2019年11月の記事
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
朝鮮半島で初めてハングルで書かれた料理書は、1670年頃に刊行された「飲食知味方(ウンシクティミバン)」です
現在は慶尚北道(キョンサンプクド)の英陽(ヨンヤン)で、貴族の宗家(チョンガ)である載寧李氏(チェリョンイシ)が暮らし、長男の嫁である宗婦(チョンブ)が当時の料理を再現しています。
私は2度訪れ、見て味わうことで変遷する韓国料理の原型を垣間見ることができました
貴族の伝統料理には、ゆでた雉肉やゆで汁を、いろいろな料理に応用するといった特徴があります。
応用料理のひとつである「ヌルミ」は、日本語に訳すと「あんかけ」。
雉肉のゆで汁をベースに、薄口しょうゆ、コショウ、山椒の粉で味付けをし、小麦粉でとろみを付けた物です。
飲食知味方の時代は、朝鮮半島に唐辛子が入っていたものの、まだ食用ではなかったので、辛味を出すためにショウガや山椒がたびたび使われていました。ここで、ヌルミ料理をいくつかご紹介致します。
冬瓜のあんかけ
ゆでたダイコン、イワタケ、シイタケ、粗毛乾茸(アラゲカワキタケ)を混ぜ合わせた具を、薄切りにして塩漬けにした冬瓜で包み、あんをかけた料理。干し鱈の皮のあんかけ
干し鱈の皮を、シュウマイのような皮にみたてた料理。
イワタケ、シイタケ、粗毛乾茸(アラゲカワキタケ)、雉肉をみじん切りにして混ぜ合わせて具にし、干し鱈の皮で包みゆでたあと、あんをかけます。雉肉のあんかけ
雉肉とゆで汁の両方を使った料理。
手で割いたゆで雉肉に、キュウリ、栗、白身と黄身の錦糸卵を飾り、あんをかけます。
現代の韓国では、あんかけ料理をあまり見ないので、ヌルミは伝統を感じます
さて、本日は、「白身魚のあんかけ」をご紹介致します
あんかけに雉肉のスープは使いませんが、白身魚自体に旨みがあるので、出汁がなくても十分においしく頂けますよ。
皆さんも、ぜひお試し下さい
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年もマラソンシーズンが到来しました

レースに向けて、練習に熱が入っている方もいらっしゃることでしょう

日々の練習と同様に大切なのが、当日のコンディション。
練習の成果を存分に発揮するためにも、コンディションは万全にしておきたいですよね。
例えば、フルマラソンの場合、後半に足が攣ってしまい悔しい思いをする方が多くいらっしゃいます


足が攣る原因には、走るフォームや気温なども大きく影響しますが、水分補給や日頃の食事でのミネラルの補給も重要なポイントです。
今回は、マグネシウム、カルシウム、カリウムといったミネラルに着目して、「足が攣るのを防ぐポイント」をご紹介します。

「足が攣る」とは、ふくらはぎや太ももなどの足の筋肉が痙攣している状態を言います。

ミネラルには、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウムなどがあります。
これらのミネラルは、筋肉の収縮や神経伝達にかかわっているため、ミネラルバランスが乱れると、足が攣るなどの症状が出るのではないかと考えられています。
また、ミネラルは汗によって失われやすいので、ランナーは普段からしっかり水分補給と合わせてミネラルを摂っておきましょう。
足が攣るのを防ぐために、私たちが特に意識して摂りたいミネラルが、カルシウムとマグネシウム、カリウムです。
■カルシウム
牛乳やチーズなどの乳製品、じゃこやシシャモなどの丸ごと食べられる魚、水菜や菜の花などの葉物野菜、豆腐や揚げなどの大豆製品に含まれます

■マグネシウム
ワカメやひじきなどの海藻類、納豆や揚げなどの大豆製品、玄米など精製度の低い穀類、ナッツ類などに含まれます。
■カリウム
イモ類や果物など豊富に含まれています。
これらを意識しながら、ミネラルが不足しないよう、バランスの良い食事を心がけましょう。
例えば、間食はお菓子の代わりにバナナのヨーグルトがけにしたり、いつもの朝食に納豆を加えて、ゴマやジャコをトッピングしたりすれば、さらにミネラルを補うことができますよ

また、サラダを食べる場合は、海藻サラダにしたり、トッピングにナッツや大豆をプラスするのがオススメ。
ちょっとした工夫でミネラルを補うことは可能ですので、ぜひチャレンジしてみて下さいね

今回のレシピは、良質なたんぱく質、ミネラルが豊富な食材を使った、「高野豆腐のゴマ味噌汁」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
今回は、出汁の旨みをおからに吸わせ、具材と一緒に炊いて作る、「卯の花」を作ってみようと思います。
旨みをたっぷりと含んだおからと、具材が渾然一体になって、なんとも優しい味です。白いご飯がいくらでも進みますよ
さて、卯の花作りで最初にぶつかる壁が、「具材選び」と「炊き方」。
それぞれについて解説してみたいと思います。具材選び
カレーならジャガイモやニンジン、タマネギ、肉じゃがならジャガイモ、肉、白滝と誰もが口を揃えて答えますが、卯の花には共通の定番具材がある訳ではありません。
そうすると、何を選ぶかは料理する人の好みとセンス次第になるのですが、これは正直恐ろしい
適当に選んで、おいしくない卯の花になってしまったら残念ですよね。
そこで、個人的に考えた指標をお伝えします
おいしい卯の花を作るには、「彩りの良い素材」、「歯ごたえの良い素材」、「風味の良い素材」の3つを選びましょう。
彩り要員としては、ニンジン、枝豆、ひじきなど、出汁としょうゆで煮ても茶色く染まらない物があると良いです。
歯ごたえ要員には、ゴボウ、レンコン、大豆、こんにゃくなど。
そして風味要員には、干しシイタケ、青ネギなど香りや旨みの強い物を。
この3つにプラスアルファで、お好みの具材を入れると良いと思います。
プラスアルファするなら、油揚げ、鶏肉、タケノコ、昆布、ちくわ、かまぼこ、卵など、個性のある物や季節に合わせた物を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、私の実家では、細切りにしたなるとを入れていたのですが、白とピンクの色味と、やわらかな弾力が卯の花にアクセントを加えていました。炊き方
おから自身がすでに加熱済みなので、どれくらい出汁を足せば良いのか、分かりにくいようです。
実際私も、大量の出汁で炊いてべちょべちょの仕上がりになってしまったり、少なめの出汁にして味が染みこまずにパサパサの仕上がりにしてしまったりしました
そこで、おいしく炊くためのポイントをふたつお教えしますおからの水分を乾煎りして飛ばす。
おからは、店舗によって水分量が異なるので、まずはフライパンで乾煎りして水分を飛ばします
これは、おからに味を染込ませやすくなるというメリットもあるので、しっとりしているおからが、パラリとするくらいまで中火で乾煎りしましょう。
もちろん電子レンジで加熱してもOK。出汁はおからの分量の1.6倍(あくまで目安なので参考数値にして下さい。)
これ以上だと多いし、少ないとおからが出汁を吸った塊のようになってしまいます。
そうして、調味料と一緒に中火で6〜8分くらいかけて炊きましょう。
しっとりと仕上がれば、大成功です
さて、本日は、根菜のシャキシャキ感と、干しシイタケのしっとりとした甘みがたまらない一品、「五目卯の花」をご紹介致します
今回は、ニンジン、干しシイタケ、枝豆、こんにゃく、レンコンで作っています。
皆さんも、ぜひお試し下さい
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
何かお料理やお菓子を作ろうと思いレシピを検索すると、「同じレシピなのに微妙に材料や配合が違う!?」ということってありませんか?
それは、食材の特性や性質により、できあがりの食感などに違いが出るから。
自分にとっておいしいなと思える配合を覚えておくと、失敗することなく、お好みの味に仕上げることができますよ






例えば、「おはぎ」をもち米のみで作ると、粘りけの強い仕上がりになりますが、もち米にうるち米をプラスし、その量を加減すれば、食感に変化を付けることが可能です


粉類は、小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の質と量によって、強力粉、中力粉、薄力粉に分けられ、一般的には以下のように使用されます。
■強力粉:パン、パスタ、餃子の皮など

■中力粉:うどんやそうめんなどの麺、たこ焼き、ビスケットなど

■薄力粉:お菓子やケーキ、また、てんぷらやお好み焼きなど


強力粉で作れば、ずっしりとした重みのある、もっちり感のあるピザができ、薄力粉を使えば、ふっくらとしたやわらかい軽いテイストの仕上がりになります。
また、発酵した生地は、強力粉だけを使用すると生地の弾力が強いため、伸ばしても縮みやすくなりますが、薄力粉のみで作ると、生地の弾力がなくなります。
食材の特性を知って、自分の好みの配合で作ってみると、お料理の世界が広がって楽しいですよ

さて、本日のレシピは、油で揚げないソフトな食感の一品、「オーブン焼きチュロス」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい

