こんにちは、料理家の野上優佳子です。
もうすぐ2月。節分がやってきます。
節分とは、字のごとく「季節の分かれ目」のこと。
冬から春に変わる立春の前日が節分の日なのは、そういうわけです。
節分には豆をまきます。
この風習は、中国から伝来した、疫病や災害を追い払う「追儺」(ついな)という儀式がルーツで、日本では室町時代から始まったという説があります
「豆をまく」という風習については全国各地に説話があり、その昔人々を苦しめていた鬼を退治するのに、「三石三斗の豆で鬼の目を打つとよい、というお告げを受けて鬼を追い払った」という話などが残っています
豆まきには大豆を主にまきますが、この「豆」というもの、とても優秀な食材です。
タンパク質が豊富で、やせた土地でも栽培しやすく、乾燥させて保存がしやすいなどの理由から、古代から重要な食料とされています。
世界各地に、様々な種類の豆があり、どれも個性を持った色合いや味わいがあります。
水に長時間浸してから下ゆでして、と豆を扱うのはちょっと面倒な感じがしますが、下処理がとても簡単なものもあります。
今回使うのは「レンズ豆」という種類で、インドやヨーロッパではとても一般的なもの。
カメラの「レンズ」という言葉は、この豆の形状に似ていることからつけられました。
小粒でかわいいレンズ豆は、20分程度煮れば十分やわらかくなるので、カレーやスープなど、いろいろな料理に使って頂きたい食材です。
今回は、「レンズ豆を使ったサラダ」をご紹介します。
口当たりの楽しさを味わえます。ぜひお試し下さいね
こんにちは
料理家の野上優佳子です。
毎日寒い日が続きますね。
こんなときは、身体を温めてくれる根菜類が欠かせません。
1年中見かけるダイコンの旬も、実は冬。
みずみずしくて甘味のあるおいしいダイコンは、食卓でも大いに活躍してくれます
ダイコンは、別名スズシロ(蘿蔔、清白)とも言われ、春の七草のひとつにもあげられます。
ダイコンは、日本の食材の中でも、大変古くからあるもののひとつで、弥生時代には中国から日本に伝来したと言われています。
平安期に編纂された辞書である「和名類聚抄」(わみょうるいじゅしょう)にもその記述は見られます。
日本は白いダイコンが一般的ですが、例えばロシアなどは、皮の黒いものが一般的だったり、世界各国では白色以外のダイコンも食されています。
ダイコンと言えば。
わずか34歳で逝去した詩人、歌人の正岡子規は、食への関心がとても高かったことで有名ですが、ふろふきダイコンが大好物だったことでも知られています。
敬愛する与謝蕪村の命日に開かれた蕪村忌には、ふろふきダイコンをふるまったそうで、東京・根岸に残る正岡子規の家「子規庵」では、今も12月末にその慣習にならって蕪村忌が開かれ、来庵者にふろふきダイコンがふるまわれます。
ちなみに、私が住む杉並区のお隣、練馬区はダイコンの産地として有名。
その地名を配した「練馬ダイコン」は、江戸・元禄期からその栽培が行なわれていたそうです。
残念なことに、現在では契約農家が生産しているのみで、私たちの口に入ることは大変少なくなりました
ずっと、日本人の食生活に寄り添っているダイコン。
今回は焼きダイコンをご紹介します。
ダイコンステーキ、と言ってもよい1品。
煮物とは違ったおいしさが楽しめます
こんにちは!
料理研究家の吉田由子です。
実は今月は、私の誕生月なんです。
誕生日祝いということで、少し親子バカな会話におつきあい下さい
子供たちが先日、絵本かなにかで「人はいつか年老いてしまう」という現実を知り、こんなかわいらしいことを言ってくれました
「ママ、いつまでも若くいてね。ずーっと一緒にいてね。」
あまりにも真剣な顔で懇願するので、思わず「大丈夫。ママはずーっと若いよ。」と答えてしまい、それからというもの「老化防止=アンチエイジング」に効果のある食材を探し、いろいろなレシピを試作しています
そんな中、今が旬の「りんご」にも、アンチエイジング効果がある物質が含まれていることを知りました。
某飲料メーカーが長年研究を続けてこられた結果、「りんご」には、りんごポリフェノールという独自のポリフェノールが含まれていることが分かりました。
ポリフェノールは、赤ワインや緑茶、チョコレートなどに含まれている抗酸化作用のある物質ですが、「活性酸素」を抑制し、細胞の老化を防止する働きがあります。
「1日1個のりんごで医者いらず」という言葉には、こういった科学的な根拠があるようですね。ただし、どんなに健康に良い食品も、それだけを大量に食べたり、食べ続けたりするのは健康を害してしまいますので注意が必要です。
前半のエピソードには冗談も含まれていますが、今後もアンチエイジングに効果のあるレシピをご紹介していきますので、一緒に「いつまでも若く健康に」を頑張りましょう
こんにちは 料理家の野上優佳子です。
「花甘藍」(はなかんらん) という名前の野菜、ご存知ですか?
実はこれ、「カリフラワー」のこと。
母の記憶では、明治生まれだった今は亡き祖母が、カリフラワーをそう呼んでいたそうです。
甘藍(かんらん)とは、キャベツのこと。
カリフラワーは、アブラナ科の植物でキャベツ同属の変種。
白くてこんもりした部分は、花蕾にあたります。
ちなみに英語名のカリフラワー(Cauliflower)の「caul」も、フランス語のキャベツを表す「chou」が由来と言われ、直訳すると「花きゃべつ」ということになるのですね
終戦後から広く普及し始めたカリフラワー、その後登場してきた別変種のブロッコリーに人気ではちょっと追い抜かれてしまったような感じもありますが……。
カリフラワーの旬は、冬
今が一年で一番おいしい季節です。
実は私、冬野菜の中で5本の指に入るほど、カリフラワーが大好き
よく見る白いカリフラワーのほかに、最近ではオレンジ・ブーケというオレンジ色の品種や、バイオレット・クイーンという紫色のもの、ロマネスコという名の黄緑色のものなど、種類も豊富になってきています。
下ゆでして食べるのが一番ポピュラーですが、生食でも食べられるのが、カリフラワーのいいところで、生のままピクルスにすることもしばしば。
今回は、このカリフラワーをスープにします
カリフラワーの甘みが、存分に楽しめるレシピ。
身体を温めてくれる、冬の朝にうれしい一品を、ぜひお試しあれ