こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国料理と言えば、焼肉とキムチというイメージが強い方はまだまだいらっしゃると思います。
これは外国の人から見ると、日本料理イコール寿司や天ぷらという印象がまだまだ強いのに似ていますね
実際、韓国の場合ですが、家でも外でも韓国料理を食べればキムチが出てきますし、人が集まれば韓国式の焼肉をよく食べます
数字から見ても韓国国内の肉の消費量は多く、アメリカ農務省が発表した2012年のデータを見ると、日本人が一年で一人当たりに食べる量が47.2kgに対し、韓国人は60.6kgとかなり多いです。
日本と近い国でありながら、韓国がこんなに肉を食べているとは……
朝鮮半島では三国時代(313〜668年)の前から牧畜が発達しており、食用にしたあとの皮から服を作り、絞った油を体に塗って肌を保護するなどをし、家畜を余すことなく活用していました。
この時代の遺跡より出土した灰や木炭から、火を使って肉を焼いていたことが判明しています。
現在の焼肉の起源は、この時代から食べられているメクジョク(メッチョク)という串焼きだとされています。
メクジョクのレシピは、以前ナスラックキッチンでもご紹介しましたが、現在浸透しているメクジョクは、味噌味の豚焼肉ですね
(豚肉のみそ焼き:http://www.nasluck-kitchen.jp/recipe/index.asp?menu_id=003441)
日本では奈良時代(710〜794年)以降に、仏教文化が入ってきたことにより肉食禁忌の時代が長く続きましたが、明治時代(1868〜1912年)に入ると文明開化の影響を受け、肉食が奨励されるようになったと言われています。
しかし朝鮮半島では、高麗時代(918年建国)に入ると、日本と同様に仏教文化の台頭により肉食を禁じられましたが、高麗時代後期に入ると、肉食文化のある元(げん)との交流が盛んになったため、肉類でもてなしせざるを得なくなり、日本よりずいぶん早く肉食が再開されました。
朝鮮時代(1392〜1897年)になると仏教文化から儒教文化に変わったため、堂々と肉が食べられるようになります。
とは言え、肉は高級食材だったため、肉食文化の中心は王様や貴族階級でした。
宮中では下味を付けた薄切り肉を網焼きにし、それを器に盛り付けて出す「ノビアニ」が作られるようになります。
これが時代とともに変化していき、戦後には現在のように自分で焼いてそのまま食べる大衆向けのスタイル、「プルコギ」となりました。
ちなみにプルコギとは韓国語でプルは火、コギは肉といった意味があります。
もともとは商売をしている方が考案した物だと言われており、瞬く間に浸透していったそうです。
韓国の肉食文化は古くからであるものの、現在の焼肉スタイルは、比較的歴史の浅いことがお分かり頂けましたでしょうか?
とは言え、焼肉文化は形を変えながら進化しています。
数年前はドラム缶を囲んで食べる立ち焼きが流行しましたが、今年どのような物が登場するか、楽しみです
さて、本日のレシピは野菜もおいしく摂れる「豚プルコギ」をご紹介します。
牛肉のプルコギと作り方は同じですが、豚肉には必ずショウガを使います。
今夜の夕食にいかがでしょうか?
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年は4年に1度の閏年(うるうどし、またはじゅんねん)です。
閏年とは、太陽暦では本来28日までしかない2月がもう1日増え、2月29日が存在し、1年を366日とする年のこと。
どうしてそんなややこしいことになるのかと言うと、太陽暦では1年を365日で計算しますが、実は地球が365.2422日をかけて太陽の周りを1周(公転)しているからなのです
この0.2422日の差が積もり積もった結果、4年で約1日分の公転時間が余ってしまうので、その誤差を修正するために閏年を設けて調整しているといったワケです。
と言うことで、今年は1年間に『29日』が1日多い年です。
「ふーん、そうなんだ」と流してしまってはいけません
『29日』はある物が、とてもお得に買える日なのです
そのある物とは……。
『お・に・く』です
全国食肉事業協同組合連合会のホームページによると、「全国食肉事業協同組合連合会はJA全農と連携し、他の食肉流通団体・食肉販売団体等と一丸となり、『肉の日』事業を実施しています。」と記載されています
「肉の日」には、お肉屋さんでお肉が安く買えたり、焼き肉屋さんなどで割引サービスが受けられたりと大変お得な日なのです
この「お肉の日」ですが、意外なことに知らない方も多いようです。
みなさんは知っていましたか
お近くの「肉の日」対象店は、店頭ののぼりや折込チラシ、インターネットのホームページなどでチェックできますので、今月の29日は「肉の日」対象のお店に足を運んでみてはいかがでしょう
さて、今回は「肉の日」にちなみ『牛肉と菜の花の中華炒め』をご紹介します。
今からが旬の「菜の花」と牛肉を使った、初春を感じる炒め物です。
ぜひお試し下さいね
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
日本からとても近い韓国ですが、食文化ひとつ取ってもその違いはたくさんあります。
例えば食材です。
日本ではマイナーな物でも、韓国ではポピュラーな食材が多く存在します。
その中のひとつが、ムール貝です。
韓国語ではムール貝のことを「ホンハプ」と言い、「ホンハプタン(ムール貝スープ)」は居酒屋や屋台メニューとして広く浸透しています
韓国におけるムール貝の歴史は朝鮮時代まで遡り、1715年頃の料理書である「山林経済」にはすでにムール貝を使ったお粥の作り方が記載されていました。
当時はまだ王政で、王様は早朝に必ずお粥を食べていたので、多彩な食材で味の変化を付ける必要があり、そのひとつにムール貝が使われていたと思われます
ムール貝を使った料理には、スープやお粥以外に、炊き込みご飯、しょうゆの煮付け、チヂミなど数多くのメニューがあります。
生の物に限らず、乾燥させたムール貝も市場に多く出回っていることからも、韓国の人にとってムール貝が使い勝手の良い食材だということがうかがえますね
主だった産地は韓国南部にある全羅南道(チョルラナムド)の麗水(ヨス)市で、2012年には万博が行なわれたエリアです。
そこはワタリガニや牡蠣が特産物として有名ですが、ムール貝の養殖も盛んです。
ムール貝の栄養面に注目すると、二日酔いを予防するタウリンを豊富に含んでいるのが特徴です。
居酒屋のメニューにムール貝のスープがあるのも、お酒を飲んだあとに食べると良いからかも知れませんね。
ムール貝のスープは、韓国の「ヘジャングク」に当たります。
ヘジャングクとは「二日酔い冷ましのスープ」の総称で、肝臓の働きを強化するすべてのスープが該当します。
豆もやしのスープや、干し鱈のスープなども同様の効果があるとされています。
また、ムール貝は生命力がとても強いので、食べると疲労回復につながると言われています
さらに、鉄分、葉酸、カリウムなどのミネラル、ビタミンB2、B12、E、たんぱく質など女性にとって嬉しい成分もたくさん含まれています。
また、脂肪分が少ないため、日頃の食事に取り入れたい食材と言えるのではないでしょうか
さて今回のレシピは、韓国ではお馴染みのムール貝スープをご紹介します。
今回は手軽に作れるように冷凍のムール貝を使用しますが、もちろん手に入れば生の物でもOKです
ただし、加工されていないムール貝の調理には以下のような下処理が必要です。貝殻の表面は、たわしでよくこすって汚れを洗い落とす。
貝の合わせ目から糸のような物(足糸/ソクシ)が出ているので、これをゆっくりと引き抜く。
足糸は食べられませんので、注意して下さいね。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
8月後半から水揚げを開始したサンマの出荷が、いよいよ本番を迎えます。
9月の上旬にあった台風などの影響で、今年は水揚げ量が低調と言われ、どうなることかと思っていましたが、9月末頃からまとまった漁獲があり、ようやくサンマを食卓に出せたというご家庭もあるのではないでしょうか
我が家にも先日、気仙沼から見事な鮮度のサンマが到着
すばらしい味わいでした
秋の食材の代表格であるサンマにちなんだお祭りが、産地を中心に全国各地で開催されています。
水揚げ日本一と言われ「とろサンマ」で有名な根室市は、毎年9月に【根室サンマ祭り】を開催。
10月には、宮城県気仙沼で【気仙沼サンマフェスティバル】、岩手県大船渡で【大船渡サンマまつり(船場まつり)】、同じく岩手県の宮古市でも【宮古サンマフェスタ】が続々開催され、旬のおいしさを鮮度抜群の産地で満喫できます
産地でないにもかかわらず、もしかしたら日本で一番有名かも知れないサンマのお祭りが、今年も9月に東京・目黒で開催されました。
それは、【目黒サンマ祭り】です
平成8年から目黒駅前で行なわれている祭りで、今年がちょうど20周年でした。
年々人気は高まり、当日は目黒駅前の商店街を目指してできる大行列は、今では初秋の風物詩です。
しかし、なぜ目黒でサンマなの?と不思議に思いますよね
これは有名な江戸落語が起源。
鷹狩り(遠乗りの説もあり)に出かけた殿様が、お昼時に目黒の農家の軒先で炭焼きされていたサンマの良い香りに心惹かれ、食べてみたいと言い出しました。
しかし家来は「あれはサンマという庶民が食べる魚なので、お口に合いません」と説得するも、殿様は食べたいと言い張り、家来にサンマを持ってくるよう命じます。
仕方なく家来は農家から分けてもらったサンマを差し出すと、殿様がそれを食べてびっくり。
それはそれは、大変おいしかったのです
それからというもの、お城に帰ってもその味が忘れられず、「余はサンマを所望する」と言い出します。
しかしお城では庶民の魚など用意しているはずもなく、慌てて日本橋の魚河岸からサンマを取り寄せました。
そして骨を1本1本取り除き、体に悪いと脂も抜いてしまったところサンマの身はボロボロ・・・
仕方なく椀物にして出したのですが、これがちっともおいしくありません。
そこでお殿様が、このサンマはどこで買ったのかと訊ねたところ、家来が「日本橋魚河岸でございます」と返します。
殿様は家来のその言葉に、一言。
「そいつはいかん。サンマは目黒に限る。」
海とは全く縁のない目黒で捕れたサンマがうまい、と信じ込んで断言してしまったというオチの、江戸落語の滑稽物のひとつです。
この話が「目黒のさんま」という話で、目黒で開催されるサンマのお祭りのきっかけなのです。
サンマの話をしていると、脂がたっぷり乗ったサンマが食べたくなってきますね!
そこで今回は、「サンマの炊き込み御飯」をご紹介します。
個人的には、秋の食材の炊き込み御飯の中でもトップクラスのおいしさと自負している炊き込み御飯レシピです。
旬ならではのおいしさ、ぜひお試し下さい