2020年1月の記事
こんにちは
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
今年も豆腐の魅力について、たくさんお話しできたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします
早速ですが、豆腐の魅力と言えば「大豆」の話は外せません。
豆腐の原材料である大豆は、味を左右する決め手と言っても過言ではないでしょう。
昨年、岡山で第5回全国豆腐品評会が開催されましたが、そこで集結した全国トップクラスの味を誇る豆腐たちのどれもが、こだわりの大豆で作られていました。
使っている物は、地元で作られている地域限定の大豆だったり、全国的に知られている銘柄大豆だったりと、本当に様々です。
ズラリと並ぶ豆腐を味見して、これからは大豆のことを伝えたいと思いました。パッケージから大豆の表記を確認してみよう!
大豆の品種で豆腐を選んでいる人は、それほどいないのではないかと思いますが、じつは条件は揃っています。
手元に豆腐があれば、パッケージにどんな大豆が記載されているのか見てみて下さい
「国産大豆」、「カナダ産大豆」、「アメリカ産大豆」などの、大豆の産地を記載している物もあれば、「とよまさり」、「フクユタカ」、「サチユタカ」など、大豆の品種を記載している物もあります。
そして、さらに詳細な物となると、「北海道産とよまさり」、「九州産フクユタカ」と言った具合に、地域と産地が記載されている物もあるでしょう。
このように、パッケージから大豆の情報が発信されています
しかし、大豆の種類が分かったところで、味は相当ツウな方でない限り分かりにくいのではないでしょうか。
それでも、イチゴは品種名を言えば味が想像できるし、お米はブランド名と産地を聞けば、その価値が分かる方がいるように、種類で味が判断できる物もあるので、豆腐における大豆も、そういった風潮になったら良いなと思っております。
では、実際に豆腐と大豆と味の関係についても解説していきましょう。どの大豆の豆腐がおいしいの?
どんな大豆でも豆腐は作れますが、「甘み」と「タンパク質」の両方が多い大豆から、おいしい豆腐が作れると言われております。
「甘み」とは、糖分の量のことで、豆腐の甘さに直結します。
昨年の豆腐品評会では、宮城県産「ミヤギシロメ」を使っている豆腐が多く見られました。
じつは宮城県は、大豆の栽培面積が2位
なかでも「ミヤギシロメ」は、味と風味が良く、県では奨励品種(普及してほしい品種)に指定されている大豆です。
この大豆は、ショ糖含有量が8.1(乾物中の%)で、他の大豆が5.0〜8.0であることから比べると、なかなか高い数値を誇っています
さて、数値の話よりも実食した話をしますね。
100品以上の豆腐が出品されているなか、7品ほどが「ミヤギシロメ」を使っており、そのどれもが強い甘みとコクがあり、ひと口でそのおいしさが分かるほどの味です。
そして私に「ミヤギシロメ」はおいしい、という印象を強く残しました私のおすすめの大豆
ちなみに、個人的なオススメの大豆は、枝豆の風味を思わせる緑豆の「キヨミドリ」。
ゆでたての枝豆のようなあと味で、強い味わいがお気に入りです
次に、兵庫と岡山で作られている「もち大豆」。
これは、限られた地域でしか作られていない大豆なのですが、甘みとコクをかね備えており、満足するおいしさを持つ豆腐だと思っております。
今お話しした2つの大豆は、豆腐屋さんで扱っていることが多いので、スーパーなどで購入するのなら、「北海道産とよまさり」の豆腐や、「九州産フクユタカ」の豆腐がオススメです。
いずれも、高い糖分を持つことで知られており、たくさん作られているので、手頃なお値段で手に入ります。
大豆の甘みをしっかりと感じることができるので、オススメですよ
今回は、豆腐の風味を存分に味わえる「豆腐のあんかけ」をご紹介致します
絹ごしでも木綿でも、お好みの豆腐を用意しましょう。
写真は、私オススメのキヨミドリの豆腐で作っています。
豆腐はパッケージから取り出したら、一度キッチンペーパーの上に取り出して水分を吸わせましょう!
こうすることで、豆腐から出てくる水分で味が薄まることを防止できます。
食べる直前に、電子レンジで温めていますが、蒸し器があればそれでもOKです。
仕上げに出汁をきかせたあんかけと、たっぷりの薬味を乗せて頂きます!温かい豆腐にあんが絡まって、豆腐のおいしさを実感できますよ
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
さて、2020年に入り最初のブログ記事になりますが、今年は7月24日〜8月9日までの間、「東京五輪2020」が開催されます

今から夏が楽しみですね!
さて、私は管理栄養士、フードコーディネーターとして、「食」や「健康」をテーマにお仕事をしていますので、年末から年始にかけて前年の食のトレンドを振り返ったり、新年の新しい食のトレンドを調べることが毎年の習慣になっています

そこで2020年1回目となる今回のブログは、「2019年のフードトレンドを振り返りつつ、2020年のフードトレンド予想について」をご紹介します。


2019年12月にある会社から発表された「食トレンド大賞2019」によりますと、2019年は節約、時短、簡単である「献立のシンプル化」が進み、一汁一菜でおいしく健康に過ごせる献立や、具沢山で栄養バランスが取れたり、満足感が得られる「ごちそうおにぎり」などが人気を集めたようです。
また、高級食パンを家で再現するレシピや、保存袋で作る簡単な梅干しのレシピなども人気となりました。
この結果から、家事や育児、仕事で忙しい日々でも、おいしい食パンや簡単に手作りできる保存食などで、「ささやかなこだわりや丁寧な暮らしを楽しみたい」と言う気持ちが表れていることがよく分かります。
また、株式会社ぐるなび総研から発表された2019年の「今年の一皿(登録商標)」では、やはり一世を風靡した「タピオカ」が選ばれました。
タピオカが選ばれた理由として、「タピる」、「タピ活」などの造語が生まれ、ブームを超えて社会現象化したことや、様々な飲み物との相性が良く、好みに応じてカスタマイズできることから消費者の楽しみが広がったことなどが挙げられています。
タピオカやツェーなど、アジアンフードは引き続き2020年も人気になるようです。

2019年10月下旬、アメリカを中心にカナダとイギリスを含め、270店鋪以上を展開する「ホールフーズ・マーケット」 が2020年の食品トレンド予測を発表しました。
それによりますと、2020年は「再生農業」やエチオピア料理に使用されるテフパウダー、カリフラワーパウダー、バナナパウダーなどの「新しい小麦粉代替品」、アメリカでは、トマト、タマネギ、唐辛子、ピーナッツ、レモングラスなどを使った「伝統的な西アフリカ料理」が人気になっています。
それに伴い、モリンガ、タマリンド、ソルガム、フォニオ、テフ、キビなどの「西アフリカの食品」、緑豆、ヘンプシード、カボチャ、アボカド、スイカの種、ゴールデンクロレラなどの「大豆に変わる植物性食品」がランクインするなどとても興味深い内容となっています。
アメリカの食のトレンド予想ですが、実際にどの程度日本で流行するのでしょうか

今からとても楽しみですね

さて、話を日本に戻しまして、先ほどご紹介したクックパッド株式会社から発表された「食トレンド予測」によりますと、2020年は引き続き台湾や韓国といったアジアをはじめとする料理が人気を集める年になると予測されています。
他にも、シェントウジャン、食品ロス削減、レーリュッケン、チーズボール、スイカジュースなどが2020年のトレンドキーワードとして選出されています。
今年は五輪イヤーということもあり、訪日観光客の目標は4,000万人と言われています。訪日外国人が自国の食文化を日本に持ち込むなど、食の多様化、グローバル化が進むことが予想されます。
これらのトレンドも参考にしながら、2020年も様々な食や健康の情報をもとに、皆様にお役立て頂けるブログをお届けしていきたいと思っています


ここ数年、健康志向の高まりにより発酵食品が注目されています

「発酵鍋」は、味噌や麹といった日本の伝統食品や、キムチ、ヨーグルト、チーズなどの様々な発酵食品を、具材や付けダレに使用した鍋のことを言います。
「発酵鍋」は、発酵食品の持つ、まろやかで深い味わいや旨みを利用し、おいしい鍋スープが手軽にできることや、発酵食品どうしの組み合わせにより、味のバリエーションが豊富で飽きることがなく楽しめることなどが人気の理由です。
また、発酵食品に含まれる乳酸菌などの善玉菌には、腸内の環境を整える作用が期待できるため、便秘の解消や免疫力アップに効果が期待できますよ

具材に火が通ってから最後に発酵食品である納豆を加えた「納豆鍋」や塩麹をベースにした「塩麹鍋」、ヨーグルトを付けダレに加えた物など、様々な「発酵鍋」のバリエーションが考えられます。
お好みの発酵食品を使って、寒い冬を温かいお鍋で元気に乗り切りましょう

今回ご紹介している「キムチーズ味噌鍋」は、発酵食品であるキムチ、チーズ、味噌を使用しています。
チーズがキムチの辛さをまろやかにしてくれるのでお子様にも人気のお鍋です。
トマトベースのお鍋なので、シメはご飯を入れてリゾットにするのがオススメですよ。
皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
お肉や野菜類などは、使用する種類や部位によって味や栄養価が変わりますね。
目的に合った食材や部位の選択をすると、よりおいしく、身体にとっても嬉しい効用があります



たんぱく質は、体をつくる重要な栄養素

筋肉をはじめ、内臓、血管、皮膚、髪の毛、爪など、体の大部分がたんぱく質でできています。
特に筋肉においては、水分以外の約80%がたんぱく質によってつくられているのです。

肉と言っても、牛肉には鉄分が多く、豚肉にはビタミンB1が含まれ、鶏肉には筋肉の材料となる必須アミノ酸が多く含まれています

魚は、赤身(青魚)と白身によって違いがあり、一般に赤身のヘモグロビンやミオグロビンは、鉄を多く含んでいて、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も多く含んでいます。白身魚は、高たんぱくで低脂肪なのが特徴です

筋肉をしっかりと付けたいときは、必須アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)など、特に筋肉の合成を高める作用のあるロイシンを含む食材をメインに摂取することがオススメ

ロイシンは、鶏のむね肉、高野豆腐、マグロなどに多く含まれています

また、肉の脂肪分が気になる場合は、皮なしの鶏肉を選択し、赤身の肉を選ぶようにしましょう。

ダイコンは先の方が辛味が強く、葉に近い部分の方が甘みがあります。
そのため、生で頂くサラダは葉に近い部分、煮物は真ん中、塩分のある味噌汁の場合は先を使うなど、料理に合わせて使い分けると良いですね

白菜は、外側の緑の部分が歯ごたえがあり、甘みも強くないので、炒め物向き。
内側にいくほど、繊維質がやわらかくなり、甘みが強くなりますので、煮込み料理に適します。
食材の種類や部位による違い、ちょっとしたことですが、おいしい料理づくりのポイントになること間違いなしです

さて、本日のレシピは、焼いた鶏肉にチリソースと甘めのタレを絡めて焼き揚げる一品、「チキンの味噌照り焼き」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
ここ数年、肌で感じているのが「水キムチブーム」。
2013年に長寿遺伝子研究を専門とされている有名な医師が出版した水キムチの本が引き金となり、一般的に広まったと考えます

水キムチは、「飲む美容液」とも言われ、乳酸菌をたっぷりと含んだ汁と辛くないことが特徴。
キムチは赤いイメージが強いですが、唐辛子が使用されるようになったのは18世紀頃で、キムチの歴史の中では比較的浅いのです。


2600〜3000年ほど前、中国で初めて漬物が登場し、当時の詩を集めた中国の書物「詩経(しきょう)」のなかで漬物を「菹(ソ)」と呼びました。

塩水で漬ける水キムチのような漬物についても記載がありました


三国時代の漬物タイプは大別して、漬け汁ごと食べるタイプ沈菜(チムチェ)と、洗ったり絞ったりして食べるタイプの醯(ヘ)があり、醯(ヘ)が多く食べられていました。
また、高麗王朝の史書である「高麗史」のなかで、祭事のお供えの漬物である「菹(ソ)」が初めて紹介されたのです。

ちなみに、高麗時代は、醯(ヘ)から沈菜(チムチェ)タイプが中心となります。

この時代にカタクチイワシ漁が盛んになり、キムチの旨みとしてカタクチイワシの塩辛が使われるようになり、オキアミの塩辛も全国的に浸透したのです。
1592〜1598年の文禄慶長の役で、豊臣秀吉が武器として唐辛子を朝鮮に持ち込み、唐辛子は貧困層や庶民層に食用として受け入れられましたが、両班の間では唐辛子を毒草だと認識したため普及が遅れてしまいます。
1715年の農書「山林経済(サンニムキョンジェ)」で栽培法が、1766年の「増補山林経済(チュンボサンニムキョンジェ)」で唐辛子を使用したキムチやコチュジャンが紹介され、18世紀になって唐辛子は全階層に普及しました



韓国の短大根を丸ごと塩漬けにしたあとに、漬け汁に入れてじっくり発酵させる水キムチ。
漬け汁に牛肉のスープを使うこともあり、トンチミの汁を利用した冷麺を床暖房(オンドル)部屋で食べるのが冬の風物詩です。

塩漬けした白菜にナツメ、岩茸、栗などを具として加えます。
殺菌性のある唐辛子を使わないので、長期保存はできません。
全体に味を行き渡らせるために、塩辛汁を使用。

しょうゆベースの汁に漬けたキムチ。
醤漬け(チャンアチ)との違いは、醤キムチは汁も一緒に食べ、醤漬け具だけとなります。
宮廷キムチのひとつです。
現在のように赤いキムチが主流になったのは、唐辛子を入れることで殺菌力が高まり長期保存が可能になったこと。そして、食べると体が温まるため、寒い韓国にはうってつけの食材だったことだと考えられます。
それでは、最後にご紹介するレシピは「白キムチ」です。
スーパーで比較的手軽に入手できる材料だけで作れるようにしました。
イワシエキスは魚醤やナンプラーで対応できますので、一度お試し下さい

