度しか見つけられませんでした、残念
というわけで(?)今回は、新鮮なサーモンのお刺身を使ったタルタルステーキをご紹介。
身を細かく刻み、サワークリームとディルで、さわやかに仕上げます。
サワークリームは、生クリームを発酵させて作った乳製品。
クリームチーズよりも軽く、ヨーグルトよりもしっかりしてコクがあるので、さまざまなお料理に重宝します。とてもさわやかで、上品な酸味があります
火を使わずにあっという間にできて、しかもおもてなしにもぴったり。
ディップ感覚でパンなどに合わせていただけて、白ワインとの相性が抜群です