こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
李氏朝鮮時代、朝鮮半島は八道(パルド)と言って、八つの行政区に分かれていました。
現在の韓国と北朝鮮は、八道(パルド)を基礎として区分けされています。
朝鮮八道のひとつ、全羅道(チョルラド)は現在、全羅北道(チョルラプクド)と全羅南道(チョルラナムド)となりましたが、双方ともに農水産物が豊富であり、韓国料理の贅沢な食が味わえます
本日ご紹介したいのは、港町である全羅南道の木浦(モッポ)が産地として有名な、 「ガンギエイ」を使った料理です。
ガンギエイは韓国語で「ホンオ」と言いまして、韓国料理通の日本人の間では、お刺身のホンオフェと聞いただけで顔をしかめる人も
その理由は?
ホンオフェを作るためには、ガンギエイをワラに包んでカメに入れ、7〜10日程そのままおいて発酵させます。
できあがった時点で、独特なアンモニア臭を放っているんですね。
このにおいに苦手意識を持つ方がいらっしゃいます。
とは言え、韓国では高級食材のひとつ
であるため、全羅道のお祝い料理には欠かせないとか
もし、お祝いの席に用意されていなかったら「主催側が出し惜しみした」と陰口を叩かれるという話もあります。
ホンオフェの食べ方ですが、お酢入りのコチュジャンで生野菜と和えたり、三合(サマプ)と言って、ホンオフェとゆで豚を、熟成キムチで巻いたりします。
三合(サマプ)は何度か頂いたことがありますが、熟成キムチとゆで豚を組み合わせると、エイのにおいが和らいで食べやすくなります
韓国の地方は、珍しい料理がたくさんあります。
ソウル旅行を何度か楽しまれた方は、ぜひ地方にも足を伸ばして下さいね
それでは、今日のお料理をご紹介致します。
さすがにエイは用意できませんので・・・。
イカと生野菜を使った和え物「オジンオムチム」です。
レシピにあるお酢とコチュジャンを合わせたタレは、白身のお刺身にも合うので、レパートリーのひとつに加えて下さい
こんにちは、
料理家の野上優佳子です。
この季節になるとどうしても食べたいのが「鰻(ウナギ)」。
あの香ばしく甘辛い香りには、いつだって食欲をかき立てられます
今年の夏の土用は、7月22日。
この日はウナギを食べようと決めていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
今春のニュースでは、養殖用稚魚(シラスウナギ)が不漁で仕入れ量が昨年に比べて25%も減少 とのこと。
今年はウナギの価格上昇が避けられないと話題になりました。
日本でウナギ料理と言えば「蒲焼き」がとてもポピュラー。蒲焼きの名の由来は、その昔、ウナギの口から尾まで串を刺し、丸ごと塩焼きにしました。その姿が「蒲の穂」に似ていることから「がまやき」が転訛したと言われています。
ウナギは万葉集にも登場する程、日本では古くからなじみ深い食材ですが、日本独特の食材かと言えばそうではなく、特にヨーロッパ各国にはウナギを使った地方独特の名物料理があります。
例えばベルギーのアントワープの名物料理に「ウナギのグリーンソース」があります。
小さくブツ切りにしたウナギをハーブやホウレンソウのソースで煮込んだ物です。
また、フランスにはウナギを赤ワインで煮込んだ「マトロット」と言う料理があります。
北ドイツ地方には、「アールズッペ」と言うウナギと野菜を煮込んだスープが、スペインでは、ウナギの稚魚をオリーブ油で煮た「アヒージョ」という料理があります
所変われば品変わる。
ウナギの新たなおいしさを知ることができますね。
さて今回は、ウナギの蒲焼きを使った「ウナギの押し寿司」をご紹介します。
手軽に作れて豪華に見えるので、ちょっとした来客時にもおすすめです
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
韓流という言葉が、日本に浸透して10年になります。
みなさまご存知のように、ブームの火付け役は韓国ドラマ「冬のソナタ」。
ドラマの影響で、韓国に興味を持つ方が急増
10年を迎えた韓流は、今やブームから文化になったと個人的には思っています。
冬のソナタの舞台になった韓国の春川(チュンチョン)は、湖や島など豊かな自然に恵まれた観光地
ソウルから列車に乗って1時間程度で行けるので、気軽に日帰り旅行を楽しめます。
チュンサンとユジンがデートをした南怡島(ナミソム)は、冬ソナの撮影がきっかけで、1年中観光客で賑わっています
私も一度だけ訪れたことがありますが、ドラマにも度々登場したメタセコイア並木は、趣があって癒されますよ
さて、春川(チュンチョン)の名物料理といえば、 「タッカルビ」。
元々は鶏の鍋料理だったのですが、アレンジが加えられ、コチュジャンなどの調味料で味付けした鶏肉を、野菜と一緒に炒めるスタイルになったそうです
春川明洞タッカルビ通りは、名前の通りタッカルビ屋が立ち並び、いつも賑わっています。
お店に入ると、メニューはほぼタッカルビのみ。
本場では、鉄板の上で焼き上げます。
最後は少しだけタッカルビを残しておき、ご飯を追加してチャーハンで仕上げて食べ尽くすのが韓国流ですね
タッカルビは、名前にあるように本来骨付きを使用するのですが、食べやすさを考えて、骨なしを使うことが多くなりました。
家庭でも作りやすいですよね。
そこで、本日はタッカルビのレシピをご紹介いたします
レシピには書いてありませんが、韓国のお餅を加えるとボリューム感があって、食べ応えありますよ
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
和食の煮物や汁物のベースと言えば、かつおぶし、昆布、煮干しで取ったダシが多くを占めますよね
韓国の場合、昆布や煮干し以外に、メイン材料から出る旨味を活かした料理が豊富です。
中でも牛肉をコトコトと煮出して作るスープは、よく使われます。
これを「肉水(ユクス)」と言います
さっぱりとした旨味とコクがあり、スープで使用した肉も味付けをして、最後まで食べきるのが韓国流
無駄がないんですね。
韓国料理と言うと焼肉が真っ先に思い浮かぶことでしょう。
実際、韓国人は日本人よりも肉の摂取量が多いと思います。
古代は狩猟で食生活を支えていましたが、三国時代には馬、牛、豚、鶏などを飼育
交通手段として利用し、家畜の皮で服を作って寒さをしのぎ、食料にしました。
しかし、高麗時代は仏教の影響で肉食が禁止により、菜食中心となった食生活に。
その後、モンゴルから「牛肉を煮込んだスープ」が高麗時代後期に入り、改めて肉食中心に移行したと言われています
さて、肉水(ユクス)で代表的な料理と言えば「冷麺」。
トンチミという水キムチの汁と肉水(ユクス)を合わせて味付けした物が、冷麺のスープになります。
適度な酸味のある水キムチの汁は、肉水(ユクス)との相性バッチリ
麺を作るのは難しいですが、冷麺スープは手作りできるんですよ。
機会があったら、作り方を改めて取り上げたいと思います。
本日は肉水(ユクス)を使った「牛肉とダイコンのスープ」をご紹介致します
化学調味料を一切使用していないスープなので、肉本来のおいしさを味わって下さいね。