こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
東京の原宿にできた、釜山(プサン)発祥の「ソルビン」というかき氷店をご存知でしょうか?
今年の6月にオープンし、韓国好きの人たちだけでなく、スイーツ好きの女性の間でも話題になりました
店の名前は、一押しメニューである、かき氷の「ソルビン」から由来しているとのこと。
韓国語でソルは「雪」、ビンは「氷」を意味しており、ソルビンで提供しているかき氷はその名の通り、粉雪のようにふわふわとした食感が特長です
2013年4月に釜山で一号店がオープンして以来、瞬く間に韓国全土にチェーン店ができ、今では一躍人気店となりました。
ソルビンのかき氷の中でも、一番人気なのはきな粉を使った物です。
きな粉の香ばしさと、トッピングされたインジョルミという餅菓子のモチモチ食感がおいしい一品。
その他にもマンゴーやイチゴ、チョコレートなどの味もあります。
私が初めてソルビンを訪れたのは冬でしたが、店内は大賑わいでした。
真冬の韓国は屋内が暖かいので、冬でも冷たいスイーツがおいしく感じます。
冷たいデザートは季節を問わず人気なのです
ソルビン以外にも、韓国ではここ最近様々なスイーツが開発され、多くの女性を魅了しています。
そこで、昨年から今年にかけて話題になった冷たいスイーツを、3つご紹介しましょう
バラアイス
バラの花びらをかたどったジェラートです。
イチゴ、チョコレート、抹茶、ヨーグルト等のフレーバーから自分のお好みを選ぶと、お店の方がその場でバラの形のジェラートを作ってくれます。
その職人技に見入ってしまう程。
目でも舌でも楽しめるジェラートです
フルーツボンボン
フランス語で「甘い砂糖菓子」を意味するボンボンですが、今回ご紹介するのはパフェ。
韓国では今、フルーツと生クリームがたっぷり入った「ボンボン」というパフェが大人気です。
高さが20センチ程のボンボンは、フルーツの断面が色鮮やかで見た目にも可愛いスイーツです。
季節によってフルーツが変わりますが、私が訪れたときはマスカットが主流で、店内には仕入れたままと思われるマスカットの箱が山積みになっていました
ポップコーンソフトクリーム
その名の通り、ポップコーンがびっしりと張り付いた大きなソフトクリームです。
大きさも驚きですが、見た目のインパクトもすごいスイーツ。
私は未体験なのですが、さらにキャラメルシロップをかけた物が、中でも人気だそうです
また冷たいスイーツ以外ですと、生クリームと六色のスポンジを使ったレインボーケーキや、レインボー綿菓子も話題です
ここ数年で韓国スイーツのレベルは、ずいぶん上がったように思います。
その昔、韓国ではお菓子と言えば、甘みの少ない伝統菓子がほとんどだったのです。
ケーキもありましたが、バタークリームで作った物が多く、独特のコッテリ感と強い甘さの物だったので、どちらかというと私は不得手でした
しかし聞いたところによると、最近では海外で修行した韓国人のパティシエが、本国に戻ってお店を開くことが多くなり、スイーツが以前よりもおいしくなったのだとか
今では他の国々に負けない程、個性的でおいしいスイーツが韓国でも売られるようになりました
韓国は流行のサイクルが早くて、1ヵ月前に話題になった物が、すぐに消えてしまうこともあります。
しかし、本日ご紹介した冷たいスイーツはまだまだ人気が続きそうですので、ぜひ韓国へ旅行に行く予定がある方はチェックしてみて下さいね
それでは今回ご紹介するレシピは、ボンボンを真似て作ったホイップクリームたっぷりの「キウイパフェ」です。
キウイは一年中手に入るので、作りやすいと思います。
ガラスの器に入れて作ると、フルーツの断面が見えて可愛いですよ
ぜひお試し下さい
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
先日、今や世界共通語になりつつあるbento(弁当)がご縁で、ポルトガルのお弁当箱メーカーのデザイナーと友人になりました
きっかけは、最初に一緒に仕事をしたときのことです。
デザイナーである彼女自身が子育てをする中で、「スクールランチだって1日の食事のひとつだから、ヘルシーでおいしくて楽しい物が良い」という考えのもとにプロダクト(product/製品)を作っているという話になりました
その考えに共感した私と彼女はすっかり意気投合し、改めて一緒に仕事をすることになったのです
食というのは人間を形作る上で大切なことです。
そのため、「食」に関する話題は初対面同士でも盛り上がれる、数少ないコンテンツのひとつではないかと私は思っています。
初対面の私たちが盛り上がったのも、弁当の話を含めた「食」についてでした
その中で面白かったのは、「日本とポルトガルは、食の嗜好性が近い」ことに気付いたことです
ポルトガルの人々は、よく米を食べます。
そしてポルトガルは肉や野菜はもちろん、日本と同じく魚介類もよく食べる習慣があります。
イワシやタコ、イカ、エビなど
私たちにも馴染みのある魚介類が、ポルトガルでも一般的に食べられているのだそうです。
その中でも「バカリャウ」という塩漬けの干しタラは、ポルトガル料理になくてはならない物だとか。
ちなみにバカリャウは他の国でも食べられており、スペインでは「バカラオ」、イタリアでは「バッカラ」と呼ばれています。
ポルトガルでバカリャウがどんな風に食べられているのかというと、出汁に使ったり、戻した身をほぐしてコロッケにしたり、グラタンに入れたり、炒めたり、卵とじにしたりと、とにかくメニューが豊富なのです。
私の故郷である青森でも、津軽生まれの祖母が作る煮しめの具と出汁には、「棒鱈」(ぼうだら)と呼ばれる干しタラが欠かせない食材でした。
そのためか、なおさらポルトガルに親近感を覚えるのかもしれません
日本とポルトガルの国交の歴史は、1543年に種子島へポルトガル商人が漂着したことが始まりです
鉄砲伝来として、日本史の中でも有名な史実ですね。
ヨーロッパ各国の中でもオランダと並びもっとも長い友好の歴史があると言われており、2010年には修好通商条約締結から150年を迎えました。
ポルトガル料理は本当に、私たち日本人が初めて食べても、なんだか懐かしささえ覚えるような、そんな親しみある料理が多いです。
なにせ、代表的な日本食とされている天ぷらの起源はポルトガル料理ですし、その他にもビスケットやカステラ、金平糖(ポルトガル語でcofeito/コンフェイト。球状の砂糖菓子の意味)などは、もともとはポルトガルのお菓子です。
私たちに馴染みのある物で、実はポルトガルから渡来し、名前にもその音の由来を残しながら日本で成熟した物は結構多くあるのですよ。
そう思うと、遠い国がなんだかグッと近くに感じますね
さて今回は、ポルトガルで定番の米料理「ピーマンのピラフ」をご紹介します
ポルトガルでは、肉や魚料理の付け合わせとしてピーマンのピラフを食べます。
日本人の舌にも合うおいしさなので、新たなピーマン料理のレパートリーになること間違いなしです
ぜひお試し下さい
9月に韓国の地方都市、慶尚北道(キョンサンプクド)の北西部にある聞慶(ムンギョン)を訪れました。
このたびご縁があって、2年間にわたり聞慶市の観光広報大使を務めることになり、今回はその任命式出席をかねたツアーでの訪問です

聞慶はソウルから高速バスで2時間程の距離にある、人口は8万人程の都市。
その8割が山岳地帯という風光明媚(ふうこうめいび)な場所です

韓国の誰もが知っている名所のひとつに、聞慶セジェ(鳥嶺)という峠(とうげ)があります。
そこは、朝鮮半島の東側に位置する慶尚道(キョンサンド)と首都の漢城(ハンソン・現在のソウル)を結ぶ大街道の中継地点であり、朝鮮時代には軍事上の要所でもありました。
聞慶セジェは3ヵ所の関門があり、名前のセジェ(鳥嶺)は、鳥さえもなかなか越えるのが難しいという意味があるそうです。
現在峠は、広大な時代劇の撮影セット場があり、国内外から多くの観光客が訪れる場所になっています。
聞いた話によると、撮影セット場の建設地をテレビ局が公募したところ、観光客誘致のために場所を提供したいと名乗りを挙げたいくつかの地方自治体の中から、最終的に聞慶が選ばれたそうです

選ばれた最大の理由は、聞慶セジェの近辺には電信柱がなかったことだとか。
時代劇で電信柱が映ったらおかしいですものね。
それだけ、手付かずの自然が多く残っている土地だということです


聞慶は、その他にも薬石(やくせき)韓牛と薬石豚の産地として有名です。
昔は石炭の街として栄えた聞慶ですが、時代とともに石炭の必要性がなくなり、次第に街は廃れていきました。
しかし、近年は薬石が掘り出されるようになり、状況は一変します。
粉砕した薬石を牛や豚の飼料に混ぜて与えたところ、肉独自の臭みがなくなった上に旨味が増し、肉質がやわらかく、とてもおいしくなったのです。
薬石韓牛と薬石豚と銘打ってブランド肉として売り出され、今ではすっかり聞慶の名産品となっています

マツブサ科の植物の一種で、赤い色をした果実が5つの味を持つことからこの名が付けられました。
乾燥させた五味子の実は、生薬やお茶として親しまれています。
日本では漢方薬として扱われているので薬局で処方されないと買えませんが、韓国では食品として扱われているため手軽に手に入り、身近な食材のひとつです。
聞慶で生産される五味子は韓国全土の収穫量のうち、約4割を占めると言われています。
これは聞慶の気候が、夏も暑すぎることがなく五味子の栽培に適しているため、名産品として多く栽培されるようになったのだとか

地方都市は、多くの観光客が訪れるようになると、街が様変わりして趣がなくなる傾向がありますが、聞慶はまだまだ自然が豊かに残されています

観光スポットもあり、食事も充実しており、お土産もある土地です。
ぜひ一度、聞慶を訪れてみてはいかがでしょう?
さて、今回はこの時期にピッタリの、「きのこと牛肉のピリ辛寄せ鍋」をご紹介します。
本来はしょうゆ味がベースで辛くないのですが、少しアレンジしてコチュジャンを使いました。
肌寒い季節は、この鍋で体の中からポカポカになって下さいね

こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
私の周りには国内旅行を楽しむ感覚で、1人気ままに韓国旅行をする方が結構いらっしゃいます
今は仕事や勉強を目的に韓国へ行くため、余程のことがない限りほとんどが団体行動ですが、私もかつてはそのうちの1人でした。
私の経験上、韓国は諸外国よりも比較的治安が良いので、1人旅におすすめの国だと思っています
とは言え、メリットがあればデメリットもあります。
それは食事。
時代とともに風潮は変わりつつありますが、韓国では基本的に個食が敬遠されているため、飲食店には2人以上で入るのが前提です。
ごはんを1人で食べない習慣は、普段の挨拶にも象徴されています。
韓国では友だちや知人に会ったときに、「こんにちは」の代わりに第一声が「ごはんを食べましたか?」と言うこともあります。
何ごともごはんから始まるので、そこで食べていなければ食堂へ直行
なんてことも!
大勢で食事を分かち合うのが良いという考えがあるため、お1人様ごはんは、韓国の人たちにとって例外なのです
韓国で1人旅を楽しむ場合、この点は不便なので、1人でも入りやすい飲食店を事前に調べておくと良いでしょう
例えば、日本の方が好む飲食店ならば、
・お粥
・のり巻き(キムパプ)
・スンドゥブチゲ
・牛骨スープ(ソルロンタン)
・参鶏湯(サムゲタン)
・うどん(カルグクス)
・ビビンバ(ピビムパプ)
などがおすすめです。
これらのお店なら、1人前ずつの器で料理を出してくれるので、お1人様でも安心なのです
一方、韓定食(コース料理)や焼肉など大勢で食べる料理を、1人で食べるのは難しいですね
注文できるのは2人前からというお店も少なくありません。
ただ、2人分の金額を払えばOKという場合もあります。
韓国料理の仕事を始めたばかりの頃、ソウルで有名な宮廷料理を出すお店で、どうしても1人で食事をしたくて、遠く日本から来たことを強調して頼み込んだこともありました
どのお店もそうとは限りませんが、せっかくの機会を逃したくないときは、交渉してみるのも良いですよ
過ごしやすい気候の秋は、韓国旅行にピッタリの季節ですね。
韓国は、1人でふらりと気軽に行ける距離の国です。
日本と同様、秋に旬を迎える食材も多いので、現地でおいしい物を堪能しに韓国へ遊びに行ってみてはいかがでしょう
本日のレシピは、「タラコスンドゥブチゲ」です。
日本で食べられるスンドゥブチゲは、アサリ入りが一般的ですが、韓国では色々な具材の組み合わせがあります。
いつもとは違ったスンドゥブチゲを作ってみて下さいね