こんにちは。野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
だんだんと秋めいてきたところで、体がほっこりと温まるシチューなんていかがでしょうか。
我が家では、ミルクシチューより、「豆乳シチュー」を好んで作っています。

さて、豆乳で汁物を作るとき、加熱しすぎて豆乳を分離させてしまったことはないでしょうか?
スープに豆乳のカスのような物があると、せっかくの豆乳シチューが残念でなりません

これは、豆乳の主成分である「大豆タンパク質」には沸騰すると固まる性質があるため。
豆乳シチューを作るときは、「豆乳を沸騰させないこと」が大切なのです。


これがいちばん大事なことで、素材はしっかりと加熱しておく必要があります。
シチューには欠かせない肉をはじめ、タマネギ、ニンジン、イモなどの根菜は、豆乳を加える直前の工程で、しっかりと火を通しておきましょう。
肉、野菜、キノコなどの素材は、じっくりと煮ることで旨みの煮汁が引出されます。豆乳を加えたあとは、じっくり煮ることができないので、ここでしっかり煮ると良いでしょう。

豆乳は、添加物や調味料が加わっていない、大豆の絞り汁そのものなので、にがりを加えて温めると豆腐ができてしまいます。
塩や味噌などに含まれている微量のにがり成分に反応して、豆乳が分離し、豆腐にしようとするため、沸騰直前まで加熱したら、仕上げ段階で豆乳を加え、火を切りましょう

また、シチューを作るときは、ぜひ無調整豆乳を選んで下さい。
調整豆乳だと味わえない、大豆そのものの甘みと旨みをストレートに味わうことができますよ。
さて、このふたつのポイントを踏まえて頂き、「キノコたっぷり豆乳シチュー」を作ってみましょう

ここではキノコと根菜、鶏もも肉を使っていますが、お好みの具材で作っていろいろと試してみて下さい


こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
先日、女子大学生にクッキングのアドバイスをしていたときのこと。
まるまる1個のカボチャを目の前に、どうやって切ったら良いのか悩んでいる様子でした。
カボチャのヘタの部分に包丁を入れてくりぬき、カボチャの筋に沿って包丁を入れていけば、それほど力を入れずに切ることができるとお伝えしたのです

今まで、切ることに時間がかかり、調理時間が延びてしまうことが悩みの種だったようで、「ちょっとしたコツがとても勉強になった」と嬉しいコメントを頂きました


料理の第一段階である「切る」という作業。
仕上がりの味や見た目にも影響するため、切る作業はいい加減ではなく、丁寧に行なうことが大切ですが、調理時間にもかかわってくるので、手際の良さも必要です。
まな板の上にのった素材の状態が不安定であると、切りづらい場合がありますので、まな板にのる部分が平面になるように包丁を入れましょう
素材がまな板の上に安定してのっていると、小さい子でも安全に切ることができますよ。
また、トマト(ミニトマト)は、包丁で表面に少し切り込み(きっかけ)を入れ、引くように包丁を動かすと、すっと切ることが可能
押すように力を入れてしまうと、ぐちゃっとつぶれてしまうので、スッスッと包丁を入れましょう。
ニンジンなど、棒状の野菜は、終わりの方に近づくほど斜め薄切りにしづらさを感じますね。
その場合は、向きを変え、終わり部分を包丁の方に持ってくるとやりやすいです
また、食材には繊維がありますが、繊維に沿って切った場合には、繊維が断たれることがないので、シャキシャキの触感に
繊維を切るようにカットすると、口当たりがやわらかい感じになります
ニンジンを千切りにする場合、縦に3等分ぐらいにしてから千切りにすると、繊維が残り、マリネなどの食感がシャキッとするのでオススメ。
一方、斜め薄切りにしてから千切りにすると、繊維が断たれ、火を通したときに味がしみやすく、よりしんなりします。
できあがりの料理に応じて切り方を変えてみると、食感や火の通りに違いが出ておもしろいですよ
さて、本日は「高野豆腐のミートローフ」をご紹介致します
皆さんも、ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
どなたでも馴染みのある「サトイモ」は、煮物や汁物が定番。
その他にも、ジャガイモ感覚でコロッケにしたり、サラダにしたりなど、いろいろと応用がききます


思い返してみると、韓国でサトイモ料理を食べた経験は数えられる程度。
とは言え、サトイモは朝鮮半島でも古くから栽培されたと考えられ、文人の李奎報(イ・ギュホ、1168年〜1240年)の詩文集「東国李相国(トングクイサグク)にサトイモ汁の記述がありました



サトイモ汁は、祭祀(チェサ)料理のひとつ。
古い文献にあったサトイモ汁は、現代も食べ継がれています。
旧盆の秋夕(チュソク)は、旧正月と同様に重要な節日であり、秋の収穫に感謝をすると同時に、亡き家族を迎える日でもあるため、先祖にサトイモ汁を供えるのです。
韓国のサトイモ汁は、昆布と牛肉を一緒に煮込み、しょうゆと塩で味付けします。
出汁に使った昆布を、そのまま具として使用する料理は珍しいです。
また、地域や家庭によって、ダイコンやネギを入れたり、香ばしさを出すためにエゴマの粉を加えたり、飾りに白身と黄身の錦糸卵を使うこともあります。

蒸してマッシュにしたサトイモと、もち粉を混ぜ合わせた生地で、平たい円形を形成し焼いたあと、ハチミツを付ける焼きもち。
見た目は素朴ですが、食べてみると目が丸くなるほどのおいしさです

もうひとつは、もち粉を使わない物で、皮をむいて蒸したサトイモにハチミツを付け、パウダー状にした松の実をまぶした物。
ねっとりとしたサトイモ自体が、もちのような食感になりますよ


しょうゆ味の辛くない煮付けと、コチュジャンの入った辛い物があります。
なかまで染み込んでいないので、タレを付けながら頂きます。
調味料の使い方が、日本料理とは異なり、調味料をすべて混ぜ合わせて煮付けるので、サトイモの外側にしっかりと味が付きます。
本日のレシピは「サトイモのピリ辛煮」をご紹介致します

日本のスーパーでもコチュジャンが並ぶようになったので、手軽に作ることができますよ。
サトイモ料理のラインナップを増やす意味でも、一度お試し下さい


こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年も味覚の秋が到来しましたね

秋の味覚と言えば、サツマイモや栗、新米などが思い浮かびますが、別名「グリーンキャビア」と呼ばれる「海ぶどう」も秋に旬を迎えます。
独特の見た目と、プチプチとした食感が人気の海ぶどうですが、皆さんはご存知でしょうか?
最近は、動画配信サービスなどで「咀嚼音」の動画が流行しており、思わぬところから脚光を浴びている食材です。
見たことや聞いたことはあるけれど、実はどんな食べ物なのかよく分からないと言う方も多いでしょう。
そこで、今回は「海ぶどうの栄養価やオススメの食べ方、保存法」と、「もずくやめかぶなど、手軽に日々の食卓にプラスできる海藻」について合わせてご紹介致します。

海ぶどうは、温かい海で育つ海藻の一種。
南西諸島周辺や東南アジアに自生している海藻で、沖縄では古くから食用にされてきました。
形状がブドウの房のように見えることから、「海ぶどう」と呼ばれるようになったようです。
また、海藻類は火を通して食べる物が多いのですが、海ぶどうは生のまま食べることができ、プチプチとした食感が特徴。
海ぶどうには、食物繊維やβ-カロテン、カルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンKなどの栄養素が含まれており、95%以上が水分で低カロリーなので、ダイエット中でも安心して食べられる食材と言えます

お刺身のように、しょうゆや三杯酢に浸けたり、ドレッシングをかけてサラダにしてもおいしいですよ。
また、トッピングするだけで特別感が演出できますので、おもてなしの料理にもぴったり

ただし、海ぶどうは温度に敏感なため、冷蔵庫には入れず、常温保存が良いとされています。温度が高すぎても低すぎてもしぼんでしまうため、保存温度には気を付けましょう

海藻類には、海ぶどうの他にワカメ、もずく、めかぶ、あおさ、ひじき、昆布、青のりなど、様々な種類がありますが、栄養面で注目したいのが、食物繊維

食物繊維を摂ることは、血糖値の急上昇を抑えたり、血中コレステロールの低下に役立つことが分かっています。
また、海藻に含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整えることに繋がるのです。
まさに今注目されている「腸活」ですね

食物繊維の他には、マグネシウムやカルシウム、カリウム、亜鉛などの不足しがちなミネラルも豊富ですので、身体の調子を整えるために積極的に摂りたい食材と言えます。
ご自宅に乾燥ワカメを常備しておくと、味噌汁や酢の物に、毎日の食事で手軽に海藻を取り入れられるのでオススメです

もずく酢やめかぶ酢は、コンビニやスーパーで購入できるので調理の手間なしにそのまま食べることができ、忙しい日の1品にもぴったり!
冷奴やサラダにかけるなどのアレンジも楽しめますね

コンビニご飯が多い方は、「おにぎりはのりの付いた物を選ぶ」、「いつものメニューにひじきの煮物やワカメ味噌汁をプラスしてみる」などの工夫で日々の食事に海藻を取り入れてみましょう。
今回のレシピは、「マグロと海ぶどうの山かけ丼」をご紹介致します

食感が楽しい手軽に作れる一品です。
皆さんも、ぜひお試し下さい

