こんにちは、料理家の野上優佳子です。
いよいよ私の大好きなリンゴの季節がやってきました
食用リンゴの歴史は世界的に古く、海外の神話にも登場していますよね。
意外なことに日本においてもリンゴの歴史は古く、奈良時代にはすでに中国から伝来していたそうです。
しかし奈良時代に伝来したリンゴ(和リンゴ)は現在私達が食べているリンゴより粒が小さく、食用には向かなかったため観賞用として栽培されていたのです。
現在のように甘く大ぶりなリンゴが本格的に普及したのは、アメリカから来た西洋リンゴの栽培導入がなされた明治以降なのですよ。
しかし、一口にリンゴと言ってもその品種数は多く、世界中では1万以上の品種が存在するとも言われています!
収穫期もその種類ごとに違い、8月から12月と長い期間、様々な品種のリンゴが収穫され食べられています。
そのため、実は種類ごとに一番おいしい時期が少しずつ違うのです。
日本でも馴染みのある数種をいくつかご紹介します。
「つがる」は早生(わせ)種で、収穫時期は9月上旬です。
これはゴールデンデリシャスという品種と紅玉という品種を掛け合わせたもので、酸味と甘味のバランスが良い品種です。
高い気温に弱いので、冷蔵庫に入れて保存をすると良いでしょう。
また生食でおいしく食べたいなら、買ってから早めに食べきることがおすすめです。
小ぶりで生食の食感が固く、真っ赤に色づく「紅玉(こうぎょく)」の収穫時期は10月初め頃。
酸味が強く、加熱調理しても煮崩れしにくいので、パイやタルトの具などによく合います。
明治時代には人気品種の上位でしたが、その後甘くて大ぶりな「ふじ」に押され減産。
しかし近年ではスイーツに使いやすいリンゴとして再び人気が出ており、少しずつ生産量が増えているそうです。
「ふじ」は晩生(ばんせい)種で、収穫時期は11月頃です。
青森県旧藤崎町(現弘前市)で交配育成され、1962年の品種登録以来、味、歯ごたえ、香りの良さから大人気となり、現在では世界中で最も多く作られている品種です。
無袋栽培されたものは「サンふじ」と呼ばれます。
身が固くて、貯蔵性が高い特長があり、冷蔵庫で1ヵ月程度保存していてもおいしく食べられます。
その他にもまだまだメジャーな品種もありますので、ぜひお買い物のときには旬の品種を探してリンゴを購入してみて下さいね
同じリンゴでも、品種によって旬が違うことを知るだけで、よりおいしいものが選べますよ
さて今回は、「リンゴのパウンドケーキ」のレシピをご紹介します。
私は自分の作る焼き菓子の中で、リンゴ入りの焼き菓子が一番作り慣れていて大好き
みなさんにもぜひ試して頂きたいレシピです
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
秋の食材のひとつに、きのこ類が思い浮かびます。
天然ものの収穫はこの時期ですが、通常私たちが食べているものはほとんどがハウス栽培なので、現在は通年味わうことができます。
ちなみにその生産高上位はこちら。
位 エノキ
位 ぶなシメジ
位 シイタケ
位 マイタケ
位 エリンギ
位 なめこ
このような順番となっています。
なめこよりもエリンギの方が生産量が多いとは、私にはかなり意外でした
エリンギはヒラタケの仲間で、白あわび茸とも呼ばれ英名ではking oyster mashroom(キング・オイスター・マッシュルーム)と呼ばれます。
イタリアをはじめとしたヨーロッパ各地では古くから食用とされてきましたが、日本で自生栽培しているきのこではないため、私たち日本人には馴染みのないきのこでした。
ちなみに日本のエリンギはすべて人工栽培で、自生しているものはありません
今ではすっかりきのこの定番となったエリンギですが、私が小さい頃にはスーパーでは見かけませんでした。
それもそのはず
実はエリンギは、日本の食卓に登場してまだわずか20年程度なのです
日本で始めてエリンギの人工栽培に取り組んだのは愛知県林業センターで、1993年に開始したと言われています。
当時は「カオリヒラタケ」という仮称のまま、台湾から導入した種菌で栽培に着手し、栽培技術を確立しました。
その後、長野県の大手メーカー「ホクト」が大量生産に成功。
正式な和名がなかったことから(カオリヒラタケはあくまで仮称だったので)、学名の「プレオロータス エリンジ」から「エリンギ」という名前で販売され、私たちが気軽に手に取って購入できるようになりました。
食物繊維たっぷりのエリンギは、脂肪肝を抑制する効果もあると言われています
また、値段も比較的お手頃ですし、和洋中問わずに使える食材のため、うれしい限りですよね〜
さて今回のレシピは、旬の自然栽培のものも、手に入りやすい人工栽培のものも合わせ、たくさんのきのこを使った「きのこのピラフ」にしました。
きのこのうまみがギュッと詰まったピラフは、鍋で炊き上げることでおいしさひとしおになります。
ぜひお試し下さいね
こんにちは
料理家のひろろこと竹内ひろみです。
パセリやバジルなどのハーブ類ですが、お料理の味にちょっとしたアクセントを添えたり、飾りに使ったりとあると重宝する食材ですよね
我が家の庭にも、所せましといくつかのハーブが植わっています
日本でもずいぶんと馴染みが出てきたハーブ類ですが、その効能の高さから古くより薬草として重宝されていました。
ハーブと言うと、香辛料や生薬など口にするもののイメージが強い方もいるかと思いますが、芳香性もハーブの効用のひとつです。
香りの成分はそれぞれのハーブによって異なり、鎮静作用や食欲増進作用、抗菌作用、消臭作用などカラダに嬉しい作用がたくさんつまっています
ハーブティは香り成分を楽しめるハーブの使い方で、例えばこの時期におすすめなのがミント。
ミントにはメントールという鎮静効果が期待できる成分が含まれているため、疲れているときにミントのハーブティを飲むとリラックスして気分がすっきりします。
またスッとする独特の清涼感で涼しさを感じられたり、食欲不振の改善も期待できるとも言われたりしています
ハーブを上手にお料理に取り入れるコツは、ドライ(乾燥)とフレッシュ(生)を使い分けることです。
タイムのように加熱しても風味が落ちないものは加熱し、バジルのように生のほうが香り成分がたつものはサラダにするなど、ハーブの特長を活かしてお料理に活用すると良いでしょう。
ちなみに、肉の臭み消しに適しているセージは、ソーセージの語源にもなっているぐらいお肉との相性の良いハーブですよ
ハーブですが、一度に使いきれないことってありますよね
お庭から採ってくる場合は多少量が調節できますが、購入した場合なかなかそうはいきません
そんなとき、例えばお料理の飾りとして使うことが多いパセリならば、余ってしまったときはそのままポリ袋に入れて冷凍しましょう
使うときにそのままもみほぐせばパラパラになり、簡単にパセリのみじん切りができるので便利です。
また、バジルはナッツ類とオリーブ油を合わせてペーストにしておき、調味料としてストックしておくととっても便利
たくさん作ったときは小分けにして冷凍しておけば、使いたいときに使えるので良いですね。
ハーブをポットに入れ、お湯を注いで作るハーブティもおすすめです
いくつかのハーブを組み合わせてもおいしいですよ。
家のベランダなどでも栽培できるハーブ。
ちょっと使いたいときに便利なのが家庭菜園です。
ベランダやバルコニーで栽培するだけではなく、小さなポットに植えればキッチンやリビングでも栽培できるのでおすすめです
ただ、地下茎で増えるペパーミントは他のものと一緒に植えないほうが良いようです
また地植えをしてしまうと、生命力が強すぎて増えすぎてしまうものもありますので、よく調べてから植え方を決めると良いでしょう。
それでは今回は「じゃがいものナッツジェノベーゼ和え」をご紹介します。
ナッツジェノベーゼペーストはパスタやピザ以外にも、野菜や肉との相性も良いペーストです。
余った分は冷蔵庫で保存できますので、ぜひトライしてみて下さいね
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
高麗人参と言えば、日本人には加工された錠剤やエキスの印象が強いと思いますが、韓国では生の高麗人参が料理によく使われます。
代表的なものは参鶏湯(サムゲタン)。
ひな鳥のお腹にもち米、ニンニク、なつめ、高麗人参などを詰めてじっくり煮込み、お肉とスープの両方を味わう料理です
日本人が土用の丑の日にうなぎを食べるように、韓国人は伏日(ポンナル)と言う日本の土用の丑にあたる日にサムゲタンを食べて夏バテを予防しています
その栄養価の高さは折り紙付き
高麗人参の歴史は古く、なんと6世紀以前にはすでに不老長寿の薬として朝鮮半島に存在してたと言われています。
また中国では「仙薬」「霊薬」と呼ばれ、古くから万能の生薬として珍重されていました。
書物としては、中国の医学者である陶弘景(とうこうけい・456年〜536年)が記した薬物学書である「神農本草経(しんのうほんぞうきょう」に、高句麗産の人参について記述が残っています
高麗人参は人工的な栽培が難しく、気温の変化が少なく水はけの良い土地であることが必須です。
野生に近い環境が重要で、土地作りに3年、栽培には6年かかり、さらに次の栽培まで10年土地を寝かせなくてはいけないため、生育にとても時間を要します
それ故に、希少価値が高いのです。
高麗人参には1年根〜6年根と等級があり、6年根が最高級。
3年以上のものは栄養価が高く、6年根は3年根の2倍の栄養価があります。
食べてみると、すぐにカラダが温まってきて、効果を体感することができます
薬膳的な効能は
○大補元気(だいほげんき)
体力や元気不足で虚弱になった場合、気を補います。
○補脾益肺(ほひえきはい)
胃の調子が悪く食欲不振、下痢、嘔吐の場合に鎮めます。
○生津止渇(せいしんしかつ)
体の水分や血液の減少で衰弱している場合、体内の水分バランスを整えます。
○安神益智(あんじんえきち)
元気や血液が不足するとイライラや不眠につながるため、精神安定を図ります。
韓方では気血水(きけつすい)のバランスを重視しています。
どれが多くても少なくてもダメで、どれもバランス良く体の中を巡るのが良いとされています。
特に高麗人参の効果は体が弱っているときに発揮するので、夏バテを回復させるのに最適です
高麗人参には独特の苦味がありますが、これがジンセノサイドと言うサポニンの一種で、生活習慣病や女性の更年期障害を予防するとも言われています。
手軽に摂取できるサプリメントも良いのですが、やはりおいしく食べながら健康を維持したいですよね。
そこで本日のレシピは、「高麗人参を使った肉巻き」のご紹介です。
高麗人参は塩で揉むと苦味が和らぎ、食べやすくなります
お肉との相性も良く、以前にもご紹介しました「意外に肉食」な韓国らしいレシピになっていますので、ぜひお試し下さい