2014年9月の記事
こんにちは!
料理家の ひろろ こと 竹内ひろみです。
先日、子供から「なんで小松菜をゆでるときは、沸騰した湯に塩を入れるの?」と質問がありました。
普段、何気なくやっている調理ですが、「なんでそうするのか?」と立ち止まって考えることってとても大切ですよね。
考えずにただ、言われた通りやっているだけでは、料理を覚えるのに時間がかかりますし、同じ失敗を繰り返してしまう原因にもなります。
何故?の答えは科学的に説明できるものが多く、「調理」と「科学」は本当に結びつきが強いなと実感することが多いです。
先程の質問にもあった緑の野菜をゆでるときに塩を加えるのは、グリーンの色をきれいに保つためなんですね
これは野菜の色素であるクロロフィルが食塩の成分であるナトリウムイオンと部分的に置き換えられるからです。 塩を加えると同時に沸騰した湯で短時間にゆでますが、これは長時間加熱すると色があせて、グリーンの色が悪くなってしまうからなのです。
また、緑の野菜に酢を加えてしまうと色が悪くなってしまいますが、レンコンやゴボウなどは酢水に浸けると色を保つことができます。 これは野菜に含まれるフラボノイドという色素が酸性で無色に、アルカリ性では褐色になると言う性質を利用した物です。
以前、子供と一緒にさやいんげんをゆがいたとき、塩を入れる手順を説明してゆがいてもらったら、それ以降、こちらから何も指示をしないのに沸騰した湯に塩を加えてゆがいていました。
何も分からず手を動かすのではなく、調理の意味を理解して料理すると身にも付きやすいですし、失敗する回数も少なくなるんですね
さて、本日は『高野豆腐の竜田揚げ』をご紹介します。
高野豆腐も戻し方次第で、硬さが違ってきますね。
熱湯だけで戻すと煮崩れしてしまいますが、塩分をプラスすると煮崩れを防ぐことができます。
これは高野豆腐に含まれている膨軟剤が塩分に反応して軟らかさが変化するのですが、今回のレシピでは膨軟剤が入っていない素材を使用してみました。
ぜひ、レシピの方をチェックしてみて下さい。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
まだ夏の名残が感じられる暑い日 がありますが、つい先日、「やーきいも〜」とおおらかに響く石焼き芋屋さんの声を聞いてビックリ
暦は9月・・・秋ですね・・・
そんな石焼芋で使われる『サツマイモ』は1年中見かける常備野菜ですが、もちろん旬があり、その種類も様々です。
品種によって時期は多少ずれますが、 「紅あずま」や 「鳴門金時」などの人気品種の初物は9月頃から、ねっとりした食感と甘みが人気の「安納芋」は10月頃から出回ります。
日本ではもともと「甘藷」(かんしょ)」と呼ばれ、戦国時代にはすでに沖縄や九州地方に上陸し、西日本を中心に栽培が拡大。その伝来経路から現在の「薩摩芋=サツマイモ」が定着したようです。
サツマイモがメジャーな作物となったのは、実は時代劇のモチーフで人気の「大岡越前」と呼ばれる江戸南町奉行・大岡忠相(おおか ただすけ)と深いかかわりがあります。
西日本では凶作対策の備荒作物としてすでに奨励されていた甘藷。
儒学者・青木昆陽(あおき こんよう)はこれに着目して『甘藷記』 と言う農業資料をまとめていました。
この書物を忠相が当時の8代将軍・徳川吉宗に献呈したことから、江戸でも甘藷の試植が始まり、さらに書物が刊行されて世間にも広く知れ渡ることになった、というわけです。
サツマイモは、すぐに人気野菜の仲間入りをしたようで、江戸時代の屋台の天ぷら屋では、サツマイモ天は定番メニューのひとつになっています。
さらに明治維新の頃、大久保利通が内務卿時代に各地の篤農家にサツマイモの栽培方法を広め、さらに栽培地域も拡大。
こうしてサツマイモは全国区となったのです。
しかし、こうして見ると東日本では、意外と歴史の浅い野菜なんですね。
さて今回は、このサツマイモをサラダにしました。彩りも鮮やかなデリ風にアレンジ
いつもと違うさっぱりしたおいしさを楽しんで頂けるはずです。
『サツマイモとクルミのサラダ』をぜひお試し下さいね!
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
少しずつ日が短くなり、秋の訪れを感じますね
近年は残暑が厳しく、私の住む大阪では10月の初旬まで気温の高い日があります。
今の時期は、ホッとして夏の疲れが出やすくなります。
そこで今回は、『夏の疲れを取る栄養素の組み合わせ』についてご紹介します。まず、夏の疲労(夏バテ)の主な原因です。
冷たい物を食べ過ぎ、食欲低下などによる食生活の乱れ
外気と冷房が効いた室内との温度差による自律神経の乱れ
紫外線による活性酸素の影響
熱帯夜などによる睡眠不足
上記1〜4の体調不良や休暇中の生活リズムの乱れからくるストレス
次に、夏バテを解消する栄養素の組み合わせです。
糖質の代謝を助ける「ビタミンB1」とビタミンB1の吸収を助ける働きのある「アリシン」の組み合わせ
[例] 豚肉(ビタミンB1)+ニンニクやタマネギ(アリシン)・豆腐(ビタミンB1)+青ネギ(アリシン)
活性酸素の発生を抑制する「たんぱく質」+「ビタミンA+C+E」
[例] カボチャ(ビタミンA・C・E)+鶏ひき肉のあんかけ(たんぱく質)など
その他にも、身体を温める食材(ショウガ・ニンニク・トウガラシ・シナモン)などを取り入れて身体の冷えを解消することも大切です。
疲労回復やダイエット、老化防止など様々な健康に関することに共通することですが、「これを食べれば必ず!」という食品はありません。
バランスが大切です。
食事療法に即効性はありませんが『食べた物から身体は作られる』ので、日々の心がけが心身の健康につながっていくことと思います
さて、まだまだ気温が高いこの時期には、キッチンに立つ時間は短い方がありがたいものですよね。
「作りおきできるおかずの素」をまとめて作っておけばとても重宝します
今回は、消化が良く、疲労回復効果の期待ができるビタミンB1が豊富な豚ひき肉、その吸収を助けるアリシンを含むニンニクを使った肉味噌たっぷりの野菜と炒め合わせた『肉味噌キャベツ炒め』をご紹介します。
味噌とニンニクの香りが食欲を刺激し、ご飯がすすむ一品です。ぜひお試し下さい
こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
昨年、著名な医学博士が取り上げたことで、『水キムチ』が注目を浴びました。
今でも美容などに良いと話題になっていますが、今回はそんな水キムチの栄養にスポットを当ててみたいと思います
水キムチは、大きく分けると2種類あります。
丸漬けの水キムチ
主に小振りのダイコンを丸ごと漬けた物で、冬沈(トンチミ)と言います。白菜キムチとともに代表的な物で、秋の終わりになると、越冬用のトンチミを大量に漬け込みます。
昔は大きなカメにキムチを入れて、土の中に埋めていました。
低温で長期保存ができたため、翌年の春まで味わえました。現在はキムチ冷蔵庫のお陰で保存性が高まっています
食べるときはダイコンを一口サイズに切り、汁もたっぷり添えます。汁は辛みがなく、サイダーのような爽やかさ。冷麺のスープにも欠かせません
切漬けの水キムチ
白菜とダイコンを短冊状に切って漬け込んだ、ナバクキムチが代表的です。朝鮮王朝時代によく食べられていた物で、当時は漬け汁が白濁していました
唐辛子が朝鮮半島に伝来してから汁が赤く染まり、現在のナバクキムチになりました。
この2種類の水キムチは、具よりも汁を楽しむ物。そして、この汁に栄養が詰まっています。
そもそも、キムチは発酵により乳酸菌が増えますが、水キムチの乳酸菌は一般的な白菜キムチよりも倍近くの量
腸に働きかけ、腸内環境を整えてくれます。
その結果、デトックス、美肌、ダイエットに効果があるんですね。
ちなみに韓国人女性の食事の量は多い方ですが、キムチや野菜の摂取が多いので、美容の面でもその恩恵を受けているように思えます。
また、食欲がないときは水キムチの汁をコップ一杯飲むだけでも、元気になります。汗をかいたときの水分や塩分補給にも良いです。
私がおすすめのアレンジレシピは「素麺入り水キムチ」です。
ゆがいた素麺を洗って水気を切り、水キムチに投入するだけ。
水キムチはたくさん作っておくと便利ですよ。
さて、本日のレシピは、『キュウリの水キムチ』です。
梨で自然な甘さを出しています。
発酵させる時間が必要ですので、残念ながらすぐに食べられませんが、味をみて程よい酸味が出てきたら、食べ頃です
今回のレシピは、アミの塩辛のタンパク質とカルシウムなどのミネラル、野菜のビタミン、食物繊維なども一緒に摂れる優れ物です