2014年11月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です 。
寒くなり、いつもに増して食卓に登場する料理に煮込み料理 が増えました
ふんわりと上がる湯気を見ていると、それだけで心まで温かくなります
今日は、この冬場にこそおいしく頂ける『旬の乾物』についてご紹介します。
乾物は、長期に渡って常温での保存が効く、とても便利な食材です。
現代のように物流や生産技術が発達する前、特に寒くなる今頃から冬場かけては食物の収穫量が乏しくなります
乾物は、野菜類などを摂取できる貯蔵法でもあり、天候不良などで野菜高騰!というときにも強い味方になってくれますね。
まさに先人の知恵が今も息づいています。
この乾物、1年中で回っていますが、それなりに旬はあります。
例えば、冬の気象条件を利用して作られる「高野豆腐」は、まさにこれからが旬 と言えるでしょう。
世界遺産としても有名な和歌山の高野山を発祥とする由来からその名が付けられたと言われています。
その一方で、東北や北陸では、古くから「凍み(しみ)豆腐」「凍り(こおり)豆腐」として同じような乾物が郷土食材として存在しています。
その製法に多少の違いはありますが、冬の寒さを利用して豆腐を凍らせ、その後、乾燥させるのは一緒です。薄く切った豆腐をワラで縛って軒先に吊るす様子は、有数の生産地である長野などでは冬の風物詩でもあります。
ちなみに、山形県月山の「六条(六浄)豆腐」は同じように豆腐を乾燥させた物なのですが、ちょっと変わっています。
豆腐に塩を塗ってカチカチになるまで干し、これを水で戻さずに鰹節のように削って使います。日本全国には、本当に豊かな食文化が根付いているのですね。
普段何気なく使う乾物にも旬がある、とちょっと意識するだけで、日本の季節を感じながら毎日の食生活を楽しめるような気がします
さて今回は、高野豆腐を使ったあったか煮物『高野豆腐の肉詰め』をご紹介します。
ヘルシーなのにボリューム満点です。ぜひお試し下さいね。
こんにちは!
料理家の ひろろ こと 竹内ひろみです。
だんだんと寒さが身にしみる季節になってきました
温かいお味噌汁やスープが本当においしいと感じますね
汁物は栄養バランスが取りやすい料理なので、我が家の食卓でも毎日欠かさずに登場します
と言うのも、野菜をベースに肉や魚、豆類をプラスすることで、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをワンボウルで摂ることができるのです。
ミネストローネのようにパスタが入るスープは、糖質も一緒に摂れるので食べる時間がないときには、とても重宝しますね
そんな『スープ』ですが、栄養バランスだけでなく、身体にとって嬉しい効用があります。
それは食べ過ぎ防止効果です。
空腹時、ガーッと必要以上に食べてしまうことはありませんか?
特に、昼から夕食までの時間、私はついつい食べ過ぎてしまうのですが そんな食べ過ぎを防ぐため、温かいスープから頂くようにしています。
そうするとお腹の空き具合が落着き、必要以上に食べなくても満足できるのです
とう言うのも、スープの材料となっている野菜に含まれる食物繊維が適度な満腹感を与えてくれるからなのです。
また、具沢山のスープなら、よく噛んで食べることになるので、満腹になる前の食べ過ぎにストップがかかります
また、温かい汁物で内臓を温めると消化が促進され、脂肪が燃えやすくなるんです。
ご飯やおかずを食べる前にスープを頂いて、冷えた体を温めてから他の料理を食べるようにするといいですね。
それでは、本日のレシピをご紹介します。
『角切り野菜のマイルドスープ』。サフランが隠し味の具沢山スープです。
ぜひ、お試し下さい。
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国料理は焼肉のイメージが強いですよね?
韓国ではいつから『肉』を食べるようになったのでしょう?
先史時代(文字を持たない時代)、大陸の民族は移動しながら狩猟を行なっていたためその影響を受けました。
部族国家に入ると、牛、豚、鶏が飼育されるようになり、 「炙(ジョク)」と言う串焼きが生まれました。これが焼肉の原点だと思われます。
10世紀、高麗時代になると仏教文化が発達したため、肉食が禁止になり、労働力として牛、馬が飼われ、牧場が多く存在しました。
しかし13世紀の中頃に入ると、元との交流が活発になり、元の使者のために肉の食事を用意しなければならず、殺生禁止の戒律をやめざるを得なくなります
このときに誕生した料理が牛肉のスープ「ソルロンタン」。モンゴル語の「スュルル(肉を煮た汁)」から派生したそうです。また苦肉の策として、鶏や豚を食べるよう命じることもありました。
高麗時代の末期には肉食がほぼ復活しました。
開城(ケソン)では雪夜炙(ソルヤジョク)と言って、牛肉を味付けしてから焼き、水に浸けては焼きを繰り返す方法が存在。さらには、刺身にして食べる方法も取られていたと言われています。
朝鮮王朝時代になると、それまで肉食が禁止されていた仏教が廃止され、儒教を崇拝したため、完全に肉食文化が復活
肉料理が大きく発達し、宮中では「ノビアニ」が生まれました。これは網を使って直火で焼く方法で、比較的現在の焼肉スタイルに近いです。とは言え、ノビアニは食べるときに直接口に運ぶのではなく、焼き上げてから器に盛り付けて出されました。
肉食文化が発達したとは言え、口にできるのは一部の貴族のみの、冠婚葬祭用の高級料理でした。そこで、丸一頭が食べられるような調理方法が生み出され、内臓も捨てずに活用しました
現在の焼肉スタイルが確立したのは、朝鮮戦争後です。
戦争で家を失った人々が小屋を建て、屋外でコンロを囲んでの食事。この頃に『焼いたらすぐに箸で取って食べるプルコギ料理が誕生』し、認知度は一気に高まりました。
最近では、フライドチキンがブームになるなど、韓国の肉食文化も外国文化の影響で多彩になり、まだまだ進化しそうですね。
さて、本日のレシピは、スネを使った 『牛肉とダイコンのスープ』です。スネから旨みがしっかりと出た優しい味の一皿です。
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
11月になるとグッと気温が下がり、温かい食べ物が恋しくなりますね
鍋や温かい麺類も良いですが、グラタンやドリア、チーズフォンデュなどのチーズをたっぷり使った料理もおいしいですよね。
今年(2014年)のボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月20日です
チーズはワインと相性抜群
大型スーパーや百貨店などでは各国の様々なチーズを買うことができ、ワインとの相性を考えながら選ぶのも楽しいものです
そこで今回は、『チーズの豆知識』をご紹介します。
チーズにはたくさんの種類がありますが、大きく分けて「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類があります。
「ナチュラルチーズ」は、牛や羊などの乳を乳酸菌と酵素で発酵させて固めた物です。
「プロセスチーズ」は、ナチュラルチーズを加熱処理して保存性を高めた物です。
加熱していないナチュラルチーズには、乳酸菌や酵素が生きたまま含まれているため、腸内で善玉菌を増やして腸の働きを整え、便秘の予防に効果が期待できます。主な成分は、たんぱく質と脂質ですが、チーズに含まれるたんぱく質は酵素の働きによって消化しやすいのが特徴です。
その他にもビタミンAやB2、カルシウムが豊富に含まれています。チーズのカルシウムは、たんぱく質と結合した状態で含まれているの吸収されやすくなっています。
また、アミノ酸の一種であるメチオニンが豊富に含まれているので、アルコールの分解をスムーズにし、肝臓に優しいので、まさにおつまみに最適な食材なんです
さて、今回は『北欧風ポテトグラタン』をご紹介します。北欧では、ヤンソンの誘惑と言う愛称を持つ定番の家庭料理です。ぜひお試し下さいね
※「ヤンソンの誘惑」とは、厳格なベジタリアンであるヤンソン氏が、誘惑に勝てずについ食べてしまった・・・ということが名前の由来になっているそうです。