こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
お肉や野菜類などは、使用する種類や部位によって味や栄養価が変わりますね。
目的に合った食材や部位の選択をすると、よりおいしく、身体にとっても嬉しい効用があります



たんぱく質は、体をつくる重要な栄養素

筋肉をはじめ、内臓、血管、皮膚、髪の毛、爪など、体の大部分がたんぱく質でできています。
特に筋肉においては、水分以外の約80%がたんぱく質によってつくられているのです。

肉と言っても、牛肉には鉄分が多く、豚肉にはビタミンB1が含まれ、鶏肉には筋肉の材料となる必須アミノ酸が多く含まれています

魚は、赤身(青魚)と白身によって違いがあり、一般に赤身のヘモグロビンやミオグロビンは、鉄を多く含んでいて、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸も多く含んでいます。白身魚は、高たんぱくで低脂肪なのが特徴です

筋肉をしっかりと付けたいときは、必須アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシンの総称)など、特に筋肉の合成を高める作用のあるロイシンを含む食材をメインに摂取することがオススメ

ロイシンは、鶏のむね肉、高野豆腐、マグロなどに多く含まれています

また、肉の脂肪分が気になる場合は、皮なしの鶏肉を選択し、赤身の肉を選ぶようにしましょう。

ダイコンは先の方が辛味が強く、葉に近い部分の方が甘みがあります。
そのため、生で頂くサラダは葉に近い部分、煮物は真ん中、塩分のある味噌汁の場合は先を使うなど、料理に合わせて使い分けると良いですね

白菜は、外側の緑の部分が歯ごたえがあり、甘みも強くないので、炒め物向き。
内側にいくほど、繊維質がやわらかくなり、甘みが強くなりますので、煮込み料理に適します。
食材の種類や部位による違い、ちょっとしたことですが、おいしい料理づくりのポイントになること間違いなしです

さて、本日のレシピは、焼いた鶏肉にチリソースと甘めのタレを絡めて焼き揚げる一品、「チキンの味噌照り焼き」をご紹介致します

皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
ここ数年、肌で感じているのが「水キムチブーム」。
2013年に長寿遺伝子研究を専門とされている有名な医師が出版した水キムチの本が引き金となり、一般的に広まったと考えます

水キムチは、「飲む美容液」とも言われ、乳酸菌をたっぷりと含んだ汁と辛くないことが特徴。
キムチは赤いイメージが強いですが、唐辛子が使用されるようになったのは18世紀頃で、キムチの歴史の中では比較的浅いのです。


2600〜3000年ほど前、中国で初めて漬物が登場し、当時の詩を集めた中国の書物「詩経(しきょう)」のなかで漬物を「菹(ソ)」と呼びました。

塩水で漬ける水キムチのような漬物についても記載がありました


三国時代の漬物タイプは大別して、漬け汁ごと食べるタイプ沈菜(チムチェ)と、洗ったり絞ったりして食べるタイプの醯(ヘ)があり、醯(ヘ)が多く食べられていました。
また、高麗王朝の史書である「高麗史」のなかで、祭事のお供えの漬物である「菹(ソ)」が初めて紹介されたのです。

ちなみに、高麗時代は、醯(ヘ)から沈菜(チムチェ)タイプが中心となります。

この時代にカタクチイワシ漁が盛んになり、キムチの旨みとしてカタクチイワシの塩辛が使われるようになり、オキアミの塩辛も全国的に浸透したのです。
1592〜1598年の文禄慶長の役で、豊臣秀吉が武器として唐辛子を朝鮮に持ち込み、唐辛子は貧困層や庶民層に食用として受け入れられましたが、両班の間では唐辛子を毒草だと認識したため普及が遅れてしまいます。
1715年の農書「山林経済(サンニムキョンジェ)」で栽培法が、1766年の「増補山林経済(チュンボサンニムキョンジェ)」で唐辛子を使用したキムチやコチュジャンが紹介され、18世紀になって唐辛子は全階層に普及しました



韓国の短大根を丸ごと塩漬けにしたあとに、漬け汁に入れてじっくり発酵させる水キムチ。
漬け汁に牛肉のスープを使うこともあり、トンチミの汁を利用した冷麺を床暖房(オンドル)部屋で食べるのが冬の風物詩です。

塩漬けした白菜にナツメ、岩茸、栗などを具として加えます。
殺菌性のある唐辛子を使わないので、長期保存はできません。
全体に味を行き渡らせるために、塩辛汁を使用。

しょうゆベースの汁に漬けたキムチ。
醤漬け(チャンアチ)との違いは、醤キムチは汁も一緒に食べ、醤漬け具だけとなります。
宮廷キムチのひとつです。
現在のように赤いキムチが主流になったのは、唐辛子を入れることで殺菌力が高まり長期保存が可能になったこと。そして、食べると体が温まるため、寒い韓国にはうってつけの食材だったことだと考えられます。
それでは、最後にご紹介するレシピは「白キムチ」です。
スーパーで比較的手軽に入手できる材料だけで作れるようにしました。
イワシエキスは魚醤やナンプラーで対応できますので、一度お試し下さい


こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国ドラマで葬儀の場面を観ると、弔問客に「ユッケジャン(牛肉の辛味スープ)」が必ず振る舞われます。

私は参列した経験がありませんが、ユッケジャンが弔問客への料理として一般的になったのは、それほど昔のことではないそうです。
朝鮮時代のお葬式にあたる治葬(チジャン)は、学者においては1〜3ヵ月、庶民でも3〜9日間行なわれ、弔問客は喪中の家に集まって花札をしながら夜を過ごしていたので、家人は酒や肉などの夜食を提供していました

また、階級が高くなるほど葬儀の日程が長くなり、もてなす酒や肉の量が増えるため、何十頭もの牛や豚が必要になったのです

ちなみに、この時代の料理は、豚肉のスープやゆでた牛肉で、唐辛子はそれほど浸透していませんでした。

牛の塊肉をじっくり煮込み、手で割いたあと、長ネギ、もやし、ワラビやイモがらなどの山菜と一緒に合わせて味付けした料理です。
現代では夏の保養食として日本のうなぎ感覚で食べる物は、参鶏湯(サムゲタン)ですが、参鶏湯が浸透する前はユッケジャンでした。





韓国で赤い料理は食欲をそそるだけでなく、深い意味があるのですね。
ただ、地域によっては特産物を使った料理が葬儀場で用意されることが多いようです。
さて、本日のレシピは、牛肉と野菜からの旨みが感じられる一品、「ユッケジャン風鍋」をご紹介致します

本来のユッケジャンは、ブロック肉をじっくり煮込んで作るので時間がかかりますが、今回は牛小間とコチュジャンを使って、手軽に作れるようにしました。
冬の鍋料理としてレパートリーに入れてみてはどうでしょうか?
体が温まりますよ


こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
10月から消費税の増税が始まり、お菓子などの容量がいつの間にか減っている「ステルス値上げ」という造語が用いられるなど、増税や値上げがボディーブローのようにじわじわと家計にダメージを与えています
そこで、今回のブログは、1年中お安く手に入る「おから」に着目し、栄養価や料理法、保存方法などをご紹介します。
まず、おからがどうやってできるかご存じでしょうか?
おからは豆腐を作るときにできる副産物で、大豆をゆでて絞ったあとに残る物からできています
ちなみに、豆乳に「にがり」を加えて固めた物がおなじみの豆腐です。おからには大きく分けて3種類あります。
生おから
豆乳を絞ったあとに残る搾りかすのことで、最も一般的なおから。
できたて特有の風味が特徴です。
また、水分が多く日持ちしないため、購入後は早めに食べるか、冷凍保存すると良いでしょう。乾燥おから
生おからを日持ちするように加工した物。
水で戻して、生おからと同じように使うことができます。
生おからを買って、自宅で炒って乾燥おからを作るのも良いですね。おからパウダー
最近注目されていて、「おから粉」とも呼ばれています。
乾燥したおからをパウダー状に細かくした物で、ケーキやクッキーなどのお菓子にも使いやすいと人気です。
長期保存が可能で、物によっては半年以上も保存できます。
いつものサラダや味噌汁にかけるだけで、手軽にバランスアップできますよ
乾燥おからと同様に、水で戻して使えば、かさ増し献立にもぴったりおからに含まれる様々な栄養素をご紹介します。
まず注目したいのは、摂取不足が深刻な「食物繊維」。
おからには、水に溶けない不要性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の両方が含まれています
そして、大豆由来の「たんぱく質」。
豆腐や納豆などの大豆製品と同様に、おからは貴重なたんぱく質源になり、他にも、ビタミンEやカルシウム、カリウム、マグネシウムなどが含まれています。最後に、定番のレシピからアレンジレシピまで、オススメのレシピをご紹介します。
まず定番の煮物は、卯の花とも呼ばれていますね。
食卓に上がる頻度が高いサラダにもよく合うので、おからパウダーをサラダに振りかけたり、生おからをポテトサラダに使ったりするのもオススメです。
また、子供に人気のコロッケやハンバーグ、ドーナツ、パンケーキ、クッキーなどにも使えるので、不足しがちな栄養素を補うことができます
お好み焼き、ニョッキなど、意外な料理にも合いますよ
さて、今回のレシピは、おからを使ったボリュームのある一品、「おからとキムチの炒り煮」をご紹介致します
皆さんも、ぜひお試し下さい