こんにちは、料理家の野上優佳子です。
先日、学生以来十数年ぶりに太宰治の「津軽」を開いてみました
約3週間かけて青森へ帰省。
県内の各地で友人知人とふれあい、乳母の「たけ」を訪問して旅を終える紀行文です
その中で、太宰が友人N君の住む、青森市の隣、蟹田町を訪れた際に振る舞われるのが、「卵味噌のカヤキ」なる物。
成長したホタテ貝の大きな貝殻を鍋代わりにし、ネギやかつおぶしを入れて煮て、溶き卵を落とす「貝焼き味噌」と呼ばれる郷土料理を、お国言葉で表現した物です。
このホタテ貝、養殖技術が発達し通年出回っていますが、旬は冬から初春にかけて、まさに今がそのときです。
ホタテ貝は、別名扇貝(オウギガイ)、秋田貝(アキタガイ)とも呼ばれ、北海道から北東北でよく獲れます。
「ホタテ貝」の名は、膨らんでいる具肉が付いている貝殻の右を船体、平らな左を帆にし、まるで帆掛け船のように海上を千里も走るという伝説が由来なのだそう。
殻付きのホタテ貝をきれいに取り出すとき、私が使うのは専用の剥きベラですが、ないときはテーブルナイフでもOK。
手順としては貝殻の白い方(膨らんでいる方)を下にして持つ。
二枚貝の隙間にナイフを差し込み、表面の殻に沿うようにして小刻みにナイフを動かし、貝柱を外す。
貝殻を開き、貝柱が外れた方の貝を外す。
貝柱の底に差し込むようにして、もう一方の貝殻からも取り外す。
と、やってみれば結構簡単
ただし、イキの良いホタテにガブリと手をかまれることもあるので、お気を付け下さいね
さて今週は、ホタテの貝柱と水煮缶を使った、とても香り豊かな炊き込みご飯をご紹介します。
旬の今こそ、ぜひお楽しみ下さい
こんにちは!料理研究家のひろろこと、竹内ひろみです。
12月は時間がたつのが早く、師走を感じる季節ですね。
そんな師走に付き物なのが、忘年会やクリスマス会といった、つい食べ過ぎてしまうイベント
なんとなくお腹まわりが気になり、「ダイエット」という単語が頭をよぎります。
そもそも、ダイエットの定義とはなんでしょうか?
痩せる、痩身のイメージが強いのですが、本来の意味は、「正しい食生活で健康で元気な身体を維持すること」。
健康と言うと、身体の健康がクローズアップされますが、心の健康もとても大切です。
ふたつが健全で、初めて元気と言えるのではないのでしょうか?
ダイエットをしてみて思うことは、痩せることに集中し、つい心の健康を忘れてしまうこと
食べたい気持ちを我慢し、一時は痩せても、ダイエットをやめた途端、それまでストップしていた物が無性に欲しくなり、逆に食べ過ぎてしまう・・・なんていうことも。
ダイエットの目的が、一時的なものではなく、永続的に身体を健全な状態に保つこととするのであれば、○○抜きダイエットや単品しか食べないダイエットなど、偏ったダイエットや無理は禁物です
それよりも、きちんとした食習慣を身に付けるほうが、長い目でみるとはるかに有用です。
きちんとした食習慣の定義はまちまちだと思うのですが、1日何品目食べなければいけないとか、細かい栄養素を気にするとかえってストレスになってしまいます。
基本は、穀類やタンパク源となる食材と旬の食べ物を中心にし、適量を適時に頂きましょう。
その上で、自分なりのルールを決めると良いですね。
例えば、決めた時間以外は食べない。
食事は、具だくさんの汁物を食べてからスタートする。
(お腹がすいていると、勢いよく食べ過ぎてしまうので、汁物を先に食べると満足感が違います。)
食後の甘い物が止められない場合は、カフェオレやミルクティなど、お腹にたまりやすく、自然な甘みのあるドリンクに切り替えてみる。
無理なくできる方法を見つけて実行し、食習慣として定着すると、無理なく体型を維持することができます
本日は、食べたあとも満足感があり、ココロもカラダも元気になる「豆腐の根菜味噌がけ」をご紹介します
こんにちは!
料理研究家の吉田由子です。
いよいよ、今年も残すところあと数日となりましたね
さて、大晦日と言えば、年越しそばですね。
1年の締めくくりに食べる年越しそばには、「そばのように細く長く生きるように」という意味や、そばは途中で切れやすいことから、「一年の苦労を切り捨てよう」など、様々な意味が込められているようです。
今は、インスタントのカップ麺で軽く済ませる方も多いようですが、かなりもったいないんです
今回のブログは、今注目のヘルシー食材「そば」についてご紹介します。
「そば」には、必須アミノ酸のバランスが良い、良質のたんぱく質が豊富に含まれています。
また、疲労回復に効果のあるビタミンB1や、脂肪の代謝や皮膚・粘膜を健康に保つビタミンB2も含まれています。
さらに、ポリフェノールの一種である「ルチン」が豊富に含まれていますので、活性酸素を抑制し、アンチエイジング効果も期待できます。
1年の締めくくりに、ぜひご家族で「そば」を食べましょう
ちなみに・・・年越しそばは、年を越して食べると縁起が悪いとされていますので、12時までに食べ終わるようにしましょう
今年も一年間ありがとうございました。
よいお年をお迎え下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国には専門店がある程、ポピュラーなお粥。
朝起きてお粥を茶碗一杯食べると、空だった胃に活力が生まれます
消化が良く胃腸に優しいため、食欲がなくても食べやすいのが魅力です。
日本のお粥は、梅干しをのせたシンプルなイメージが強いですが、韓国では米と一緒に具を炊いているので、一品料理としての完成度が高いと思います。
朝鮮半島で古くから食べられてきたお粥が、料理書に度々登場するようになったのは、李氏朝鮮時代。
王様に供されたお粥の具は、牛肉、アワビ、ゴマ、松の実、杏仁、ナツメ、高麗人参など。
お粥は保養食だったので、栄養価の高い具材が多かったのです。
高価だった牛乳も、使われていました
牛乳粥は特別な存在で、一種の薬として牛乳が扱われていたため、医者の処方により作られていたそうです。
朝鮮時代に、お粥が主食として配膳された「粥床(チュッサン)」があります。
これは、早朝や間食用の軽食です。
宮廷の朝食は朝10時頃だったため、朝早くから活動する王様には、朝食前の軽食が必要でした
おかずは辛くない物が中心で、薄味のチゲ、水キムチ、干しタラのふりかけなどの乾き物、塩辛など。
朝食の品数が多かったため、粥床のおかずも手の込んだ物は、のぼらなかったのです。
時々、お粥が苦手という方がいらっしゃいますが、味わいのある韓国のお粥は、一度召し上がって頂きたいです。
本日は「牛肉のお粥」をご紹介します。
干しシイタケも使い、旨みたっぷりに仕上げました