こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
すっかり春めいて、花粉症の方にとってはつらい季節になりました
この時期は、朝晩と日中の寒暖差が激しいため、出かけるときの服装をどうするか悩みますよね
気温が上がるとつい薄着をしがちですが、暑くなったり寒くなったりを繰り返す春も、意外と体が冷えるので注意が必要です
「冷え」は万病の元とも言われていますので、放置せずに早めに対処した方が良いでしょう
具体的には、湯舟に浸かって体を温めたり、血行を促進する運動をしたり、体を温める食材を食事に取り入れたりするなどです
生活習慣を少し見直すだけで、冷えの対策になりそうですね
そこで今回は、冷え性対策にぴったりの体を温める食材のひとつ、「カブ」に注目してみます。
白い「カブ」はその見た目から雪を連想させ、俳句では冬の季語として使われています。
私の住む関西地方では、お正月に京都の「聖護院カブ」で作った「千枚漬け」を食べる習慣があり、「カブ」=「冬」のイメージが強いです。
しかし、実は「カブ」の旬は3〜5月の春と10〜11月の秋の二季があります。
春の「カブ」はやわらかく、秋の「カブ」は甘みが強いのが特徴です。
「カブ」が体を温める食材とされている理由は、その栄養成分にあります
白い根の部分は淡色野菜で、主な栄養素はビタミンC、消化酵素のアミラーゼで、消化吸収を助け、整腸作用が期待できます。
一方、葉の部分は緑黄色野菜で、ビタミンA・C、カリウム、カルシウム、鉄分を豊富に含み、高血圧、ガン予防、むくみ解消、美肌などに効果が期待できます。
根にも葉にも共通して含まれるビタミンCには、血液の主要な材料となる鉄分の吸収を促進したり、毛細血管の機能を保持したりする働きがあり、冷え性に効果があると言われています
冷え性の対策として「カブ」を料理で使うときは、やはり温かい煮物やお味噌汁にするのがおすすめです。
他に、根の部分はアクが少ないので、生のままサラダや和え物にしてもおいしいですし、葉の部分は漬物、炒め物、佃煮にするなど調理のバリエーションは数え切れない程あります。
「カブ」は葉を付けたまま保存すると、根の栄養分や水分が葉に持っていかれ、しなびやすくなるので、早めに根と葉を切り離しましょう。
切り離した葉はすぐにしおれてしまいますので、日を置かずに調理します。
根の部分は冷蔵庫の野菜室など涼しい所で保存すれば、一週間程度は持ちます。
さて、今回は胃腸に優しく春の冷え性に効果的な「サワラのゆず風味かぶら蒸し」をご紹介します。
カブをすりおろしてメレンゲを加え、トロトロの食感に仕上げました。
風味付けのゆずも体を温める食材なので、冷え性対策にぴったりです。
ぜひお試しを
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
前回に引き続き、ベルギーの食についてです
今回はベルギーのスイーツ事情をご紹介します。
美食の国として有名なベルギーは、お菓子の種類も豊富です
チョコレートを筆頭に、キュベルドン(鼻をかたどった三角錐の砂糖菓子)や、アントワープセ・ハンチェ(伝説の巨人の手をかたどったチョコレートやビスケットなど)、アーモンドの香り豊かなマッテンタルトなど。
数え上げたらキリがない程に、スイーツが充実しています。
ベルギーの数あるお菓子の中で、日本人に一番メジャーな物と言えば「ワッフル」ではないでしょうか。
実際に、ベルギー国内には多数のワッフル屋さんが存在します。
しかし実は一口にワッフルと言っても、ベルギーでは2種類の物が食べられていることをご存じですか
ひとつは、メレンゲを生地に使ったブリュッセルワッフル。
長方形で表面さっくり、中はふわっとした口当たりです
甘みの少ない生地のため、粉砂糖をかけて食べますが、生クリームやフルーツをたっぷり載せることもあります。
ブリュッセルワッフルは前回のブログでもご紹介しました通り、創業1839年のゲントという町にあるティーサロン・MAXが発祥です
しかしそのシェフが「ゲント」という地名よりも、「ブリュッセル」の方が有名だし高級感があるとあえてそう名乗ったという、ユニークな由来があります
もうひとつは、リエージュワッフルです。
こちらは楕円形または円形に焼かれている物が多く、ブリュッセルワッフルに比べると厚みがあって小ぶりです。
もっちりと弾力ある食感で、甘みもしっかりとあります
このリエージュワッフルの特徴は、上にかかったパールシュガーです。
パールシュガーとは日本で言うザラメのような砂糖のことで、焼いたときに熱で溶けたシュガーから、カラメルのような香ばしさが立ち上り食欲をそそります。
また食べると、溶けきらなかったシュガーがカリッとした歯ごたえを生み、もっちりとした生地の良いアクセントに
発祥はその名の通り、リエージュという町で、18世紀にこの地がかつて司教領だったときの王子が、料理番にリクエストし生み出されたと言われています。
上記2種類に共通するのは、碁盤の目のようなワッフルメーカーで焼くということ。
ワッフルと言えばこの形ですが、もともとは蜂の巣を模した形で、生地への熱伝導率が良いためこの形となったそうです
それぞれ、味わいも魅力も違うワッフルです。
機会がありましたら、どちらも食べてみて下さいね
それでは今回は、「ブリュッセルワッフル」のレシピをご紹介します。
甘みが少なく、外はカリッと、中はふわっとしたブリュッセルワッフルは、大人から子供まで大好きな味わい
粉砂糖やシロップをかけるだけでも良いですし、たっぷりとフルーツやクリームを添えてトッピングを楽しんでも良いですよ
ちなみにこのレシピには、我が家が鉄製のガス焼き用直火式ワッフルメーカーを使用しているため、直火式ワッフルメーカーの調理方法を記載しています。
もちろん、電気式のワッフルメーカーで焼いてもOKです。
ぜひお試し下さい
こんにちは!料理家の竹内ひろみです。
毎日の料理作りに欠かせない調味料のひとつと言えば、塩です
塩は料理に塩気を足すだけでなく、「素材のうまみを引き出す」というおいしい料理作りには欠かせない役割も果たします
しかし、お店の調味料売り場に行くといろいろな塩が置いてあり、どれを購入したら良いか迷うことってありませんか?
私たちの体は摂取する食物によって状態が左右されるので、体のことを考えるとやはり、「良い塩」を選びたいですね。
塩を選ぶポイントは、商品の裏側に記載されている製造方法をチェックすることです
我が家にある塩を例に取ってみましょう。
製造方法
原材料名:海水(伊豆大島)
工程:天日、平釜
とあります。
この製法は、海水を太陽光や風に当てるなど自然の力で水分を蒸発させ、平釜で焚いて濃縮し、結晶化させるというものです。
こうしてできた塩は、天塩(あまじお)や天日塩(てんぴじお)と呼ばれ、日本の伝統的な方法にのっとり時間と労力をかけて作られています
天塩は、海水が本来持っているミネラル分(ナトリウム、マグネシウムなど)を豊富に含んでいるため、工場で精製される塩化ナトリウムの純度の高い塩と比べると、味わいに深みがあり、まろやかな甘味を感じます。
また、塩は海水から作られる海塩の他にも岩塩などがあり、元の原料がその土地や風土によって異なります。
日本では岩塩があまり産出されないのでなじみが薄いですが、食用に加工された岩塩にはほとんどミネラル分が含まれていません。
日本の水は、ヨーロッパのようなミネラルの多い硬水ではなく軟水のため、ミネラル豊富な海の塩を日常の料理に取り入れることで、体内のミネラルバランスが良くなると言われています
丁寧に作られた塩はそれだけ高価ですが、数ヵ月かけて毎日少しずつ使う調味料です。
ぜひ、体にとって良い塩を選んでみてはいかがでしょう?
さて、今回は「豆と野菜のホットサラダ」をご紹介します。
サラダにする食材は、素材の味が命
このレシピでは野菜を蒸すときに塩をふりかけ、素材のうまみを引き出します。
いつもと違う特別な塩を使えば、ぐっとサラダがおいしくなること間違いなし!
ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
先月、ソウルで韓国のデザート「後食(フシク)」について勉強してきました
後食とは、韓国語で「デザート」を指す言葉です。
その中でも、韓国独自の伝統的なお菓子を総称して「韓菓(ハングァ)」と呼びます。
韓菓の歴史は古く、13世紀末に刊行された史書「三国遺事」に高麗時代の宮中儀式で使われた記述があります。
その背景には、高麗時代に仏教文化の影響を受け、緑茶が飲まれるようになったことがあります。
茶の隆盛に伴い、菓子類も発達したようです。
その後の朝鮮時代には嗜好品として、韓菓は王家の婚礼儀式や客のもてなしに欠かせない物となり、様々な種類が作られるようになったと言われています。
そして近代に入ると、庶民の間でも韓菓が広く作られるようになります。
現代の韓菓は、祭祀やお祝いのときに出されたり、贈答品として用いられたりする他、日常的におやつとして食べられるようになりました。
韓菓は主に、もち米粉、小麦粉、片栗粉などの穀物の粉や、くるみ、なつめ、松の実などの堅果類、果物などを材料に作られる菓子で、素材の味を活かした優しい味わいの物が多いです。
韓菓の種類は数百種あるとも言われていますが、中でも代表的な物を挙げてみましょう薬菓(ヤックァ)
小麦粉にハチミツ、ゴマ油、シナモンパウダー、ショウガ汁などを混ぜ合わせてひとつにまとめてから、生地をのばし型抜きで抜き、低温で揚げてシロップに絡めた物です。油菓(ユグァ)
もち米粉で作った生地を蒸してから、食べやすい大きさに切り乾燥させ、油で揚げてゴマや粉類をまぶした物で、サクサクとした食感があとを引きます。
10日間程水に漬けて発酵させたもち米粉を使うなど、時間も手間もかかるお菓子なので、古くは新婦から新郎家族への心を込めた贈り物として使われていました。強精(カンジョン)
松の実やゴマ、豆類などをシロップに混ぜてから煮つめた物を、木枠に入れて成形し、固まったあとに食べやすい大きさに切り分ける、シリアルバーのようなお菓子です。正菓(チョングァ)
根菜類などの野菜や果物を一度湯がいたあとにじっくりと砂糖で煮つめた物です。
正菓には二種類あり、じっくりと煮つめる工程で完成の物と、その後乾燥させる物があります。
昔はそのままで食べていましたが、近年は餅のトッピングとしても使われています。茶食(タシク)
片栗粉やきな粉などの粉にはちみつを混ぜて練り、専用の木枠で型抜きしたお茶菓子です。
伝統的な韓菓は日本でほとんど知られていませんが、どれも素朴な味わいで、一度食べるとクセになるおいしさです。
韓国のデパートや専門店などで手に入りますので、旅行に出かけたときはぜひ食べてみて下さいね
さて今回は、韓菓の中から、比較的簡単に作れる「梅雀菓(メジャックァ)」をご紹介します。
上記では挙げませんでしたが、これも韓菓の代表的な物です。
名前の由来は、「梅に雀が座ったような」特徴的な形にあります。
上品な甘味のシロップと、カラッと揚がった生地の食感がやみつきになる一品ですので、ぜひお試し下さい!