こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
日本でもここ数年で薬膳ダイニングや薬膳カフェ、薬膳バーなど、様々な薬膳を扱う飲食店がずいぶん増えましたね。
また薬膳のレシピを学ぶ「薬膳コーディネーター」の資格を取る方も増えており、これからますます関心が高まりそうです。
そもそも薬膳とは一体どういったものなのか、皆さん知っていますでしょうか?
漠然と「漢方を主体とした薬のような料理」や、「漢方を使った料理」というイメージを持っている方もいるかと思います。
そのため「体に良いけどあまりおいしくないのでは?」と思われがちなのですが、実は今の薬膳料理は「身近な食材を使ったおいしく体に良い料理」に変化しているのです
そもそも薬膳とは、東洋医学の陰陽五行説に基づき、食材や漢方を組み合わせた食養生のことを指します
韓国料理の基本理念と同様に、薬食同源、食べるものはすべて薬になるという考え方です。
せっかく体に良い料理でも、続かなければ意味がありません。
そこで近年では、毎日続けられる薬膳を!ということで、味も重要視されているのです
これからの季節に、私がオススメする薬膳食材が「長芋」です。
長芋は東洋医学的に見ると、性質は平性で食べることで体を温めたり冷ましたりといった働きはないのですが、体や肌を潤してくれる働きがあるとされています。
乾燥による肌荒れが気になる秋から冬にかけて、特にオススメです
長芋と言えば滋養強壮に良いというイメージですが、その所以は、長芋に含まれる栄養分の多さ。
亜鉛やカリウム、鉄などのミネラル成分から、ビタミンB・Cなどの栄養素、さらに消化吸収を助けるアミラーゼやジアスターゼ、ウレアーゼ、オキシターゼなどの消化酵素が含まれています。
つまり、長芋は季節の変わり目などで体が弱っているときにピッタリの食材なのです
長芋は生で食べることが多い方もいると思いますが、加熱すると生とは違いホクホクとした食感が楽しめるので加熱調理もおすすめです
韓国料理で長芋をよく使う料理と言えばチヂミ。
すりおろしても良いですし、千切りにして小麦粉と混ぜ合わせてもおいしいです。
長芋の味は個性が強くないので他の食材と組み合わせやすく、加熱をすれば痒くなりにくいですよ
お米と合わせてお粥や炊き込みご飯にしたり、肉と一緒に煮付けたりしてもおいしいので、ぜひ長芋で手軽に薬膳料理を作ってみて下さいね
さて、本日は「長芋チヂミ」をご紹介します。
このチヂミは輪切りにした長芋に小麦粉をまぶし、卵液を付けて作る、とっても簡単なものです。
長芋のホクホク感と、サッパリとしたタレの相性はバツグン
病み付きになるおいしさですよ
ぜひお試し下さい
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
秋は味覚狩りが楽しい時期ですね
リンゴ、ナシ、ミカン、きのこ、栗などと秋は旬の食材がたくさん
保育園や幼稚園、小学校などでこの時期に盛んに行なわれる「イモ掘り」も、秋の味覚狩りのひとつです
親子遠足などで子どもと一緒にイモ掘りに行くと、ついつい大きさを競ってしまいますよね
しかし
実はサツマイモの場合、大きさとおいしさはイコールではありません
大きくても甘くておいしいイモもありますし、小ぶりでも甘くておいしいイモもあるのです。
サツマイモを選ぶときは、ずっしりと重みがあり、色が均一で皮にツヤがあるもの、そしてひげ根が少なく、でこぼこの少ないものを選ぶと良いでしょう。
また黒い蜜の跡が切り口にあるものは、糖度が高いのでおすすめです。
とは言っても、イモ掘りで獲ったサツマイモは土が付いていて分かりにくいもの。
今回ご紹介したおいしいサツマイモを見分けるポイントは、スーパーなどで選ぶ際のご参考にして下さいね
ちなみにイモ掘りで収穫したサツマイモはすぐに食べるより、新聞にくるみ常温で数週間程置いておくと甘味が増すそうです。
さて、我が家ではサツマイモが手に入ると、オーブンにおまかせで「焼きイモ」を作ります。
作り方はとっても簡単サツマイモは、よく洗って水気を拭いておきます。
オーブン皿に並べ、160℃(予熱なし)で90分焼きます。
竹串を刺して、スッと通ればホクホクの焼きイモができ上がり
蒸かしイモにするご家庭も多いかと思いますが、我が家ではあえて「焼きイモ」にしています。
それにはちゃんと理由があるのです
実は、サツマイモは蒸すよりも、時間をかけて外からじっくり加熱する方が甘くなるからです
デンプンの消化酵素であるアミラーゼが含まれており、アミラーゼは65〜70℃くらいの温度で加熱するとよく働き、でんぷんを分解して糖に変えてくれます。
焼きイモがほっこりと甘味が強いのに比べ、蒸かしイモや電子レンジで加熱したイモ、薄く切って焼いたりしたイモが甘味が少なくあっさりとした味に仕上がるのはこのためです。
ちなみに、我が家の子どもは「焼きイモって皮も食べて良いの?」と聞きます。
皮の近くに繊維が集まっているので少し固いのですが、便秘解消には皮ごと食べるのがオススメです
それでは、今回は『鳴門金時のニョッキ〜ゴルゴンゾーラソース〜』をご紹介します。
焼きイモももちろんおいしいですが、たまには目先を変えてイタリアンでおしゃれにサツマイモを頂きましょう
女子会やおもてなしにもおすすめのレシピですので、ぜひ作ってみて下さいね
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
8月後半から水揚げを開始したサンマの出荷が、いよいよ本番を迎えます。
9月の上旬にあった台風などの影響で、今年は水揚げ量が低調と言われ、どうなることかと思っていましたが、9月末頃からまとまった漁獲があり、ようやくサンマを食卓に出せたというご家庭もあるのではないでしょうか
我が家にも先日、気仙沼から見事な鮮度のサンマが到着
すばらしい味わいでした
秋の食材の代表格であるサンマにちなんだお祭りが、産地を中心に全国各地で開催されています。
水揚げ日本一と言われ「とろサンマ」で有名な根室市は、毎年9月に【根室サンマ祭り】を開催。
10月には、宮城県気仙沼で【気仙沼サンマフェスティバル】、岩手県大船渡で【大船渡サンマまつり(船場まつり)】、同じく岩手県の宮古市でも【宮古サンマフェスタ】が続々開催され、旬のおいしさを鮮度抜群の産地で満喫できます
産地でないにもかかわらず、もしかしたら日本で一番有名かも知れないサンマのお祭りが、今年も9月に東京・目黒で開催されました。
それは、【目黒サンマ祭り】です
平成8年から目黒駅前で行なわれている祭りで、今年がちょうど20周年でした。
年々人気は高まり、当日は目黒駅前の商店街を目指してできる大行列は、今では初秋の風物詩です。
しかし、なぜ目黒でサンマなの?と不思議に思いますよね
これは有名な江戸落語が起源。
鷹狩り(遠乗りの説もあり)に出かけた殿様が、お昼時に目黒の農家の軒先で炭焼きされていたサンマの良い香りに心惹かれ、食べてみたいと言い出しました。
しかし家来は「あれはサンマという庶民が食べる魚なので、お口に合いません」と説得するも、殿様は食べたいと言い張り、家来にサンマを持ってくるよう命じます。
仕方なく家来は農家から分けてもらったサンマを差し出すと、殿様がそれを食べてびっくり。
それはそれは、大変おいしかったのです
それからというもの、お城に帰ってもその味が忘れられず、「余はサンマを所望する」と言い出します。
しかしお城では庶民の魚など用意しているはずもなく、慌てて日本橋の魚河岸からサンマを取り寄せました。
そして骨を1本1本取り除き、体に悪いと脂も抜いてしまったところサンマの身はボロボロ・・・
仕方なく椀物にして出したのですが、これがちっともおいしくありません。
そこでお殿様が、このサンマはどこで買ったのかと訊ねたところ、家来が「日本橋魚河岸でございます」と返します。
殿様は家来のその言葉に、一言。
「そいつはいかん。サンマは目黒に限る。」
海とは全く縁のない目黒で捕れたサンマがうまい、と信じ込んで断言してしまったというオチの、江戸落語の滑稽物のひとつです。
この話が「目黒のさんま」という話で、目黒で開催されるサンマのお祭りのきっかけなのです。
サンマの話をしていると、脂がたっぷり乗ったサンマが食べたくなってきますね!
そこで今回は、「サンマの炊き込み御飯」をご紹介します。
個人的には、秋の食材の炊き込み御飯の中でもトップクラスのおいしさと自負している炊き込み御飯レシピです。
旬ならではのおいしさ、ぜひお試し下さい
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
少しずつ秋めいてきましたね
9月の下旬の行事と言えば、お月見ですよね。
月見の歴史は古く、平安時代に中国から伝来されました。
今でも十五夜(中秋の名月)の夜には、「月見団子」や「季節の野菜や果物」「ススキまたは秋の七草」などを用意し、お月見を楽しむ方もいらっしゃるかと思います。
ちなみに、今年(2015年)の中秋の名月は9月27日だそうです
ところで皆様、十三夜という行事をご存知でしょうか?
十三夜とは十五夜の一ヵ月後(今年は10月25日)に巡ってくる名月で、十五夜に次いで月が美しい夜だとされています。
日本独自の月見行事で、919年に宇多法皇が宴を催したのが十三夜の最初だと言われています。
十五夜は有名ですが、十三夜の存在はあまり知られていないようで少し残念ですね
十三夜では、十五夜と同じく「月見団子」や「季節の野菜や果物」、「ススキまたは秋の七草」などが供えられます
白くて丸い月見団子は、月が満ちる(満月)の姿を模した物で、収穫の祈りや感謝、健康、幸福を表しています。
お月様と同じような丸い月見団子をお供えしそのお団子を食べることで、健康と幸せを得ることができると考えられているのです
十五夜と十三夜には、それぞれ収穫に感謝して「季節の野菜や果物」が供えられますが、十五夜ではイモ類の収穫時期に当たることから、サトイモやサツマイモが供えられることが多いため「芋名月」と呼ばれます。
それに対し十三夜では、ちょうど食べごろになる栗や枝豆を供えることが多いため、「栗名月」や「豆名月」と呼ばれることがあります。
今年は十五夜だけではなく、十三夜のお月見も楽しんでみませんか
さて今回は、『サトイモの丸揚げ』をご紹介しています。
お月見にふさわしい丸い形をしたサトイモは今が旬。
ご飯にもお酒にも合う一品ですので、ぜひ作ってみて下さいね