こんにちは、料理家の野上優佳子です。
我が家では、寒さが続く冬は煮込み料理が多くなります。
ガスコンロで煮立てた鍋からフツフツと上がる湯気が、家の中を温めてくれて加湿もしてくれるので、暖房も加湿器も使わずにお部屋がほっこり温まるのです。
さらに料理のおいしい香りまで運んでくれ、とても幸せな気分になるので冬の煮込み料理はおすすめですよ
冬にする煮物は、何もお肉や魚、お野菜などのおかずに限ったことではありません。
リンゴを煮るのも、我が家では定番
青森出身の私は、リンゴをあちらこちらからたくさん送って下さいます。
シャキシャキのフレッシュな物を食べるのも大好きなのですが、実は我が家はみんな煮たリンゴにも目がありません
春を過ぎても食べられるように、この時期にたくさん煮ておきます。
生でもおいしいのにもったいないと思う方もいるかも知れませんが、旬のときに煮るからこそおいしさが閉じこめられ格別な味わいになるのです
リンゴと言っても種類は様々であることは、以前もこちらのブログで書きました。
(リンゴの種類の紹介記事:http://www.nasluck-kitchen.jp/blog/index.asp?entry_id=754)
フジのように傷みにくい物もあれば、スターキングや千秋(せんしゅう)などのように日持ちがしない物もあります。
大まかに言ってしまえば、早生や中生種はあまり日持ちがしません。
そういう物は、シロップ漬けやジャムにすることにしています
紅玉は酸味が強く加熱調理に向いていることはよく知られていますが、他の品種もレモン汁を加えて酸味をプラスし、加熱調理すればとてもおいしくなります。
そのときに選ぶリンゴは、早生や中生の品種がおすすめです。
煮たリンゴの味わいはもちろんですが、素晴らしいのは、煮ているときのあの甘酸っぱい香り
外での打ち合わせがなく、終日自宅で仕事をしているときに煮ると、忙しくてなんだか落ち着かなくなっていた気持ちがいつの間にか収まっていたりします。
まるでアロマテラピーのようです
さて今回は、我が家の定番のひとつである「リンゴのシロップ漬け」のレシピをご紹介します。
とても簡単ですが、本当においしくできます。
1ヵ月程度日持ちしますので、保存用のおやつとしてもおすすめですよ
ぜひお試し下さい。
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
今年は1月4日が月曜日なので、ゆっくりお正月気分を味わえないまま新年が始まったような気がします。
気忙しいのは私だけではないようで、まだ新年明けて間もないというのに、八百屋さんには初春の野菜が並び始めていました
その中でも特に目を引いたのが、元気で青々とした菜の花です。
ひと足早い春の訪れを感じました。
さて、「菜の花」と一口に言っても、いろいろな種類がお店で売られています。
一般的には、短めに切り取られた束が紙で包まれた状態で売られている物は「菜の花」と書かれており、もっと背が高くて透明なビニール袋に平らに袋詰めされている物は「なばな」と書かれて売られていることが多いです。
さらには茎が赤い物があり、これは「紅菜苔(こうさいたい)」という名前で、菜の花の一種です。
また以前に、なばなかと思って手に取ったら「アスパラ菜」だったということがありました。
ちなみにアスパラ菜というのは、アスパラガスの花蕾(からい)かと思いきやそうではなく、なばなと同じアブラナ科の植物です。
アブラナ科の中国種を交配させた新品種で、アスパラガスに似た味わいからそう名付けられたそうです。
全然別物なのでびっくりしました
これらはすべてアブラナ科アブラナ属の花の芽で、その総称として「菜の花」「なばな」と呼んでいるそうです。
また「花菜(かさい)」と呼ぶこともありますが、「花菜」は花を食用とする野菜の総称で、中でもブロッコリーやカリフラワーを指すのが一般的です。
また、菜の花は上の写真のように和種と西洋種があります。
花蕾が大きく茎を短く切り揃えて売られている物は和種(写真向かって左)で、花蕾の部分よりも茎部分が長い物が西洋種(写真向かって右)です。
それぞれ味わいも違いますので、ぜひ食べ比べてみて下さい。
それでは今回は、西洋種の菜の花と牛肉を使った、ボリュームたっぷりのホットサラダのレシピをご紹介します。
お正月のあっさりした和食に飽きた方にうれしい、エスニック風味に仕上げました
ぜひお試し下さいね!
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
早いもので、今年最後のブログ更新となりました
今年最後の更新ということで、来年に向けて「おせち料理」のお話を少々……
おせちは作らない、食べない方もいらっしゃると思いますが、最近は縁起物だからと黒豆やきんとん、ごまめ(田作り/たつくりの別名)などの代表的な数品は手作りし、あとは市販品などを組み合わせるハイブリッド派も多いようです。
中には、今年初めておせちを作ってみようという方もいらっしゃるのでは
おせち料理のレシピを開くと、普段見慣れない「これは食材なの??」といった物が書かれており、戸惑う方も多いようです。
おせちの材料には「ミョウバン」や「クチナシの実」、「錆びた釘(古釘)」など、普段の調理ではあまり見かけない食材を目にします。
ミョウバンやクチナシの実はともかくとしても、「錆びた釘(古釘)」だなんて……
間違えてDIY(日曜大工)の本でも見ているのかと首をかしげてしまいますよね
でも、これもれっきとしたおせちの材料なのです
そこで、今回はそんな『おせち作りの謎の食材』についてご紹介します
まずは画像の右側の白い顆粒、「ミョウバン」についてご紹介します
ミョウバンは、正式名を「硫酸アルミニウムカリウム」と言います。
食品衛生法による分類上では、ラーメンに使用されている「かんすい」などと同じ指定添加物です
ミョウバンまたはカリミョウバン、焼きミョウバンなどの名称でスーパーなどで販売されており、ナスの漬け物やゆでタコ、ウニなどの色を安定させるために使用されています。
おせち料理では、色を鮮やかにするために栗きんとんやごぼうのアク抜き、食材の歯ごたえを良くするための下処理に使用します。
次に、画像の左側「クチナシの実」についてご紹介します。
クチナシとはアカネ科の樹木で、6〜7月に白くてきれいな花を咲かせます。
「クチナシの実」として一般的に使われているのは、このクチナシの果実を乾燥した物で、別名・山梔子(さんしし)とも呼ばれ漢方としても使われている物です。
乾燥した実を水に浸すか熱湯で煮出すことで黄色の色素が溶け出し、それを食品の色づけや布の染料として使用します。
おせち料理では、きんとんを鮮やかな黄色に仕上げるために使われています。
最後に、問題の「錆びた釘(古釘)」ですが……
錆びた釘を入れることで、煮汁に溶け込んだ鉄分と黒豆の色素であるアントシアニンが結合し、アントシアニン色素が水に溶けてしまうのを防いでくれるため漆黒の黒豆煮が仕上がります。
もちろん、そのまま入れるのではなく、錆はきれいに落としてガーゼなどの布に包み、たこ糸などで縛って入れます。
また、最近は錆びた釘の代わりに使える専用の還元鉄も販売されていますので、「錆びた釘はちょっと入れたくない……」と言う方はそちらを使ってもOKです。
今回ご紹介した物は、色を鮮やかに仕上げたり、見た目を良くしたりするために使う物なので、手に入らないようであれば使わなくてもOKです
必ずこうしなくてはいけないという決まりではありませんで、肩の力を抜いておせち料理作りにチャレンジしてみて下さいね
さて、今回はクチナシの実を使って色鮮やかに仕上げた『リンゴとサツマイモのきんとん』をご紹介します。
リンゴの甘酸っぱさがアクセントのきんとんは、子供から大人までおいしく頂けるお味です
今年はリンゴとサツマイモのきんとんを、おせちの一品に加えてみてはいかがでしょう
それでは、皆さまの新しい年が色鮮やかで爽やかな楽しい一年となりますように
今年も一年ありがとうございました。
良いお年をお迎え下さい
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
ぐっと寒さが増し、お鍋がおいしい季節になりましたね。
皆様のおうちではお鍋に入れる定番野菜と言えば、何でしょうか?
ある企業の調査によると、白菜、きのこ類、ネギ、大根、春菊がトップ5という結果となっています。
そこで今回は、お鍋の定番野菜5位にランクインの『春菊』についてご紹介します。
春菊は「春」という文字が名前に入っていますが、秋から春先(11月〜3月)にかけて旬を迎えます。
その名の由来は、春に菊のような花を咲かせるため、「春菊」と呼ばれるようになったと言われています。
春菊を食用にしているのはアジアの一部の地域のみで、ヨーロッパでは観賞用の花として栽培されているようです。
日本では地域によって品種が異なり、関東では株が上に向かって伸びるタイプの品種が一般的ですが、関西では株が横に張るタイプの品種が一般的です。
関西では、春菊のことを「菊菜(キクナ)」と呼ぶこともあります。
春菊は、ビタミンA・C・E・カリウム・カルシウム・食物繊維が豊富に含まれています。
高血圧症、ガン予防などの他、美肌効果が非常に高い野菜なので、女性には特におすすめの野菜です
しかし、春菊はとても香りが強いので、好き嫌いが分かれる食材でもあります。
春菊の強い香りは、ベンズアルデヒドなど約10種類の成分で構成されており、自律神経に作用したり、胃腸の働きを促進したり、咳を鎮めたりするなどの効用があると言われています。
独特の香りや苦味から、アクが強いように思われがちですが、実はアクはほうれん草の25分の1程度と少なく、新鮮なものならサラダにして食べることができます。
春菊は、鮮度が落ちやすいので1〜2日程度で食べ切るようにしましょう。
保存方法は、さっと洗って保存袋に入れ、根元を下にして野菜室に入れておくのが良いです。
さて今回は、お鍋に入れるだけではもったいない、様々な効能のある春菊を洋風にアレンジした「春菊のオムレツ」をご紹介します。
オムレツにすることで、春菊の新たな魅力を発見できるレシピとなっています。
ぜひお試し下さい